「将棋の神様にお願いするなら」…それに対する藤井聡太・3冠の回答で思ったこと (13771) |
- 日時:2021年10月22日 (金) 09時55分
名前:破邪顕正
暗いニュースの多い中、今年は、大谷翔平選手と将棋の藤井聡太・3冠の活躍に救われたと思っている方も多いのではないでしょうか。
実績もさることながら、二人が語った言葉が実に魅力的であることも、それに与って力があったと感じます。
まず、大谷選手は「大変だった」とか「疲れた」とか言いません。
「いろいろと学べて楽しかった」
大谷選手を見ていると、野球を心から楽しんでいる…。
それにみんな惹かれているのではないでしょうか。
もう一人、藤井聡太・3冠もまた、その発言が常に注目を浴びます。
とりわけ、私が感銘を覚えたのが、ファンからの質問に藤井聡太棋士が答えるというイベントでのこと。
「将棋の神様にお願いするなら、なに?」
この質問に対して、同席していた女流棋士は、「全ての対局を勝てますように」とか、「女流の棋戦をもっと増やしてほしい」と答えました。
男性棋士は、「将棋を強くして欲しいのは当然ですが、メンタル面が弱いので根性をつけてもらいたい」
同じく師匠の杉本8段は、「あと30年、80歳まで現役を続けたい」。
それに対して、藤井聡太棋士は何と答えたか。
「せっかく神様がいるのなら一局、お手合わせをお願いしたいと思います」
将棋の神様は、いったい、どんな将棋を指すのだろう?
どんな手を打つのだろう?
どんな作戦をとるのだろう?
藤井棋士は、神様のことを何かお願いする対象とは思っていないのです…。
まるで、神様を自分と同じ次元で捉えているような気がしてなりません。
それで、思ったのが、新編『生命の實相』第20巻「万教帰一篇」にある、このご文章です。
《…いよいよ娑婆国土及び八方の国土を浄め終わられたのでここに多宝塔の扉がひらかれて多宝仏の仏身の全体が顕われ給うたのであります。この扉を開いたものは誰であるかと申しますと釈迦牟尼仏である。仏即ち真理の覚者のみ多宝の塔即ち無限供給の扉を開くことが出来るのであります。すると多宝塔の中から声が出て「釈迦牟尼仏この座に就きたまうべし」といわれる。そこで釈迦牟尼仏は多宝塔の中に入り多宝仏は釈迦牟尼仏に半座を分け給うて、多宝仏と釈迦牟尼仏とは一の座を半座ずつ分けてその上に結跏趺坐して坐られたのであります。この、多宝仏と釈迦牟尼仏とが一つの座に坐られたということは、この二仏が本来一仏であるということが表わしてある…》(17頁)
神様と対局したいというのは、ここに言う、「多宝仏と釈迦牟尼仏とは一の座を半座ずつ分けてその上に結跏趺坐して坐られた」という、それと同じ光景ではないのか、そう思った次第です。
とにかく、大谷選手も藤井棋士も、自分の言葉をもっている…。
「若いのに」と、つい思ってしまいますが、何度も生まれ変わって修行を重ねてきた魂だからこそ…。
そんな思いで二人を見つめています。
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