《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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お笑い芸人 “笑い飯” の哲夫くんに感心する (4321)
日時:2016年12月31日 (土) 15時09分
名前:童子

産経新聞  【笑い飯 哲夫のあちこち恢々】

 
 ■歴史と政治 「いとをかし」の秋 
            (2016年10月9日付(紙面掲載10月5日))


 収穫の秋ですね。 早いところではもう稲刈りも終わって、青々と生命力を誇示していた田んぼが束(つか)の間(ま)の休息に入っています。 こんな季節が、一年の中で一番好きかもしれません。 みなさんはいかがですか。


 しかも、秋の夕方がたまらないんですよね。 爽やかな風を顔に感じながら自転車をこいでると、その影が路面に長く伸びていて、タイヤの影はめちゃめちゃ長いのに、頭の影はめっちゃちっちゃいあの哀愁です。 ただこれは、枕草子のパクリでもあります。 「秋は夕暮れ。 夕日のさして山の端いと近うなりたるに」 です。 ちなみにこれを書いてる今も、まさにそんな風景を目の当たりにしています。 烏が寝床へ行こうと飛び急いでいます。 いとをかしと思います。


 こういう時節には改めて日本に感謝します。 日本に生まれたことを誇りに思います。 それとともに、今の平和な日本を築いてくださった先代の方々に、心の底から感謝します。 長年継承された美しい芸術と、豊かな第1次産業のことを今こうやって日本語で表現させてもらえているのは、日本の先輩たちが、次世代のことを考えてあらゆる難儀を乗り越えてくださったからなんです。


 政治家先生の中には、先人への感謝の意識をもってはる方が大勢いてはるように感じます。 歴史を勉強してはるんやろなあと思います。 歴史を勉強すると、少なからず自国に感謝の念が生まれるもんやと考えています。 でもたまに、自国に感謝の念を表したくなさそうな政治家先生もいてはります。 個人的には、なんでやろなあと思います。


 でも政治ってそういうもんなんですよね。 与党や野党などいろんな意志が集合して、初めて平和政治ができるんですよね。 同じ意志の人だけが集まって政治を司(つかさど)ってたら、それこそ危ないんですよね。



 突然ですが、今の日本には、仏教の宗派が概(おおむ)ね13宗56派あるといわれています。 元々はお釈迦さん一人が悟ったものだったのに、ものすごく枝分かれして、こんなにも宗派があります。 お釈迦さんは、世の中は因縁で繋(つな)がっていて、発生した結果には全て原因があることを悟りました。 もちろん枝分かれすることにも原因があります。 今の宗派を結果として原因を全て遡(さかのぼ)っていくと、果てはお釈迦さんに繋がります。 そこがなんとも平和なんですよね。



 政党も同じくらい分かれています。 それも、そうなる原因があったわけです。 その原因を遡っていくと、明治政府、徳川幕府、秀吉、信長、足利、南北朝、北条、源、平、院政、藤原…という感じで文化が繋がってるんですね。 そしてその果ては、枕草子で表現された日本の美しい国土に繋がってるんですよね。 そこがなんともをかしなんですよ。



 ■「お百姓さん」 って素敵やん 
            (2016年9月18日付(紙面掲載9月14日))


(前略) 率直に申しますと、床屋、八百屋、百姓、こういう言葉のなにがあかんの、と思うんです。 「この言い方は避けてくださいね」 「え、なんで」 と、未(いま)だに納得してないんです。 反抗はしませんよ。 でも、理髪店、青果店、農業従事者って、言いにくくないですか。 考え方が古いかもしれませんが、古い方々から大切なものを多大に教えてもらってきた人間なので、考え方が古いことを恥じることなどできません。


 事実、床屋さんから、「床屋って言われたくない」 なんて聞いたことありません。 八百屋さんから、「八百屋って呼ぶな」 なんて聞いたことありません。 そしてこれを書いてる本人が、休みの日に奈良の地元でバリバリ百姓をやっておりますけれども、百姓って言われたくないなんて、一度も思ったことありません。 むしろ、地元の人から、「今日は百姓か」 と言われて喜んでるくらいです。


 また、職人技で日々労働してくださってる方々に、多大なる尊敬の念を抱いてます。 だからこそ、敬意を表した呼び方をさせてもらいたいんです。 「一応、鮮魚店と呼びましょう」 と言われて反対はしませんが、そんなことより、もっと美しい日本語で感謝したいんですよ。


 真髄(しんずい)を述べますと、「さん」 をつけるのが好きなんです。 「ちょっと八百屋さん行ってくるわ」 が好きなんです。 「お百姓さんのお陰でおいしいお豆さんいただいてます」 が素敵な日本語だと思うんです。


 もともと日本人は、崇高なものに 「さん」 をつけてきました。お日さん、お月さん、お釈迦さん、明神さん、お医者さん、産婆さん、床屋さん、運転手さん、八百屋さん、魚屋さん、お侍さん、お百姓さん、サザエさん、などなど、素晴らしい日本語だと思うんです。 そんな日本語を奪おうとする動きに首を傾げることって、人権の侵害になりますかねえ。 「ブサイクな建設作業員」 がいけて、「輝いている土方のおじさん」 がだめですかねえ。





 ■アメリカ人もびっくり憲法 「ヨミニクイヨ」 
            (2016年7月24日付(紙面掲載7月20日))


(前略) 戦争の放棄を謳った憲法九条を改正すると明言している安倍政権ですから、尚更(なおさら)もうそこまで軍国主義にするのかな、って思ってしまいますよね。 ただ、安倍政権が掲げる憲法九条改正の意図は、日本が戦争できるようにすることではなく、日本が戦争に巻き込まれるのを抑止することです。


(中略) さて仏教では、世の中にある森羅万象のものには実体がなく、故に全ては古くなっていくことを説いています。 憲法も古くなります。 だから自民党の憲法改正草案では、古くなった憲法の文体を現代文に替えてあります。 今の日本人が、今だにGHQの入れ知恵した古文満載の憲法を採用してるなんて、今のアメリカ人もびっくりしてますよ。

 「ヨミニクイヨ」

 70年前の混乱期に、今後日本で生活する子孫のことを考えて、寝る間も惜しんで生み出して下さった憲法に感謝しています。 今回の選挙は、新しい日本国憲法改正草案と日本語を整える態勢が整った選挙だったのかもしれませんね。

 



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