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[342] バトラーニューストーリー\
ダイゴウジ・ガイ - 2007年02月03日 (土) 14時26分

第九話 「マリア」

ボクとナガレは遅い足取りでお屋敷に戻った。あのナガレの言葉を聞いてからボクはなんと言ったらいいのか分からず
沈黙が続いていた、ナガレも「変な話をして悪いな」と言って自分の部屋に戻った。しかし全然知らなかった・・・・
そこまで長い付き合いだったのかアキトさんとマリアさんは・・・・だとしたら受けてるショックも相当な物だろう。
ボクはそんな事を考えつつ屋敷の食堂の方へ向かった、食堂に着くとそのマリアさんがボクを待っていた。

「あ、ハヤテ君、ちょっとケーキを焼いて見たので食べてもらえませんか?」

「あの・・・・マリアさん・・・・アキトさんとは教会で拾われた時から一緒だったんですか?」

少々間があったがマリアさんは「はい」と答えてくれた、いつもなら即答なのだろうが今アキトさんはいない、そのためだろう

「あの・・・その・・・なんて言うか・・・・上手く言えないんですけど・・・そんなに親しかった人が亡くなってしまった
のに・・・ボクは何も知らないで何も声をかけてあげられませんでした・・・スミマセン」

するとマリアさんは以外にも笑顔で振り返ってこう答えてくれた。

「いいんですよ、ハヤテ君が気をつかう事じゃありませんから、それにアキトはきっと生きてますし、かつて私に
『執事ってのはな、主を守ってどう生きたかってのが一番重要なのさ、ナギのために**(確認後掲載)るんならこの命くらい何回でも
差し出すぜ』と言ってくれた事があります、私はアキトを一番良く知ってるつもりですし、アキトも私の事を一番良く
分かってくれているハズです。だから分かるんです・・・・きっとアキトは生きています。それにもし死んでても本望でしょう
ナギを守るのは自分の誇りみたいな物でしたからね」

マリアさん・・・・確かにアキトさんはお嬢様を守るためだったら自分を省みないフシがあった。しかしまさかそれ程
覚悟があったとは思ってもなかった、ボクはまだ彼の足元も見えてない

「学校でもヒナギクさんに言われました、アキトさんを信じて笑っていようって、きっと帰って来てくれますよね?」

ボクがそう言うとマリアさんは「はい」と笑って答えてくれた。ボクはその笑顔を見て少し気持ちが和らいだのだった。


続く



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