| 【論評13/15】 雅宣総裁の発言とその論理を分析すると、「雅宣総裁は護憲の原理主義者である」との結論が出る。その反対に、「雅宣総裁を『護憲の原理主義者』と見ることはできない」という結論は出ない。3分の3番目。 (15534) |
- 日時:2025年03月10日 (月) 13時37分
名前:勝手に論評家
【論評13/15】 雅宣総裁の発言とその論理を分析すると、「雅宣総裁は護憲の原理主義者である」との結論が出る。その反対に、「雅宣総裁を『護憲の原理主義者』と見ることはできない」という結論は出ない。3分の3番目。
次郎 かなり前から日本国民の意見は、「憲法改正に賛成」のほうが「憲法改正に反対」よりも多くなっている。しかも年々その傾向が強くなっている。それなのに、総裁はその変化を無視して、いつまでも「憲法改正は必要ない。改憲は危険だ」と主張している。この事実を総裁の常套句で言うならば、総裁自身が社会の変化に応じた「教義の解釈」…を拒否する原理主義(本冊子11頁)に陥っている。
京子 その証拠をあげなさいよ。
次郎 NHKが毎年実施している世論調査がある。そのなかに「憲法に関する意識調査」があって、「第二問」で「憲法改正が必要か不必要か」を質問している。なぜか2019年(令和元)だけがネット上に公開されていないが、下に記したように年々改憲を必要とする意見が増加し、不必要とする意見が減少しているのだ。
「第2問」あなたは、いまの憲法を改正する必要があると思いますか。改正する必要はないと思いますか。それともどちらともいえませんか(選択肢は4肢)。 選択肢1 改正する必要があると思う 選択肢2 改正する必要はないと思う 選択肢3 どちらともいえない 選択肢4 わからない。無回答
京子 ふむ…。
次郎 その結果を古い順に並べる。 必要あり 必要なし わからない 2018年 29% 27% 39% 2020年 31% 24% 41% 2021年 33% 20% 42% 2022年 35% 18% 42% 2023年 35% 19% 41% 2024年 36% 18% 41%
京子 ふむ…。それで、そのウェブページのurlはどこにあるの?
次郎 2018年が https://www.nhk.or.jp/bunken/resea... 2020年が https://www.nhk.or.jp/bunken/resea... 2021年が https://www.nhk.or.jp/bunken/resea... 2022年が https://www.nhk.or.jp/bunken/resea... 2023年が https://www.nhk.or.jp/bunken/resea... 2024年が https://www.nhk.or.jp/bunken/resea...
京子 ふ~ん。しかし、NHKの調査だけでは何とも言えないわ。
次郎 讀賣新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron... によると、 2023年4月に読売新聞社が実施した世論調査の結果、憲法改正に賛成する意見が61%、反対する意見が33で、賛成する意見が二年連続で60%を上回った。 さらに、 翌年2024年の同社の世論調査の結果 https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron... によれば、憲法改正に賛成する意見が63%、反対する意見が35%。また、九条2項の改正に賛成する意見が53%、反対する意見が43%だった。さらにまた、中国の軍備増強や日本の領海への侵入が安全保障上の脅威だと「感じる」との回答は、「大いに」59%、「多少は」34%を合わせて93%に上った。
京子 ふむ…。それでは、総裁先生がひいきにしているらしい朝日新聞の調査結果は?
次郎 これが面白いのだ。まず、朝日新聞社の報告は残念ながら発見できなかった。しかしテレビ朝日のウェブサイト「報道ステーション」の報告が見つかった。これが面白い。同ウェブサイトは、以前は憲法改正にかんする質問をしていたのに、最近は質問することをやめてしまった。改憲に質問するのが苦痛になったようなのだ。たとえば2022年には質問を行っていた。
「報道STATION」2022年7月調査結果 https://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll... 一年以内に進めるべきだ 23% 三年以内に進めるべきだ 26% 改憲を急ぐ必要はない 35% 改憲は必要ない 9% わからない。答えない 7%
その翌年2023年の同ウェブサイトは残念ながら発見できなかったが、2024年のウェブサイトは発見できた。それが「報道STATION」2024年5月調査結果 https://www.tv-asahi.co.jp/hst2020/poll... だ。
ところがこのページには「憲法改正」と「九条改正」に関する質問がない。このウェブサイトは毎月更新されているのだが、これ以降2025年1月まですべてのページに「憲法改正」と「九条改正」に関する質問が行われてない。それどころか、 「2024年10月調査」 https://www.tv-asahi.co.jp/hst2020/poll... にいたっては、「憲法改正」と「九条改正」に関する質問がないかわりに、「あなたは10月27日の衆議院選挙で投票に行きますか、行きませんか?」という質問が堂々と行われている。このような質問は調査するほどの重要な内容ではない。このような愚問を提出しながら「憲法改正」と「九条改正」に関する質問を提出しない朝日新聞社と「報道STATION」は、「憲法改正」と「九条改正」に関する世論調査を行うのがよほど苦痛になったのだ。
京子 ふむ…。
次郎 以上の事実から次のように言えるはずだ。憲法改正と九条改正に関して、昔は反対する意見が多いときもあった。しかしここ5年以上は賛成する意見のほうが反対する意見よりも多い。しかも近年は賛成する意見が60%を越えていると考えられる。その変化は、一貫して「改憲反対」を主張してきた朝日新聞グループが調査することを苦痛に感じるほど確定的なトレンド(時代の潮流)となっているのだ。…ここまでご異存はない?
京子 ない。
次郎 それはどうもありがとう。そうすると、次の(1)~(3)のように言うことができるはずだ。 (1)第二回目で僕が紹介したように、一般的な原理主義の定義、「基本的な理念や原理原則を厳格に守ろうとする立場」(デジタル大辞泉)を採用するならば、雅宣総裁の憲法思想は、「何があっても憲法改正を肯定したくないという基本的な理念や原理原則を厳格に守ろうとする立場」に立っているから「護憲原理主義」である。
京子 ふむ…。
次郎 (2)総裁は本冊子のなかで、「社会の変化に応じた教義の解釈」(11頁)を拒否する思想信仰を「原理主義」と規定し、「唐松」2016年6月17日の記事、「信仰者はウソをつかない」のなかでは、
「日本会議」…の主張と目的は、憲法改正をはじめとする安倍政権の右傾路線と ほとんど変わらない…。彼らの主張は、「宗教運動は時代の制約下にある」という 事実を頑強に認めず…宗教的な観点から言えば“原理主義”と呼ぶべきものです。
と断言していた。
この総裁独自の「原理主義の定義」に照らしても、今の日本社会が憲法改正に進んでいる改憲トレンドを総裁が無視し、「宗教運動は時代の制約下にある」という事実を頑強に認めずに、いつまでも「改憲反対」を主張し続けている総裁の憲法思想は、「護憲原理主義」だ。
京子 なるほど。
次郎 (3)総裁は本冊子のなかで、「生長の家は原理主義ではありません…。(11頁)」と言っていた。だから生長の家総裁を自称する谷口雅宣氏は、本当は「生長の家」ではない。雅宣総裁のロジックを認めるかぎり谷口雅宣氏は「生長の家」ではない。かえって、憲法改正の方向に進んでいる「日本会議」さらに「日本会議支援者」のほうが「宗教運動は時代の制約下にある」という事実に沿って発言・行動している。生長の家総裁・谷口雅宣氏よりも、「日本会議」や「日本会議支援者」のほうが本当の「生長の家」である。…ここまで、ご異存はない?
京子 異存はない。
次郎 どうもありがとう。
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