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江崎道朗さんがフェイスブックで、新渡戸稲造先生の「象徴」天皇論 を紹介しておられます (1788)
日時:2016年06月05日 (日) 11時43分
名前:コスモス


新渡戸稲造の「象徴」天皇論

 FBFの早川さんが、新渡戸稲造先生の「天皇論」を紹介しておられる。
 この中で、日本では、「天皇を象徴とする考え方は、GHQから押し付けられたものではなく、戦前からあった」という議論があり、「その源流は、新渡戸先生ではないのか」という指摘がある。

 確かに新渡戸先生は1931年、ロンドンからの依頼で『日本ーその問題と発展の諸局面』という本を英語で出しており、そこに天皇象徴論があるという。

 ところが、早川さんが新渡戸稲造全集第18巻にある和訳を確認したところ、その象徴論は、戦後の宮澤俊義教授らが主張した「象徴論」とは全く異なることが判明した。

 新渡戸博士は、「天皇は国民の代表であり、国民統合の象徴である」と指摘しているが、その内容を、新渡戸博士はこう説明している。

 日本の「国体」は、この国を従え、我国の歴史の始めからそれを統合してきた”家系”の長による、最高の社会的権威と政治権力の保持を意味する。

 皇室の家系は、国民全体を包括すると考えられる。初代の統治者は親類縁者を伴って来たし、現在人口の大部分を形成しているのは、それらの人々の子孫だからである。

 こうして天皇は国民の代表であり、国民統合の象徴である
 こうして人々を統治と服従において統一している絆の真の性質は、
第一には、神話的血縁関係であり、
第二には道徳的紐帯であり、
第三には法的義務である。
(『日本 その問題と発展の諸局面』183-184頁,新渡戸稲造全集第18巻、2001年、教文館)

 新渡戸博士は、国民はすべて皇室の末裔であり、皇室と国民の絆は、神話と道徳と慣習法によって成り立っている、と考えていたわけだ。

 戦後の「象徴」天皇論とは比べ物にならないほど、深い。そして、戦前の日本人は、このような象徴天皇論を考えていたことを、改めて振り返っておくべきだろう。

 きちんと文献に当たって事実を発掘された早川さんに対して心より敬意を表したい。

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 色々学ばせて頂きたいと思っております。有難うございます。




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