強迫性障害の案内板の掲示板1号
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管理人Ari 2010年12月01日 (水) 08時02分 No.1729
みやさんへ
こんにちは。
みやさんの以前のメッセージ、読み返していないのですが、実際の認知行動療法を受けたことがないですよね?
想像上の質問が多いかなと思いました。
回答が、みやさんに合うかは、実際に面談しないと掲示板では無理なので、一般論の答えになりますが、ご参考まで。
1 不安階層表は、あくまで目安です。治療者によっては、使わない人もいると聞きますし、様々です。
それに、もっとも難易度の高い項目ができたからと言って、完治とは限りません。通常は、完治とは、もっと先です。
ですので、初めから、完治を目指すことは無理があります。登山と同じで、なるべく今できることを、淡々と行っていった方が、いいように思います。
あと、症状を抱えて20年だと、生活のかなりの部分に症状が影響している人が多いので、不安階層表を作っても、その人の症状を大ざっぱに表現したものということも、よくあります。
>生活に一番支障のある部分の改善があれば十分と思っているのですが、途中でやめてしまうと、簡単に再発してしまったりするのでしょうか。「途中でぶつかる壁」を超えるのがポイントなのでしょうか。
改善がどの程度かによりますが、通常、生活に一番支障のある部分の改善をするには、「途中でぶつかる壁」を超える必要があることが多いです。
強迫症状は、雑草のように生命力が強いので、例えば、汚染にとらわれている人が、聖域をきれいに残したままだと、強迫行為を一時的に減らしたように見えて、またやりたくなるってことはあります。
ただ、それでも、例えば、シャワーに3時間かかっていた人が、1時間半に減れば、その分、生活が楽になるでしょうし、意味はあるのではと思います。
意味は、その人の感じ方、考え方次第です。
2 治療者も、実力に大変幅があります。一般論ですが、強迫の行動療法は、険しい山を登るのに似ています。
一人で登れる人はゼロではありませんが、それが困難な人が大半です。一人でできるには、客観的な理解力、行動力も必要です。
行動療法は、副作用はまずないので、HPを読んでいただいたのなら、自分でちょっと実際に試して(シュミレーション程度でも)みるって方法も考えられます。掲示板2号を使っている人だと、そういう人も多いみたいです。
3 >強迫症状の原因となっているメンタル的な問題が解消されない限り、
こういう人も少なからずいます。認知行動療法というのは、精神療法の技法のひとつに過ぎません。
理想を言うと、患者さんをとりまく状況の全体を把握しつつ、改善の案を考えていけるといいのです。ですので、場合によっては、薬、他の精神療法の技法、環境調整など組み合わせていきます。
例えば、純粋な強迫以外のメンタルな要因(家庭内のトラブル、トラウマ、発達障害、長期のひきこもりなど)を抱えている人の場合、その対策をしないと、不安階層表の途中で止まってしまい、それ以上、先に進めないということも、よくあります。
ただ、そのための、いろいろな精神療法などの対策ができる専門家がとても少ないので、認知行動療法に、乗りきれない人もいます。
みや 2010年12月02日 (木) 13時28分 No.1730
お返事ありがとうございます
ご丁寧にお返事をいただきありがとうございます。
お察しのとおり、私は認知行動療法を受けたことがありません。行動療法の実際が想像できず不安がふくらんでいましたが、レスを拝見して自分にとってのポイントがつかめてきました。また私は不潔恐怖症なので具体例も大変参考になりました。
Ariさんが有料で行っている個別相談について重ねてお聞きしていいでしょうか。レスいただけないことがあることも了解しておりますので、よろしければお返事ください。
1 指導内容は 不安階層表の作成→段階的暴露 と進めていくことが多いですか。月2回以上のペースで5〜20回の面談が必要とのことですが、段階的暴露の進行のサポートがメインになるのでしょうか。暴露がうまくできなければそれだけ期間・回数が長引くという解釈でよろしいですか。
2 通信のみで改善された方がひとりだけいるとのことですが、面談での行動療法で改善された方はどのくらいいらっしゃいますか。通信に比べ面談のメリットはどのへんにあるのでしょうか。または通信での行動療法が難しい理由はどのへんにあるのか教えてください。
