| 〝皇籍離脱した旧皇族の皇籍復帰を検討すべき〟(衛藤晟一首相補佐官)に思うこと…今、なぜ、それが重要なのか?! (10988) |
- 日時:2019年05月22日 (水) 09時40分
名前:破邪顕正
先の全国大会において、来賓としてご挨拶いただいた衛藤晟一首相補佐官が、昨日(21日)夜のBSフジの番組に出演されました。
そこで、安定的な皇位継承を実現する方策として、以下のような趣旨の発言をされました。
〈女性宮家の議論の前に本来努力すべきことがある。
今まで126代にわたって男系(の皇位継承)で続いている。
女系天皇に安易に道を開くべきではない。
旧皇族の中に大勢の独身男性がいる。
その方々がどういう形で皇籍を取得することが可能か?
戦後に皇籍離脱した旧皇族の皇籍復帰を検討すべきである。〉
全く、その通りであります。
何故、今日、皇位継承の問題がクローズアップされるようになったのか?
「朝日新聞」などは、殊更に、このままでは〝安定した皇位継承〟が困難であるということを言い募り、それゆえに「女性宮家」「女性天皇」「女系天皇」を容認すべきだという方向に意図的にもっていこうとしています。
しかし、この問題のそもそもの淵源は、GHQが11宮家を強制的に皇籍離脱させたことにあるわけです。
だったら、元に戻せばいいだけの話ではありませんか。
本来ならば、これは実に、簡単な話で終わることなのです。
ところが、それが前述したように、「女性宮家」「女性天皇」「女系天皇」というような話にすり替えられていく…。
〝今まで126代にわたって男系(の皇位継承)で続いている〟
何故、その歴史、伝統を変えようとするのか。
何故、それだけ続いてきたものを変えなければならないのか。
私は、そこに重大な〝隠された意図〟が潜んでいると思うものであります。
「女性宮家」「女性天皇」「女系天皇」を言い募る人たちは、煎じ詰めれば、GHQの尻馬にのった支援者に他ならないというのが私の見方です。
それでは、淵源に遡って、何故、GHQは11宮家の皇籍離脱に動いたのでしょうか。
その本当のネライとは、「朝日新聞」の表現を借りて言えば、〝天皇制の枯死〟にあった!
これについては、拙稿、〝「朝日新聞」は〝天皇制の枯死〟を願っている?! (10781) 日時:2019年03月28日 (木)〟をご参照いただければと思います。
言うまでもなく、GHQのとった政策とは、一貫して、如何にして占領統治をやりやすくするかにありました。
そして、その象徴、シンボルこそ、今日の「占領憲法」に他なりません。
その行間ににじみ出ているもの、それは、敵国であった日本の徹底した武装解除に尽きます。
まず、物理的な武装解除、それが「第2章」に込められているわけです。
今でこそ、〝平和条項〟と言われますが、何のことはない、その実態は〝無防備=無抵抗主義〟であります。
二度と、物理的に抗えない国にする、ということです。
しかし、GHQにとっては、物理的な武装解除以上の問題がありました。
それが、精神的な武装解除。
なぜ、極東のあの小さな国・日本が、アメリカに刃向かってきたのか。
大東亜戦争中に、嫌というほど見せつけられた、日本軍の強靱なまでの敢闘精神。
その背景にあるものこそ、「天皇」の存在に他ならない!
そう見抜いたGHQは、「天皇」を無くすることが、一番の精神的武装解除になると考えたわけです。
しかし、それを一気にやってしまえば、アメリカ兵に100万人の犠牲者が出る(マッカーサーの表現)、それは何としても避けなければならない。
そこで、取られた政策が何か?
それが「天皇」の存在を時間をかけて無くすという、まさに〝天皇制の枯死〟ではなかったか?
11宮家の皇籍離脱を画策し、強制してきたのは、まさに、そのため処断であったのだと私は解しています。
前置きが長くなりました。
今回の投稿で私は申し上げたかったことを言わせていただきます。
「女性宮家」「女性天皇」「女系天皇」を言い募る人は、口を開けば〝安定した皇位継承〟のために、と一見、もっともそうな理屈を言いますが、それが成った瞬間、逆に、国体(くにがら)は実に不安定なものになってしまう!
それはそうでしょう。
皇位の安定性とは、私に言わせれば、まさしく
〝今まで126代にわたって男系(の皇位継承)で続いている〟
それに尽きるのです。
その歴史的、伝統的、文化的、宗教的、信仰的背景があってこその、私は〝権威〟であり〝威厳〟なのだと思っています。
ですから、その根拠が消失してしまった瞬間、「天皇は日本国の象徴、日本国民統合の象徴」という、今の憲法が規定している基盤そのものが根底から崩れてしまうのではないのか?
私は、それを畏れるのです。
畏れる理由を申し上げましょう。
「女系天皇」がなった瞬間、それを言い募ってきた人たちは、今度は、掌を返すが如く、
「そんな天皇ならばいらないのじゃないか」
「普通人と同じく基本的人権をもって自由に暮らすようにしてあげたがいい、そのことを皇族も望んでいる」
「京都に帰ってもらってひっそりと暮らしてもらったらいいじゃないか、歴史的にはそういう期間が長かったんだから」
等々…。
そう言い始めるように思うのです。
どんな人が「女系天皇」を推進しているか、その顔ぶれみたら、何となくそう察せられるのです。
GHQの蒔いた種の中には、実にオソロシイまでの毒が入っていたのです。
一見、その種は「象徴天皇」という花を咲かせたかのように見えて、その先に実は〝天皇制の枯死〟ということまで目論でいたのではないのか。
今日の「女系天皇」云々という話は、まさに、その〝徒花〟であって、その先には〝枯死〟の世界が待っている!
その危険性まで見抜いてはじめて、衛藤晟一首相補佐官の言われたことの重要性がわかってくるのではないのか。
それが私の言いたかったことであります。
|
|