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[38] 未来への道標Z
ダイゴウジ・ガイ - 2006年05月21日 (日) 02時07分

第七話 「学校帰りに」

「ではハヤテさん、また明日お会いしましょう、アキトさんもお元気で」

「ハイ!ホウカさん、また明日!」

「それじゃあホウカさん、さよなら!」

「ええ、また明日」

放課後、ホウカさんは別れを済ませた後、帰りの車で白皇を後にした。
僕とアキトさんは帰り道で別れる事になった。

「アキトさんそっちに行くんですか?」

「ん?ああ、マリアを看病した時に薬を調合するための薬草とか材料とか全部使っちまってな、これから買いに行くんだ、一応市販の風邪薬だのせき止めだの色んな薬も買っとけば便利だし、他の医療品も一式揃える予定だ。消毒液とかオキシドールとか包帯とかもいるし・・・・」

どうやらあまり病人とかが出ない三千院のお屋敷には医療道具がさほど無かったらしい、実際あのお屋敷は僕とお嬢様とマリアさんとアキトさん、そして執事長のクラウスさんの5人で使用人は少ない、三千院家のお屋敷の中でもあのお屋敷は狭い方らしくあまり執事やメイドも必用無いらしい、最も使用人嫌いのお嬢様のためと言う事もあるらしいが、健康管理もしっかりした状態なので病人も出ないから医療面が疎かになったとか

「大変ですね、アキトさん、そう言えばアキトさんの薬調合用の乳棒ですけど、もうボロボロになってませんでした?」

「あ〜!そうそう!乳棒も買っておかないといけねぇんだ!今使ってるのは安物だったからスグにボロボロになっちまったんだよな〜!ホウカさんの薬の調合で必要だったから100円の買ったんだが・・・・・」

僕は乳棒の事より、何処でアキトさんが医療について勉強したのか気にかかったが、今引き止める訳にもいかないので聞くのは今度にしておく事にした。

「んじゃあ先帰っててくれ、今日は旧友の薬局行って来るから遅くなるって言っといてくれ!じゃあな!」

アキトさんはそれだけ言うとお屋敷に帰る道からは反対方向に走って行った。

「大変だな、アキトさんも・・・・・・・」

正直僕はいったいどれくらい役に立っているんだろう?どちらかと言うと迷惑かけてばかりだし、僕なんかが本当に一流の執事になれるのだろうか?うん!でもきっと大丈夫だ!僕だって頑張ればいつかきっと!
などと色々考えてる時だ。誰かと肩をぶつけてしまったのだ。

「あっ!スミマセン!」

「あっ!いえ!こちらこそ・・・・・ってハヤテ君?」

「うっ!!うわぁ!ヒ・・・・・ヒナギクさんでしたか・・・・」

この人は白皇学院の生徒会会長を務める、桂雛菊さんだ。
この間アキトさんが僕にヒナギクさんの事が好きなのか?と聞いて来た、その話題に出て来たヒナギクさんが目の前にいる。話すのも久しぶりかもしれない

「何よ?その言い方?驚かなくたって良いじゃない?」

「スミマセン、突然でしたので・・・・・」

「あら?今日はアキトさんとは一緒にいないの?珍しいわね」

「アキトさんは今日医薬品を買い集めに行ってますから、遅くまで帰って来ないんだそうです」

「フ〜ン、そうなの?じゃあハヤテ君は今から帰る所なのね?」

「ええ・・・・ああ、ハイそうですよ?でも何か?」

ヒナギクさんが時に見せる何かを企んだ様な微笑を見て、僕は問い掛けた。

「いや別に?特に何も無いけどナギのお見舞いにでも行こうかと思って」

「お嬢様のお見舞い・・・・・ですか?」

お嬢様が休むにもそう珍しい事では無い、まあ大半がサボりだが・・・

「あの子最近休み過ぎだから、ちゃんと来ないとダメでしょ?くらい言っておきたいし、今回はホントに風邪らしいじゃない?だからお見舞いに行こうかなと思って」

ヒナギクさんが来てくれればお嬢様もきっと喜んでくれるだろう
それに少しくらいはヒナギクさんから何か言ってもらった方が良いかもしれない

「ええ!きっとお嬢様も喜びますよ!行きましょう!」

僕等はいっしょにお屋敷へ歩いて行った。


続く




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