《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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「桃李もの言はざれども下自ら蹊を成す」 (14453)
日時:2022年08月02日 (火) 00時07分
名前:立葵

合掌
 安倍晋三元内閣總理大臣の偉業を偲び奉り、謹んで御冥福を御祈り申し上げます。

 先月七月は、多くの日本國民にとりまして忘れ得ぬ重苦しい一箇月となつたのではありませんでせうか。
 のみならず、それに追撃ちをかけるかのやうに、この出來事を安倍氏を批判する好機到來とばかりに聞き飽きた言説を開陳する發言が多々蔓延つてゐることが明るみになりました。

 我が國日本は何を言つても、またどれほどの威嚴や功績のある人をも自分のレベルに引摺り降ろして貶めても許される有難い自由を享受できる素晴しい國であります。
 しかし失つてはならなかつた方が天に召されたことを悼む思ひの者にはそのやうな文言に遭遇することには心痛みます。

 おそらく多くの日本人にとりまして、安倍氏が二年前に突然辭任された時の衝撃も、やがてこの雌伏の時を經て再び祖國日本再建のリーダーとして雄飛される日の來ることへの期待と確信とに轉じつつありましたことと思ひます。

 その證左が永田町への無數の弔問者の姿や事件現場等に參つた人々による夥しい獻花、また御葬儀に際して沿道を埋め盡した人の列などでありました。

 雨天に咲いた傘の花は昭和天皇樣の御不例の御時を髣髴させると、昭和を知らない子供達に思はず傳へました。

 更には諸外國より、安倍元内閣總理大臣の急逝を悼み、慟哭し、官民あげての服喪がなされ、更には夥しい哀悼の言葉が寄せられてゐることも周知の事實です。

 この哀しく受容れ難い出來事を通しておのづと思ひ起された言葉は、

「桃李(たうり)もの言はざれども下自(したおのづか)ら蹊(こみち)を成す」

でした。この諺は『生命の實相』の自傳篇の結びの御一文としても拜讀して參りました。
 谷口雅春先生が昭和五年に滿を持して個人雜誌『生長の家』を發行されて、その眞理の言葉が自然と大きな信仰者の團體「生長の家」へと發展したことを囘顧なさつての御文章と拜します。

 新編『生命の實相』第33巻159頁より(頭注版第20卷)
「説く真理の実証として人知では謀り知り難い、科学では説明不可能な幾多の奇蹟や、人生を活かす力が演ぜられるところに、人心が翕然と集り来って、桃李物言わねど下自から蹊を成す底(てい)に出来上るのが本当の活きた宗教である。」

(同頁の脚註、「桃李物言わねど… 『史記』「李公伝賛」にある言葉。桃やすももは何も言わなくても多くの人が集まるので木の下に自然と道ができるように、徳望のある人のもとには、自ら求めなくても人々がその徳を慕って集まってくること」)以上引用

 おのづと人々の心が集まつてくる内なる力。これこそが、ひとり安倍元内閣總理大臣の御人德をも超えたわが日の本の國柄ではありませんでせうか。
 それは決して所謂"洗腦"ですとか、うはべだけの同調の强制等々によつて人爲的に作り上げられるものではありません。

 安倍氏の急逝を悼む人々の心をも、それが愚かで無智のゆゑだと云はんばかりに喧傳する方々に、どうかお靜かに、御自分の心の中だけで批判しておいて下さいと希はずにはをれません。
 再拜



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