古(いにしえ)から続く「秘儀」が天皇を天皇たらしめるのだ (10978) |
- 日時:2019年05月15日 (水) 09時24分
名前:破邪顕正
標題は、「週刊新潮」2019年5月2・9日号に掲載された中にあった言葉です。
これは実に重要な指摘であると思います。
何が、天皇を天皇たらしめているのか、その根本的な問いに対しての解となっていると思えてならないからです。
大事な箇所を引くことにいたします。
〈令和の時代は5月1日に幕を開けたが、「即位の礼」はまだ終わりではない。
10月22日の「即位礼正殿の儀」、11月に予定される「大嘗祭」を経て、新天皇は名実ともに真の天皇となるのだ。〉
まず、名実ともに真の天皇≠ニいう表現が重要です。
法律上では、既に、即位なされましたから、天皇であられます。
しかし、それだけでは名≠セけであって実≠ェ伴わない、だから真の天皇≠ニは言えないということなのです。
その実≠アそ、宗教的、信仰的世界のことなのです。
それが、「大嘗祭」であります。
この「大嘗祭」を経ない天皇は半帝≠ニ称されてしまうほど、実に重要な祭祀なのです。
で、続けて「週刊新潮」はこう言います。
〈なかでも関心を集めるのは「メディアはもちろん、宮内庁職員も立ち会えない」(皇室担当記者)大嘗祭の「秘儀」である。
天皇陛下は毎秋の新嘗祭で天照大御神をはじめとする神々に新穀をお供えし、感謝を捧げる。
そして、即位後初の新嘗祭を「大嘗祭」と呼ぶ。
「数ある宮中祭祀のなかでも大嘗祭は最大のお祭りです。
この祭祀のために大嘗宮が特別に造営されます」〉
更に、重要なのが、この「大嘗祭」に臨まれる陛下のご姿勢なのです。
〈大嘗祭には午後6時30分から始まる祭典と、翌日午前0時30分から始まる祭典がある。
祭祀が執り行われる御殿の中で、儀式に携わるのは新天皇と2人の采女(うねめ)のみ。
灯明が微かに照らす暗がりのなかで、厳かに進められる儀式の中身は、
「すべてが明らかにされているわけではありませんが、陛下自らが御告文を読み上げられた後、神々にお供えした神饌と同じものを召し上がります。
これは“御直会(おなおらい)の儀”と呼ばれ、食事を共にすることで神々から精神的な力を授かるのです。
また、合計4時間近くに及ぶ儀式のほとんどを陛下は正座で過ごされますが、これは神職でも過酷なこと。
上皇陛下は新嘗祭が近づくと、普段テレビをご覧になる時も正座されておられたと、聞き及んでいます」
古(いにしえ)から続く「秘儀」が天皇を天皇たらしめるのだ。〉
読まれて如何ですか。
私どものことを引き合いに出すのは、実に恐れ多いことですが、「神想観」を実修させていただいて、正座の大変さは身にしみて感じています。
日々の修養があって、初めて、正座を克服することができます。
それを何と、陛下は「合計4時間近くに及ぶ儀式のほとんどを陛下は正座で過ごされます」と言うのです。
そのために、「上皇陛下は新嘗祭が近づくと、普段テレビをご覧になる時も正座されておられた」
当然、上皇陛下の、このご姿勢は、新帝陛下にも間違いなく受け継がれていくものと確信します。
「即位後朝見の儀」において、新帝陛下が仰られた「上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励む」との御言葉は、まさしく、このようなことをも含むものであると思うからです。
改めて、「伝統」を守りぬくとは、まさにこういうことなのだと、思った次第です。
さればこその「天皇」なのです。
こういうことを知れば知るほど、「男系」を護持しなければならないとつくづく思うものであります。
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