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石破茂は自民党総裁を辞任したが総理大臣は辞任していない。 (15720)
日時:2025年09月09日 (火) 18時42分
名前:読売屋かわらばん

また知人の情報屋が、おもしろいX(旧ツィッター)の記事を紹介してくれた。

石破茂は自民党総裁を辞任したが総理大臣は辞任していない。
https://x.com/hikarugensan/statu...

石破茂は昨日の記者会見で「総裁を辞める」と言ったが「総理を辞める」とは言っていない。

昨日、私がこのXで、「石破茂はまだ総理大臣を辞めていない」と言った。すると親切な人が、「石破は記者会見を開いて、『総理大臣を辞める』と宣言した」と言ってくれた。

しかし、それは間違いである。

石破は昨日の記者会見のなかで「総裁を辞任する」と言ったが、「総理を辞任する」とは言っていない。

たしかに石破に質問した多くの記者たちも、「石破は総理大臣を辞めると言った~」と思い込んで石破に質問していた。しかし石破はみごとに誤魔化しとおして回答を終えているのである。

石破は記者への回答のなかで、
「総理大臣を辞める」などと一言も言わず、
「総理大臣を辞めることを前提とする発言」もまったく行っていない。

この件にかんして最も信用できる記録は、「首相官邸」が発信したユーチューブ動画、
「石破内閣総理大臣記者会見-令和7年9月7日」
https://youtube.com/watch...
である。

以下、石破の発言と、記者との質疑応答を太字で提示する(通常字体は私の解説)。

09分00秒
このたび私は自由民主党総裁の職を辞することといたしました。そのため党則第6条第2項に基づく・・・総裁選の手続きを実施するよう森山幹事長に伝えたところであります。


ここで石破は「自民党総裁」を辞任すると言っている。「総理大臣を辞任する」とは言っていない。



11分09秒
新しい総裁が選ばれるまでのあいだ、国民のみなさまがたに対して果たすべき責任を着実に果たし、新しい総裁総理にその先を託したいと思っております。


ここでも石破は、
「新しい総裁が選ばれるまでのあいだ」と言っている。
「新しい総理が選ばれるまでのあいだ」と言ったのではない。

なるほど石破はこの最後の部分で、「新しい総裁総理にその先を託したい」と言っている。しかしその意味は、「私はすぐに総理大臣を辞める」という意味ではない。

「一年後か二年後に私が総理大臣を辞めたあとに、新しい総裁総理に託したい」という意味である。石破はこのあと、日経新聞記者の、「いつごろ新しい総理大臣に代わるつもりか」という質問(後出)に対して、話の内容を逸らしたうえで、「私は総裁(総理ではない)を辞することとしました」と、筋違いの回答を行って、総理大臣の辞任時を述べずに回答を終えているのである。



19分35秒
これを次の総裁総理に是非とも引き継いでいただきたい。


この言葉も、「一年後か二年後に私が総理大臣を辞めたあと、次の総理大臣に仕事を引き継いでいただきたい」という意味である。



19分54秒
しかしながら、昨年9月に自由民主党総裁に選んでいただいたときの多くの方々のご期待に応えることができたかと、そのように自問するとき本当に忸怩たる思いがございます。


この発言も、本人が言っているように「自由民主党総裁」としての発言である。「総理大臣」としての発言ではない。



28分27秒
政治改革につきましては、昨年、総裁として政策活動費の廃止、いわゆる旧文通費の使途公開と残金の政治資金規正法に基づく第三者機関の早期設置という方針を示し、昨年末には政治改革法が成立をいたしました。


この発言も「総裁として」の活動報告である。「総理として」の活動報告ではない。



29分40秒
私としてはまだやり遂げなければならないことがあるという思いもあるなか、身を引くという苦渋の決断をいたしました。それは、このまま党則第6条第4項に基づく臨時総裁選要求の意志確認に進んでは、党内に決定的な分断を生みかねないと考えたからであり、それは決してわたくしの本意とするところではございません。


この発言のなかの「身を引く」も、すぐあとの文の内容から判断して「総裁」として身を引くことである。「総理」として身を引くのではない。ここまで石破は「総理大臣を辞める」などと一言も言っていない。「総理大臣を辞める前提の発言」もまったく行っていない。



30分32秒
真の意味での解党的な出直しを成し遂げなければなりません。本日この場をその一歩とすることができますよう、党員、党友の皆様方のお力を賜りますよう、心よりお願いを申しあげます。


この発言も自民党に関する内容である。よって「自民党総裁」としての発言である。「総理大臣」としての発言ではない。



31分04秒~31分17秒
残された期間、全身全霊で国民の皆様方が求めておられる課題に取り組んでまいりますので、何卒ご理解を賜りますよう、心よりお願いを申しあげます。私からは以上であります。
(以上で、石破の発言終了)


