| 二十二日から、今上陛下の「卽位禮正殿の儀」が行はれます。我國の皇位繼承は、①「踐祚=三種神器を受け繼ぐ」 ②「卽位禮=對内・對外的宣布儀式」③「大嘗祭=天皇靈の靈繼ぎと稻穂を召し上がることによる穗繼ぎ」といふ三儀一體になつてゐます。そのいずれであつても闕けてしまふことは良くないとされてゐます。特に大嘗祭はこのように極めて大切です (11412) |
- 日時:2019年10月20日 (日) 12時28分
名前:コスモス
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【けふの一首】
【後花園天皇御製】
御題「伊勢」 (「御獨吟御百首」長禄二年十二月)
五十鈴川ながれの末はにごるとも 神しまもらばすまざらめやは
「五十鈴川」…「伊勢神宮内宮を流れる川」。
「神しまもらば」…「神が護つて下されば」 。 「すまざらめやは」…「澄むことができない筈はない」。
【大御心を推し量る】
この御製に於ける五十鈴川は伊勢神宮のことであります。伊勢神宮には皇祖天照大御神樣が祀られてゐます。
此の天照大御神様の末裔である私の御世は、混亂を窮めて濁つてしまつてゐるが、神に祈りに祈つてゐたならば、澄み切つた世の中になるだらうか、いやきつとなるに違ひない。
このやうに詠はれたと拜察します。混亂する室町時代の世の中の一切の責任を一身に背負はれて祭祀によつて祈りに祈ることで善き方向に導かんと云ふ強い大御心が窺へる御製ではないでせうか。 ◇ ◇ ◇ ◇ 來週二十二日から、今上陛下の「卽位禮正殿の儀」が行はれます。 我國の皇位繼承は、
①「踐祚=三種神器を受け繼ぐ」
②「卽位禮=對内・對外的宣布儀式」
③「大嘗祭=天皇靈の靈繼ぎと稻穂を召し上がることによる穗繼ぎ」
といふ三儀一體になつてゐます。そのいずれであつても闕けてしまふことは良くないとされてゐます。
例へば例を擧げたならば、第八十五代の仲恭天皇樣は、大嘗祭を行はれなかつた爲に、『帝王編年記』では「半帝」と申上げてゐます。
大嘗祭とは、もし行はれなかつたならば「半帝」と呼ばれてしまふ。斯く程に重要な祭祀になるのです。
第四十六代孝謙天皇は第四十八代稱德天皇として重祚されてをられますが、その重祚の場合に於ても大嘗祭を重ねてをられる程でした。
しかし、足利幕府末期の混亂によつて、朝廷財政は窮迫し、第百四代後柏原天皇樣から德川初期の第百十二代靈元天皇樣に至る九代約二百年餘の間、大嘗祭は途絶えてしまひました。
勿論、大嘗祭のみならず朝廷財政の窮迫は様々な宮中行事の斷絶に繋がりました。
江戸時代の天皇樣は、斷絶した宮中行事を復活させることにその御生涯を捧げたといへます。
特に、この「大嘗祭」の復活は、その後の朝廷の權威の囘復に大きな力を與へました。
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