どうぞよろしくお願いします。
追伸
以前書き込みしたのは数年前だと思います。その際のハンドルネームがうろ覚えなので今回とちがう名前かもしれません。マナー違反でしたら申し訳ありません。
管理人Ari 2010年12月04日 (土) 19時43分 No.1731
みやさんへ2
こんにちは。
>Ariさんが有料で行っている個別相談について重ねてお聞きしていいでしょうか。
個別相談に関心を持っていただき、ありがとうございます。また、自分の改善したいという気持ちもいいので、そのタイミングで、うまく結果に結びついてほしいとも思います。
ただ、私の個別相談は、現在、自前のカウンセリングルームがありません。他の部屋を間借りすることもあるのですが、そこがあまりきれいではなく、不潔恐怖の人は受け入れが難しいことが多いです。
自宅に訪問していい人なら、できる場合もありますが、今は忙しく、地域や日程が他の人と、近くないとできないことが多いです。
ですので、なるべくなら他の医療機関で、専門療法をしているところを探してください。どうしても無理なら、そのとき、またご相談ください。
1>段階的暴露の進行のサポートがメインになるのでしょうか。
違います。クライアントの生活の全体像をつかみ、広い意味で支援をします。曝露反応妨害法は、その中の一技法でしかありません。ただ、曝露なしでは、強迫症状の改善はできないことも多いです。
2>2 通信のみで改善された方がひとりだけいるとのことですが、面談での行動療法で改善された方はどのくらいいらっしゃいますか。通信に比べ面談のメリットはどのへんにあるのでしょうか。または通信での行動療法が難しい理由はどのへんにあるのか教えてください。
まず人数は忙しくて数えていませんし、掲示板で数字を出すと数字だけが独り歩きするので、およその数字も書きません。
ただ、掲示板のスヌーピーさんのように、改善した人は、もちろんいます。
あと、通信と、実際の面談とのメリットの違いですが・・・例えば、掲示板に、私の書き込みはいっぱいありますよね?
でも、私という人間が、どのくらいわかりますか?
たぶん、実際に会って、話をすると、印象が違うはずです。
私のように支援する側にとって、ネットや通信越しでは、眼隠し、手探りの情報で推測しているような判断の限界が生じてしまうのです。
ですので、他の医師や心理士だって、実際に会わない限り、診断、治療ができないのが原則です。
それでも、電話と郵便で改善できた1名というのは、地元にそのような専門家がいなくて、私以外に選択肢がなく、本当にやる気があって、努力した人でした。
そして、強迫性障害というのは、ある面、観念的な病気であるので、患者さんにとっても、観念や想像ではない、実際の体験との違いを知り、それを大事にしていけるといいのです。
そうでなくても、心理的な支援は、人と人の出会いがあってこそが、基本です。
みや 2010年12月06日 (月) 08時29分 No.1732
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お返事ありがとうございます。
数ヵ月後に、私にとっては恐怖突入に近いような毎日が始まる予定なので、今は恐怖心半分、改善への意欲半分という心境です。
個別相談をお願いするのは難しそうなのが残念ですが、自分にとっての良い方法を、なんとか探して頑張ろうと思います。
お忙しい中、ご回答本当にありがとうございました。
管理人Ari 2010年12月06日 (月) 10時02分 No.1734
みやさんへ 修正2
こんにちは。
掲示板2号のみやさんと、私が混同していた面があり、修正します。
(やはり掲示板での回答は、個別相談とは違い、難しいです。)
もし地域に行動療法ができる機関がないとか、自分で医療機関などを探すことが難しい場合など、一部の相談は、方法次第でできることもありますので、お問い合わせください。あと、数ヵ月後に何があるのかわかりませんが、それへの対応も、通常の医療機関より、支援がしやすい場合があるかもしれません。
>今は恐怖心半分、改善への意欲半分という心境です。
こういう気持ちでいいのではないでしょうか?
改善の意欲が100%ということは、まずありません。それでも、こうした質問など、行動に踏みきることの積み重ねによって、自信というのは徐々に付いてくるのものでは?
私のHPの動機の部分か、「よくわかる強迫性障害」4章の天秤ばかりのイラストのあるページでもいいのですが。よろしければ参考に。