予言と言霊に寄せて (15217) |
- 日時:2024年06月18日 (火) 18時06分
名前:下総の野人
『予言と言霊 出口王仁三郎と田中智学―大正十年の言語革命と世直し運動』という本を手に取る機会がありました。著者は鎌田東二京都大学名誉教授。平凡社より令和6年(2024)4月刊。
書名から分かる通り大本教を扱っていることもあり谷口雅春(正治)先生のお名前も出てきます。大本教時代のご文章も引用されています。具体的には「第五章 大正十年の言直し(三)聖苦と笑いの物語戦略」のところです。
生長の家を信仰する者として役立つ内容という訳ではありませんので読むことをお勧めするものではありませんが、雅春先生のお名前が最近刊行の書物に出てくるということでご紹介しようと思った次第です。
ところで鎌田東二先生の恩師の一人は宗教学者の戸田義雄先生です。戸田先生は谷口雅春先生が神あがられました際に追悼の言葉を寄せておられました。
【グラフ『生長の火をかざして―永遠の谷口雅春先生―』昭和60年より】
「宗教史上不滅のご存在 文学博士 戸田義雄 十年前、持病をこじらせ発作で倒れた入院先に、日本教文社の取締役・中島省治、編輯部次長・橋村両氏が御見舞にかけつけて下さつた。その時、御高著『生命の實相』シリーズ中、神想観の最も熟成した述作であると思はれる二巻を特に選ばれて、それをたまはつたのである。既に入院を五回も繰返してゐる古参者である私も、今回は、神経の末端まで、冒された、ぎりぎりの容態であることを痛感してゐたから、現代西洋医学だけでは到底、立ち直れぬといふ不思議な暗示があつて、神想観をこらすことに生命をかけた。谷口先生の、人類の救済にかけられた、その行法、思想の独自性に目覚めたのは、私のこうした悲劇的な状況にあつての体験からである。それ故、私は次のやうな体験的告白をもつて、谷口先生の御霊の大前に伏し、熱禱しまつるのである。 本源的に霊性・神性に充たされた個的生命の人間存在は、その本性に目覚め、悟達することをもつて終り、よしとされるのではない。それでは小乗的な個人救済に止まる。谷口先生の御教示で重大なのは、神的な全体生命の永遠性が、この全体生命に融一することによつて、個的生命の不変性が保証されるといふことである。 そこで、全体生命の歴史的具現である日本といふ国家生命の在り様を、本根的な神的位置に回復するといふ鋭い批判活動を招来したのである。新憲法の改憲、紀元節の復活など、腐敗した、それでゐて強固な敗戦後の世論に抗し、正道の恢復に挺進されたのであつた。 ペンを剣に代えての営みは、所謂、活動家のなし得るところではない。宗教家の矜持を厳にし、膨大なる文書を以て、教えを垂れ、言行一致の範をお示し下さった尊姿は、世界宗教史上、否、日本皇国史上、不滅であると仰ぎまつる者である。」 (ただ鎌田先生は戸田先生とは政治的立場は違うようです)
ちなみに鎌田先生が所属していた京都大学こころの未来研究センター(現在「人と社会の未来研究院」となっているよう)というのは京都大学の「稲盛財団記念館」内に設置されていました。稲盛財団の創立者はもちろん稲盛和夫さんです。稲盛さんと『生命の實相』のことはよくご存じのことかと思います。
《えにしまんだら》
とでも言えましょうか。 そうしたこともあってのご紹介となりました。
◎参考 【魂の対談】日本はとんでもない国だった|鎌田東二 神道が一気にわかる まつりに隠された4つの意味 https://www.youtube.com/watch?v=haCpmL3r8B4
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