| 文学作品としての古事記神話 【11】大国主の命の国造り (15822) |
- 日時:2025年11月14日 (金) 23時13分
名前:比較文化の好事家
【11】 大国主の命の国造り
大国主の命が出雲の岬におられる時に、舟に乗って寄ってくる神様がいました。命が名前を聞いても答えません。お供の神たちに尋ねても、みな知りません。だが、「神産巣日の神の御子で、名前は少彦名(すくなびこな)の神です」と言う者がいました。
そこで命が神産巣日の神様に尋ねたところ、「たしかに私の子である。子供たちの中で、私の指の間からこぼれ落ちた子である。だから少彦名の神よ、大国主の命の兄弟となって、この国を造り固めなさい。」と、仰いました。それで、それ以降、大国主の命と少彦名の神は、そろってこの国を造り固めました。しかし後に、少彦名の神は海外の国へ行ってしまいました。大国主の命は嘆いて言いました。「私一人だけで、どうしてこの国を造ることが出来ようか。どの神と一緒にこの国を造ろうか」と。 その時、海の上を照らして近寄ってくる神様がいて、命に言いました。「私をよく祭ったならば、私はあなたと一緒に国を造ろう。もしそうしないならば、この国は出来ない。」「ならば、どのようにお祭りすれば良いのでしょうか。」「私を大和の国の青々とした山の上に祭りなさい。」
大国主は言われたとおりに祭り、国造りを続けました。この神は今、奈良の桜井におられる「三輪山の神」です。
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