今回の作品は幕間を挟んだ二部構成になっているのですが、その前半『猿の左手』は、トリックなどよりも、ウィリアム作『猿の手』の解釈が非常に面白かったです。
登場人物である火村が披露した解釈の方が、私的には、通常の解釈され方よりももっと悲劇的で怖ろしく感じました。……その日の夜、ちょっと眠れなくなったくらいに(苦笑)
トリックや犯人に関しては、読み進めていく内に深く考えなくても「ああ、こうであろうな」と想像がついてしまったので、ちょっとだけ「うう〜ん;;」となってしまいました゜。゜。
後半の『残酷な揺り籠』は、突発的に襲った大地震の最中に起こった不幸な事件……というシチュエーションを利用した、読み応えのある作品だなぁと思いました。
ただ、仕方のない事とはいえ、犯人が……なぁ……。
これ以上はネタバレになってしまうので控えますが、別の人であってほしかったなぁ〜というのが個人的な願いだったりしました (^^ゞ゜。゜。
なにはともあれ、『猿の手』に関する作家有栖川有栖さんの解釈だけでも、一読の価値のある一冊だと思いました♪