《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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さざれ石の"岩音鳴りて"? ー かなづかひ断想 (11943)
日時:2020年05月12日 (火) 07時28分
名前:立葵

合掌
五月も半ばとなり、一部の地域では各方面の活動が再開しつつある一方、我が家でもそれぞれが各種のオンラインでの会合や学び等の新しい試みにも挑戦してゐます。

今できること、今ここから前に進めることを見出して動き出してゐることに明るい兆しを感じます。

さて、最近オンラインでの、日本の文化についてのある学びの会で講師を務めた方からお聞きしたことです。

各自のPCの前に集った方々に最初に国歌君が代の歌詞を書いていただいたさうです。
画面越しに掲げていただいた解答に満点の方はなく、

さざれ石の"岩音鳴りて"

と書かれる方もおいでだったさうです。
昨秋にはラグビーの日本代表チームが私達に国歌君が代への畏敬の念を喚び起こして下さいましたが、今でもいざ筆記していただくと色々なお答へとなるやうでした。

そこから本来の意味として伝へられて参りました、
小さな石が巖となってその上に苔がむすまでの長い間の…
との説明をするのださうですが、併せて、国旗国歌法に於ける仮名遣ひの問題にも言及するのだといふことでした。

国旗国歌法が成立したことに対しましては限りない感謝の念と関係者への敬意を懐く者ですが、条文の歌詞からは、なるほど「岩音鳴りて」と思って歌ふ方がいらしても然りと思はされます。

国旗及び国歌に関する法律(通称国歌国歌法)
平成11年法律第127号
公布: 平成11年8月13日
施行: 平成11年8月13日
別記第二(第二条関係)
君が代の歌詞及び楽曲
一 歌詞

君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
いわおとなりて
こけのむすまで

これに対して、明治の御代に公布された君が代の歌詞の文字表記からは、そのやうな解釈にはつながらないでせうことを私も思ひました。

明治26年8月12日公布
「文部省告示第三號別册・官報第三千三十七號附録『祝日大祭日歌詞竝樂譜』」より

君が代
古歌
林廣守作曲

君が代は。ちよにやちよに。
さゞれいしの。巖(いはほ)となりて。
こけのむすまで。

なほ、「樂譜」に施された歌詞は総片仮名書きで、「サザレイシノ イハホトナリテ」です。

上述しましたやうに、国旗国歌法を定めるに至った多くの方々の御尽力に異見を申し上げるつもりはありません。

さらに、歌詞が条文の一部でありましたなら、ここ(巖(いはほ)となりて)だけを特例として歴史的仮名遣とするわけにもゆかないのではないかと思ひます。

さうでありましたなら、私達には今後いよいよ益々、間断なく、国歌君が代への畏敬の念と祈りを深く強く内に培ひ、条文に表れてゐない歌詞の意味を次世代に伝へ続けてゆく使命があるのではないでせうか。

再拝




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