なんだろう……。
1巻にしても2巻にしても、どうにも読後感が重いです;;
最初の主人公ルシアンは現世では死んでしまうし、次の主人公ジョージアは、たしかに全てが丸く収まって良い方に向かって行ったのだけれど……。
彼女の義理の兄ラッセルに対して、父親ラルフと義理の母モーラが言った言葉がショックでした。
陰湿ないじめにあっていたジョージアは、納得する。
どうやったって彼を好きになる事はできないし、なりたくもないでしょう。折々で悪口が出てしまうのだって理解できる。
けど、モーラ……。義理とはいえ息子を、「おかしい」よばわり……(泣)。
そのモーラも、大切な娘を、息子とはいえやはり義理の人間に、悪辣で卑怯な手を使っていじめられていたと知れば、たしかに冷淡になるのも分かります。
問題はラッセルの父親ラルフだよ……。
ラッセルをそこまで追いつめた原因は、モーラとラルフにもあったのに……。
ラッセルのいじめが発覚する以前の、ジョージアに対する無理解といい、なんだかすごくモヤモヤします。
いじめが発覚したら、今度はジョージアに向けていた無理解をラッセルに向けただけなんだものなぁ……。
ラッセルが、盗んだジョージアの大切な馬の像を、最後に無傷で返した事だけが……唯一の救いなのかなぁ……。
イタリアを鏡写しにしたような世界観や物語はすごく好きです。
第1巻のヴェネツィアの鏡面世界ベレッツァ、第2巻の星の都レモーラ(現世のモデルはシエナ)で行われる星競馬。
どの話もイタリア文化への愛情にあふれ、その上にファンタジーならではの魅力も混じり合っていて、読んでいてグイグイと引き込まれていってしまいます。
ただ……。3巻でラストなのですが、読むかどうかは迷ってしまいます。