「本当は、私 〔寛仁親王殿下〕 が発言するより皇族の長老である父 〔崇仁親王殿下〕 に口火を切ってもらいたかったわけです。 すると、母 〔崇仁親王妃百合子殿下〕 の話では、父は宮内庁次長を呼んで、あまりに拙速な動きについてクレームをつけているということでした。
これは去年 〔平成十七年〕 の十月ぐらいの話です。 ああそうか、それは結構なことだ、もっとどんどんやって欲しいなと思いました。 それから 『お袋は女帝・女系になったら大変なことになること、わかっているの』 と聞いたら、『もちろん大変なこと』 だと言っていました。
その後、父が年末に来たときに、『いいことを言ってくれたね』 と、一言いって、さらに 『八人の女帝』 (高木きよ子著) という単行本を 『読んでおいて欲しい』 と持ってきて、それから月刊 『文藝春秋』 一月号に工藤美代子さんがお書きになった論文を、『私の意見はこれと同じである』 と、娘の分までコピーして持ってきてくれました。 ですから三笠宮一族は、同じ考え方であると言えると思います」 (寛仁親王殿下 「皇室典範間題は歴史の一大事である 〜 女
系天皇導入を憂慮する私の真意」 『日本の息吹』 平成十八年二月号。 ただし〔 〕内は筆者注)