お見事。この一言につきます。
日本人って、すごいんだなぁ〜って改めて感じ入りました。
ここ近年、日本のアニメーションが凄い凄いともてはやされつつも、ちっちゃい頃からアニメに親しんできた身としてはなんとなく、いわゆる萌え系アニメが増えたなぁ〜っていうのと、失速感っていうか、手詰まり感が漂っているなぁ〜なんて知ったかぶりをしていたけれども、とんでもなかったです!
なんか、スンマセン! って気分です。
なんだろう……久々に、若手の溢れまくってる才気と日本人が本気を出した迫力に圧倒されっぱなしでした。
まず何よりも目を引くのが、これでもかって言う程に使用されている色の数々。
でも、それらが全く喧嘩をせず1枚絵として調和させるすさまじい色彩感覚。
絢爛豪華で鮮やかな色使いは欧米のお家芸と思っていたけれども、多様な色彩を縦横無尽に操る才は、日本人も全然負けてないなぁって感動しました。
この作品では和紙のテクスチャが少し効きすぎていて見づらく感じてしまうのが唯一の難点ではありますが、TVシリーズではそれも程良く改善されていて、さらに素晴らしい色彩美を楽しむ事ができます。
それから登場人物達の所作の妙なる事。
特に主人公の薬売りの男の、これぞ歌舞伎者とかけ声をかけたくなるような艶やかな色気と粋。
声、物言い、表情に所作、全てが惚れ惚れするばかりです。
現実世界でも男女を問わず、どうせ派手に着飾るなり格好をつけるのであれば、これくらいの粋を見せてほしいなぁ〜なんて思いました。
なんて、人の事は言えませんが゜。゜。
私のセンスなんて、見た目も言動も野暮の極みだからなぁ……;;
そして、物語の展開。
一時でも気を緩める間のない構成になっています。
これに関しては、もう「見て下さい」としか言いようがありません。
残酷で悲しい物語ではあるけれど、でも物凄い強さで見る人を圧倒させる力も持っています。
兎にも角にも、見終わった後、「日本人に生まれて良かったなぁ〜」ってしみじみとしてしまう、極上の作品だと思いました。