《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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ルソーと福沢の対話。天皇永続の原因と意義【9】国王や天皇は悪い人ばかり? (15851)
日時:2025年11月19日 (水) 18時57分
名前:政治思想マニア

国王や天皇は悪い人ばかり?

ルソー
「福沢さん。理屈はそれで通っても、実際には国王は碌なことをしないものです。私の国フランスでは国王ルイ十六世の王妃マリー・アントワネットが、国家財政が赤字なのに贅沢をやめず、人民が空腹に耐えているときに、『パンがなければお菓子を食べれば良いじゃないの』などと馬鹿なことを言って人民の反感を買ってしまいました。さらにそのあと、不満が溜りに溜っていた民衆がついにバスティーユ牢獄を襲撃。パリの女たちは数千人が武器を持ってヴェルサイユ宮殿に乱入。国王と議会に食料を要求しました。その結果、国王一家はパリ市民に監視されてテュルリー宮殿に暮らすことになった。国王一家は、そのあとも愚かなことを止めなかったのです。」

福沢
「愚かなことをやめなかった。…具体的には?」

ルソー
「王妃の実家はオーストリアでした。だから国王一家はオーストリアへ逃亡しようと企てた。国王一家はパリを脱出した。しかし国境の手前のヴァレンヌという所で一家の正体は国民に見破られ、一家はパリへ連れ戻された。この事件はフランス国民に衝撃を与えました。それまで心情的に国王を擁護していた国民の支持を失った。しかもそのころ、フランスの革命政府はオーストリアと戦火を交えていたのですが、その敵国オーストリアに王妃マリー・アントワネットはフランス軍の機密を漏らしていた。それで国王ルイ十六世がギロチンで首をはねられ、王妃も処刑された。王家などというものは、所詮このようなものです。」 

海舟
「ふ~む。」

福沢
「それでは、イギリスはどうだったのですか?」

ルソー
「イギリスも似たようなものです。」

龍馬
「そうかな。イギリスの革命は名誉革命といったが…。」

ルソー
「『名誉革命』などと言っても、そのときの国王チャールズ二世と、その次のジェームズ二世は国民の利益よりも自分の名誉と利益を優先しました。

福沢 
「ほう…。」

海舟
「具体的に、二人はどんなことをしたのですか?」

ルソー
「チャールズ二世はそれまでの議会との協調を破って独断でフランスと密約を結びました。密約の内容は、『イギリスがフランスを助けてオランダと開戦する。そのかわりフランスがチャールズ二世に毎年20万ポンドの年金を贈る…』など。この密約は議会にまったく知らされていなかった。そのほかにチャールズは、議会が反対してきた常備軍を強引に設置して、武力で議会に圧力をかけた。」

龍馬
「ずいぶん独断的な国王だ。」

ルソー
「その弟のジェームズ二世は自分の王位を守るために、議会がオランダから呼びよせたオレンジ公ウィリアムの軍隊と戦いました。しかし、国王軍のなかにジェームズ二世に忠誠をつくす者は少なかった。王の娘も父を見捨てた。ジェームズ二世は人民からまったく信用されなくなった。結局、ジェームズはフランスに逃亡し、オレンジ公ウィリアムがイングランドの国王となった。これが名誉革命です。チャールズ二世もジェームズ二世も、私がいう『一般意志』に背いたから革命を招いたのです。」

龍馬
「ふ~む。」

福沢
「ルソーさん。お言葉ですが…」

ルソー
「なんですか?」

福沢
「イギリスの名誉革命は『権利の章典』を制定しました。それによって、国王が議会の承認なしに法律を停止したり無視したりすることを違法とした。これには大きな意義があるのではないでしょうか。」

ルソー
「もちろんあります。大きな意義があります。このほかにもフランス革命が『フランス人権宣言』を採択して『法の下の平等』を宣言した。これも大きな意義を持ちます。これは私の自慢です。」

龍馬
「なるほど…。」

ルソー
「だから、世界の国王に立派な人間を求めるのは無理というものなのです。」

海舟
「う~ん…。」

龍馬
「それは、どうかなあ…。」

福沢
「ルソーさん。申しわけないけれども…」

ルソー
「なんですか?」





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