ここで石破は「全身全霊で取り組む」と言っている。この発言を、「総理大臣が残り短い期間を全身全霊で取り組む」と理解する人が多いだろう。

しかし石破は初めから終わりまで「自民党総裁」として語っている。この言葉も「石破茂・自民党総裁が残り短い期間を全身全霊で取り組む」という意味である。

これを逆に言うと、石破茂総理大臣の将来は決して短くないのである。



31分36秒~33分41秒
(記者)
日経新聞の三木と申します。・・・最後に、総理は先週も経済対策の策定の意向を表明され、このあとは外交日程が続きます。総理が次の方に後任を託すタイミングとして意識されている時期の目途があれば伺います。
(石破)
それは先ほどの会見でも申し上げたとおりでありまして、選挙の責任は最終的に総裁たる私が負わねばならないということ・・・。で、次の方に何を期待するかというようなこと、また、その時期についてのお尋ねであったかと思います。それは今後、いわゆる通常の総裁が欠けた場合、総裁選挙ということに入ることになると思われます。それは党で決めることでございますので、そのスケジュール等々について私が言及すべきことだという風には考えておりません。


ここで石破は日経記者の質問内容と全く関係のない内容に話を逸らして回答している。

まず、記者は石破が総理大臣を辞めるという前提で質問をした。それは記者の、「総理が次の人に後任を託すタイミング」を尋ねていることから明らかである(また、自民党の総裁が次の人に後任を託すタイミングなどは総裁選挙が終わったときに決まっているから、わざわざ記者が尋ねるはずがない)。

それなのに石破は、「選挙の責任は最終的に総裁たる私が負わねばならない」とか、「自民党の総裁選挙のスケジュールは党が決めることだから私は回答しない」などと話の内容を逸らしてしまい、結局、「総理大臣が次の人に後任を託すタイミング」を語らなかった。

これは見事な詭弁である。つまり石破は、多くの記者たちが「石破は総理大臣を辞めると言った~」と思い込んでいることを知っていた。それで、実際にはまったく言っていないことを隠し通すために、石破が意図的に論点を逸らして回答したのである。

なんとも感動的なほどの詭弁である。古代ギリシアのアテネで活躍したと言われるソフィストたちも、石破の詭弁には舌をまくであろう。



38分11秒~39分13秒
(石破)
この難局に対して国民のみなさまのために政府の機能というものがいささかなりとも停滞することがあってはならない・・・何よりも国民のみなさまがたに政府の機能が停滞することがあっては決してならないということで、この判断に至ったものでございます。


この発言の最後の部分「この判断に至った」とは、「自民党総裁を辞める判断に至った」ということである。決して、「総理大臣を辞める判断に至った」のではない。石破はこの会見で一言も「総理大臣を辞する」とか、「内閣を総辞職する」とか言っていない。



43分22秒~44分54秒
(記者)
NHKの根本です。・・・先ほど総理は後進に道を譲る決心をしたと。新しい総裁総理にその先を託したいというご発言がありました。・・・。新しい総理総裁に政権運営あるいは政策の点から、どのようなことを期待されるか、教えてください。
(石破)
それも先ほど申し上げた通りですが、関税措置にともなう一連の政策というもの、あるいは関税措置の迅速かつ着実な実行ということは・・・何としてもお願いしたい、やらねばならないと思っております。また、賃上げというもの、この流れを確実なものにしていかなければならないと思っております。・・・関税措置、これに伴う諸政策、そして防災庁の設立、そして賃上げ、農政改革、そういうことは次の政権に何としても引継いでいただけねばならない。私は強くそのように考えております。


ここで石破は、「何としてもお願いしたい。・・・次の政権に何としても引継いでいただけねばならない」と言っている。しかしそれは、「私が一年後か二年後に総理大臣を辞めたあと、次の総理大臣に実現してもらいたい」ということにすぎない。

石破はここでも「私が今、総理を辞めたあとに」とか、「石破内閣が明日、総辞職したあとに」とか、そのような言葉を一切使っていないのである。



・・・ということで、以上のように石破茂は今回の記者会見のなかで、一言も「総理大臣を辞任する」と言っていない。石破茂は明日からもズルズル・ネバネバと総理大臣の職を続けるに違いない。私はそう判断する。

もちろん私の判断がまちがっていたら、私はこのX上で石破総理に謝罪する。しかし、今回の記者会見のなかで石破総理は一度も「私は総理大臣を辞める」と明言していない。それは間違いない事実なのである。

さて、ここで私の昨日の投稿記事の結論にもどる。はたして、新しい総裁を決定した自由民主党は、この粘着総理大臣を「総理」の椅子から引きずり下ろすことができるのだろうか。

昨日の繰り返しになるが、もし新しい自由民主党が石破茂を総理大臣の椅子から引きずり下ろすことができなければ、自由民主党は次の国政選挙で参政党や国民民主党などに第一政党の座を奪われかねない結末をむかえるであろう。






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