(其の五の①)新編が維持した谷口雅春先生の原文表記(底本の愛藏版の文字表記)の語句と變更された頭注版との比較(道場篇の場合) (14692) |
- 日時:2023年04月10日 (月) 18時27分
名前:立葵
<本項のはじめに>頭注版で主に準據したことがうかがはれる規準は以下の通り
イ、「当用漢字表」「現代かなづかい」※ ※「当用漢字表」「現代かなづかい」…… 昭和二十一年十一月十六日に政府が告示した一八五〇字の漢字と新しい假名遣
ロ、「当用漢字音訓表」※(漢字そのものは「当用漢字表」にあつても使へる讀み方を限定してそれを示した表) ※「当用漢字音訓表」昭和二十二年九月二十九日の国語審議会答申の「まえがき」より 「この表は,当用漢字表の各字について,字音と字訓との整理を行い,今後使用する音訓を示したものである。」
ハ、「同音の漢字による書きかえ」※ ※同音の漢字による書きかえ(昭和三十一年七月五日の「文化庁・第三期国語審議会」の報告)「同音の漢字による書きかえ」について(報告) 「国語審議会は,当用漢字の適用を円滑にするため,当用漢字表にない漢字を含んで構成されている漢語を処理する方法の一つとして,表中同音の別の漢字に書きかえることを審議し,その結果,別紙「同音の漢字による書きかえ」を決定した。(改行あり)当用漢字を使用する際,これが広く参考として用いられることを希望する。」
以下、道場篇に限定して著者の原文の文字表記(底本の愛藏版の文字表記)が頭注版での書き換へによつて損なはれたと思はれる例を抄記いたします。
◎語句の右の數字は54が新編『生命の實相』第54巻道場篇上、55が同第55巻道場篇下。(頭注版では第34巻道場篇)
ア行 汗塗れ→汗まみれ 55 方って→あたって 55 頭を擡げて→頭をもたげて 54 詫まる→あやまる 54 有難う→ありがとう 54 如何にも→いかにも 54 些か →いささか 55 一切→いっさい 54,55 一旦→いったん 54 一杯→いっぱい 55 一遍に→いっぺんに 54 今迄→今まで 55 否応なしに→いやおうなしに 54 嫌になり・厭になり→いやになり 55 要らない→いらない 55 淹れたて→いれたて 54 俯して→うつぶして 54 俯向いて→うつむいて 54 被仰った→おっしゃった 54,55 折柄→折りから 54 御礼→お礼 54
カ行 恢復→回復 54 片肘衝く→肩肘つく 55 傍ら→かたわら 54 鞄→かばん 54 硝子→ガラス 55 可哀相→可哀想 54 聽き始めた→聞きはじめた 55 気勢→気配 54 奇蹟→奇跡 54,55 極める→きめる 54 首を掉って→首をふって 55 口惜しい→くやしい 54 決して→けっして 54,55 嶮しい→けわしい 54 昂奮→興奮 54 珈琲→コーヒー 54 御飯→ご飯 54 零す→こぼす 55 怺へて→こらえて 54 御覧→ごらん 54 頃→ころ 55
サ行 曩の→さきの 54 先刻→さっき 54 仕方なし、仕方がない→しかたなし、しかたがない 54 直に→じきに 55 刺戟→刺激 54 自分達→自分たち 55 障礙→障害 55 随分→ずいぶん 54,55 即ち→すなわち 55 総ての人→全ての人 55 坐って→すわって 55 故か→せいか 55 全財産を摺る→全財産を擦る 54 その途端→そのとたん 55 傍→そば 55
タ行 大分→だいぶ 54 宝を附す→宝をわたす 54 湛えた→たたえた 54 只の→ただの 55 竪→縦 55 度々→たびたび 54 耐らなく→たまらなく 54 註文→注文 54 痞える→つかえる 54 到底→とうてい 55 到頭→とうとう 54 咄嗟→とっさ 54 除って→とって 54 呶鳴る→どなる 55 尖って→とんがって 54 処→所 54
ナ行 何糞!→なにくそ! 54 嘗めて→なめて 54 鳴り始める→鳴りはじめる 54 何で→なんで 55 何等→なんら 54
ハ行 端書→はがき 54 醱酵→発酵 54 吃驚→びっくり 55 脹れあがる→腫れあがる 54 不図つながると→ふとつながると 55 釦孔→ボタン孔 54
マ行 先ず→まず 55 不味くて→まずくて 55 廻って→回って 55 見出された→見いだされた 54 自ら→みずから 55 見附からない→見つからない 54 目を廻す→目を回す 54 見詰めた→見つめた 54 挘りとって→むしりとって 54 齎す→もたらす 55 勿体ない→もったいない 55 固より→もとより 55
ヤ行 やり過ぎ→やりすぎ 54 與一さん→与一さん 55 克く読んだら→よく読んだら 54
ラ行 碌なもの→ろくなもの 55
ワ行 判って→わかって 55 私→わたし 54,55 私に不圖→わたしにふと 55
※別項1:ルビの變更 埋(ルビ・うづ)めました→埋(ルビ・う)めました 54
※別項2:他卷における、語句そのものの變更(文語的表現から口語的表現へ・その他) →別記事として下に續きます
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