| [253] リレー小説 ヒナギク奮闘記F |
- 沙月 - 2006年08月05日 (土) 11時49分
今私は、ホウカさんからいただいたクッキーを食べながら、ナギの家で紅茶を飲んでいる。 今までの不幸なことを忘れられるくらい、クッキーも紅茶もおいしかった。
「ごちそうさまでした。」 私は、そう言うと席を立った。
「ん?ヒナギク。もう帰るのか?」 ナギは私にちょとんとした顔で言った。
「あまりお邪魔すると悪いから。」 私は、そう言いながらドアのぶを引こうとした時、マリアさんが言った。
「あ、ヒナギクさん。気をつけて、帰ってくださいね。」 その言葉を聞いた私は、その部屋からでた。
屋敷の玄関にむかっていると、やっぱりいた。
「あ。ヒナギクさん、いらっしゃってたんですね。」 綾崎 ハヤテ君だ。 胸が、どきどきする。だから、私はわざと冷たく
「別に綾崎君なんかに会いにきたんじゃないわよ。それに私もう帰るし。」 顔なんか合わせたら、顔があかくなってしまうと思ったから、私はすぐにそっぽを向いた。 そして、歩きながら言った。
「じゃあね。綾崎君。」
屋敷の外。 私は、さっき綾崎君に言った言葉を微妙に後悔している。 「・・・・・・・・。」 綾崎君は、私がさっき言ってしまった言葉を気にしているだろうか・・・・。 そんなことを思いながら、私はまた歩く。 特に行く宛てもないのに。
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