*本文P320より
『赤ら顔で恰幅がよく、髪は豊かな赤毛で――――』
そんなビジュアル、ティービングちゃうーっ!!(バシーン)←本を乱暴に閉じる音
と、映画から作品に触れた自分は、なんか思わずこげなツッコミを入れてしまいました(笑)。
いやいや、こちらが本家本元なのだから、本来ならば原作が正しいティービング像なのですが……。
なんていうか……映画監督さん、ナイス変更! グッジョブ! ブラボー、ハラショー! って気分。
原作で、聖杯の真実を聞いた事のない人を『**』と呼ぶエピソードとか、サー・イアンの手に掛かると上品でお茶目で、なんとも言えない匂い立つ色気を感じてドキドキしたのに、原作だと、読んでてなんかソフィーがセクハラされてるような心地に……;;
そういう意味では、やっぱりサー・イアンはすごい俳優さんなのだなぁ〜と、改めて感動する事しきりでした。
内容は、すんっっごく面白かったです。
映画で、ビジュアル付きでストーリーを把握していたせいなのか、スルスル〜サラサラ〜の、あっっという間に読めてしまいました♪
キリスト教の信者の方々が目くじらを立てて、ある意味ヒステリックな反応をしていたけれども、私個人としては、そんなに大騒ぎする程かなぁ〜って所が正直な話です。
冒頭の表記にしても、「芸術作品、建築物、文章、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」とあるだけで、別段、本に書いてある事は全部『真実』だ〜なんて、言ってる訳じゃないですし……。
実際にある『事実』の部分と『虚構』の部分がかなり曖昧に書かれていて、うっかりと『全部真実』と勘違いしかねない作品なだけに、権威のある人が何らかのコメントを発表する必要はあったかもですが、映画化された時のあそこまで反応は……ちょっとなぁ〜って気持ちです。
猫も杓子も「絶対不可侵の聖なるものだ!」っていうキリスト教の姿勢に対して、「そうじゃないかもしれないよ」っていう新しい視点を得るヒントになる、面白い作品だったと思います。
これを読んで、途中で放り投げてしまった『死海文書』に関する本、またキチンと読み直す必要があるなぁ〜って、思いました。