「灰かぶりは魔法をかけられ、恋を知る事で殻を破り、お姫様になりましたとさ」
な、話だったのかな……結局。
と、いう感想でした。
『戦争』っていう意味深な部分もあったけれど、あくまで物語の軸は、小さな世界の殻に閉じこもっていた少女が(現代版)王子様に出会って大人の女性になるって話だなぁって感じました。
だって、かかしのカブはフラれるから。
「むかしむかしあるところに……」な物語であったなら、ソフィーはきっとかかしのカブと結ばれていたのだろうなぁって思います。
それはそうと、ソフィーの呪いは解けたのかどうか?
私は解けないでいてほしいなって思います。カルシファーとの契約があるから、きっと解けてしまったのだろうけれど。
髪の色が戻ってないから、自分の中ではすごくあやふやなのですが。
あの姿はきっと、ソフィーの「心の年齢」なのだろうなって、観ながら思いました。
だからこそ、解けないでいてほしい。……なんとなく。
あと、今回のキャスティングは絶妙だなって思いました。
ハウル役に木村拓哉というのもそうなのですが、荒野の魔女に美輪明宏が選ばれた事にも。
最初、主演は木村拓哉! って聞いた時には「ええーっ!(大不満)」とも思ったものですが、ハウルのキャラクターが「絶世の美形で力もある、けれど心をなくした臆病者の魔法使い(+α、性格に難アリ)」と聞いて「こりゃまたニクい配役をするなぁ」って考えを改めましたもの。
多分、日本中の俳優、声優、全てを合わせたとしても、ハウルと一体になって演じる事ができるのは彼しかいないんじゃないかなって感じています。そういう意味では、演技の上手下手なんて二の次だとも、思いますし。
荒野の魔女もそう。最初、CMなどのビジュアルを見た時は「ああ〜。そのまんまだなぁ」くらいにしか思っていなかったのですが、いざ映画を観てみたら、「この役にこの人を当てるなんて……ある意味で、このキャスティングを采配した人はなんて鋭く人間を見ているのだろう」って……思いました。
とりあえず、原作を読んでみようかなって思います。
映画の隅々に監督のメッセージが散りばめられているとは感じるのに、それを半分も受け止められなかったから。
原作を読んで、もう1度映画を見たいなって思います。
ただ、ラストは……ラストは……正直、「ええーーっ?!(困惑)」ってなりましたです゜。゜。
かかしにされてた隣国の王子様が元に戻り、サリマンが「このバカげた戦争を終わらせましょう」って言ったら終わりなの?!
それでハッピーエンドに突入?? そりゃないよーー゜。゜。(涙) みたいな (^^;
全体的には割と自分のツボに入った映画であっただけに、ラストの締めをもう少しグッとキュッとしてほしかったなぁって思いました。
あっ、これ書くの忘れてた!
宮崎監督は本当に、ロングヘアの女性をセミロングにするの、好きだなぁ〜って思いました。(ラピュタとか。……ラピュタだけか?)