《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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文学作品としての古事記神話        【8】稲羽の素兎。          【9】大国主の命の死と復活。 (15818)
日時:2025年11月13日 (木) 18時35分
名前:比較文化の好事家

【8】稲羽の素兎 【9】大国主の命の死と復活   

【8】 稲羽の素兎(いなばのしろうさぎ)

大国主の命には多くの兄弟の神様がいました。その神様たちはみな因幡の八上姫と結婚したいと思い、みなで因幡へ行く時に、大国主の命に袋を背負わせ、お供として命を連れていきました。兄弟たちが先に因幡の国の岬に着くと、毛をむしり取られた兎が倒れていました。

兄弟の神様たちが言いました。「お前はこの海の水を浴びて、高い山の尾上にのぼって風に吹かれていると良い。」兎が言われた通りにして、風に当っていると、海水の塩が固まって、兎の皮がすべて引き裂かれました。兎が泣いて伏していると、大国主が遅れてやってきました。

大国主が、「どうして泣いているのか」と尋ねると、兎が言いました。「私は隠岐(おき)の島の兎で、この国へ来たいと思ったのですが、泳げないので海の鰐(わに)をだまして言いました。『私の兎一族との鰐一族と、どちらの数が多いかを知りたい。あなたは鰐一族の者をすべて連れてきて、この隠岐の島から因幡の岬まで一列に並んで伏していてください。私がその上を跳ねながら数えます。そうすれば、どちらの一族が多いか分かるでしょう。』と。

鰐が騙されて並んで伏しているので、私はその上を数えて渡ってきて、岬に降りようとするときに、『お前たちは騙された。』と言ってしまい、それで最後の鰐が私を掴(つか)まえて、すっかり私の白い毛を毟ってしまいました。

それで私が困って泣いていた所へ、先に来られた大勢の兄弟の神様たちが、『お前は海水を浴びて、風に当たって寝ておれ。』と仰いましたので、その通りにしたら、さらに痛くてたまりません」と答えました。

大国主の命は、「いそいで河口に行って、河の水で体を洗い、河口の蒲(がま)の花の花粉をまき散らして、その上に転がり回りなさい。必ず元のようになるだろう。」と言いました。

それで、兎が教えられた通りにすると、白い毛が元のように生えました。そこで兎が大国主に言いました。「あなたの兄弟の神様たちは八上姫と結婚することは出来ません。今は袋を背負っているけれども、あなたが必ず結婚するでしょう」と。




【9】 大国主命(おおくにぬしのみこと)の死と復活

八上姫(やがみひめ)は兄弟の神様たちに、「私はあなたがたとは結婚しません。大国主の命と結婚します。」と言いました。兄弟の神様たちは怒り妬んで、大国主の命を殺そうと相談して、伯耆(鳥取)の山に大国主の命を連れていって言いました。

「この山には赤い猪がいる。我々が上から追い落とすから、お前は下で捕まえろ。捕まえなければ、お前を殺す」と言って、上から猪に似た岩石を真っ赤に焼いて転がし落としました。それで大国主の命は岩石を取ろうとして、焼かれて死んでしまいました。

そこで、命の母の神様が泣いて悲しんで、天に上って神産巣日神(かみむすびのかみ)様に訴えました。大神様は二人の姫神を地上に遣わして、二人の姫神が蛤と赤貝の汁を絞って命の体に塗ると、命は息を吹き返し、元のように元気に歩き回るようになりました。

すると、大国主の兄弟の神様たちは、また嘘をついて大国主を山へ連れていき、木を切って矢を付けて、命を山に入らせて矢を放ち大国主を殺してしまいました。

それで、命の母がまた天上に泣いて訴えたので、神産巣日神様が大国主命を生き返らせました。大国主命の母は命に言いました。 「お前はここにいたら兄弟の神たちに殺される。しかし、すさの男の命がおられる根の国(地下の国)に行けば、すさの男の命が必ず良いようにしてくれるだろう」と。



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