《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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「人新世」から「神新世」へ (14837)
日時:2023年08月21日 (月) 21時25分
名前:亀の子

合掌

 最近、書店に行くと「人新世」なる言葉が附くタイトルが、また目に附くことを感ずる。

 この「人新世」なる言葉が人口に膾炙されるやうになつたのは、『人新世(ひとしんせい)の「資本論」』(斎藤幸平著 二〇二〇年九月二二日第一刷発行 集英社新書)であろう。小生の地元の駅前書店の入り口近くの新刊書コーナーに平積みになつてゐたこの本のタイトルに目を惹かれて手に取つたが、「人新世」といふ言葉から受けたイメージで、人類の意識が向上し新しくなつて、輝かしい新世紀でも來る預言の書のやうなものとの期待は見事に裏切られ、「地球に人類が爪痕残す」といふ良くない意味の「人新世」といふ言葉らしい。

 「人類の経済活動が地球に与へた影響があまりに大きいため、オゾン層破壊の研究などでノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェン氏( 1933年12月3日 – 2021年1月28日)は、地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと言い、それを「人新世(ひとしんせい)」(Anthropocene)と名付けた。人間たちの活動の痕跡が、地球の表面を覆いつくして年代という意味である。」として「人間の活動によつて飛躍的に増大してゐるのが、大気中の二酸化炭素である。」といふ「人新世」といふ期待に満ちた(小生の思い込み)イメージの内容でなかつたことと表紙の筆者の斜に構へたような寫眞を見て購入するのを止めた本である。どうも小生の考へ方とは反対の方向性のやうである。

 この『人新世の「資本論」』のことは、生長の家白鳩会総裁が今年(令和五年)になり、『夢の地平線』といふ書で取り上げたり、昨年(令和四年)11月22日の谷口雅春大聖師御生誕日記念式典で生長の家総裁が挨拶の中で、この「人新世」といふ言葉を紹介してゐることからも、現生長の家教団でも、「人新世(ひとしんせい)」なる言葉が少しは浸透してゐるのではないかと思ふ。

 『夢の地平線』が発刊されたことを踏まへ古書となつた『人新世の「資本論」』の他、「人新世」の附く本数冊を購入した。

 あらためて「人新世(ひとしんせい)」についてネットで調べてみると、

「人新世(アントロポセン)」とは、新たな地質年代の名は「Anthropocene」(アントロポセン)、人類の時代という意味だ。日本語では「人新世」と書き、「じんしんせい」または「ひとしんせい」と読む。 人類の活動が、かつての小惑星の衝突や火山の大噴火に匹敵するような地質学的な変化を地球に刻み込んでゐることを表わす新造語である。」といふ。

 『夢の地平線』では、生長の家白鳩会総裁といふ立場から「人新世(ひとしんせい)」といふ時代に突入した世界に對し信徒に對しての「生きる道」「運動の指針」を指し示すといふやうなことが書いてあるかとザっと目を通したが、悲観的な話ばかりではない。世界各地で人々が対立ではなく融和の方向に、お互いが助け合う方向へ、小さな芽であるが生れつつあるといふ例を斎藤氏はこの本で示しているとのことである。
 では、生長の家白鳩会総裁としての場から「生長の家」の運動の具体的な方向性なり、対策を示しているかと云へば“否”である。

 また、生長の家総裁の方も、ただ「皆さんはあまり聞き慣れないかもしれません」などといつものやうに信徒を見下したやうな態度で「人新世(ひとしんせい)」といふ言葉の意味を紹介するのみ。これが令和四年の「谷口雅春大聖師御生誕日記念式典」の「言葉」だといふのであるから何をか況やである。

 ネットでは、この本を、バッサリ斬つてゐる批判的書評に出会った。

>『人新世の「資本論」』(斎藤幸平著・集英社新書)が20万部を突破したという。中央公論新社が主催する「新書大賞2021」にも選出された。
>「最先端のマルクス研究」とのことだが、地球温暖化論の焼き直しらしい。ということは、「石油が枯渇する」「森林がなくなる」と同類の〝あおり〟なのか。
>〝人新世〟とは聞きなれないが、「人類が地球を破壊しつくす時代」だという。
> だだ『人新世──』は危機をあおるだけでなく、危険な社会変革をもあおる〝過激思想〟だ。さすがはマルクス研究者、著者の斎藤幸平氏は地球温暖化の元凶が資本主義だといい、猛烈に〝左旋回〟する。
> エリート任せのSDGs(持続可能な開発目標)じゃ物足りない!経済成長をあきらめ、電気はマイクロ水力発電で! 
> まるで古代のムラ社会に戻れといわんばかり。
>〝脱成長〟なんてやつたら、筆者が救いたいであろう「世界の貧しい子どもたち」がいちばん苦しむのでは…。
(2021年6月1日)

 やはり、自分の直感を信じて書店での購入を控えたのは正解だつたやうだ。

 『夢の地平線』のこの本の紹介の中の文章でも、相變わらず、
 「地球温暖化の原因は、人間中心主義である。」と断言している。

 まるで、それが絶對の眞理のやうに。然らば(しからば)、人間誕生以前の地球は今より温暖化した時期もあることは、ちょっと地球の成り立ちや地球の歴史を學べばわかることである。その時も同じ言葉を云ふのであらうか。人間誕生前のことなのに…。

 いかに論理矛盾しているか、當の本人も自覺していないかもしれない。

 「人間・神の子」「神の子・人間」の尊い御敎へを戴いてゐるのであるから、

「地球に人類が爪痕残す…「人新世」というのであれば、よい爪痕を残す「人新生」から更に進んで「神新世」の世になるやう人類光明化運動の意識を高めてい行きましょう。」

 ぐらい云えぬものであらうか。


「人新世」(ひとしんせい)から「神新世」(かみしんせい)へ

 地球に人類が爪痕を残す「人新世」から、地球に神の子が爪痕を残す「神新世」へ

 この思考變換を目指すべきであらう。その先頭に立つのが、谷口雅春先生から尊い使命を與へられた本來の「生長の家」人の進むべき道ではなからうか。

  再拜



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