「あらゆる戦争が悪であると述べることは、正しいようでありながらも、20世紀の国際法と国際的規範の歩みを全否定すること」こういう認識が広がってほしいと思います… (14235) |
- 日時:2022年03月31日 (木) 08時35分
名前:破邪顕正
表題は、国際政治学者として知られる慶應義塾大学の細谷雄一教授の言葉です。
戦後日本では、「戦争=悪」とにかく「戦争はいけない」の一点張りであったように思います。
だからでしょう。
今回も、戦争そのものが悪という立場から、「ロシアも悪いがウクライナも悪い」という意見が散見されるのです。
それについて、細谷教授は、国際法の立場から、それは適切ではないと指摘します。
つまり、ロシアのやっていることは「国際法を無視した侵略的な武力攻撃、さらには無差別な一般市民の殺戮」であって明らかに〝悪〟である…。
一方、それに対するウクライナの反撃は、「侵略から国民の生命を守るために自衛的措置をとる行動」であって、それは合法であり正当な行動であると言うのです。
だから、表題に掲げたように、「あらゆる戦争が悪であると述べることは、正しいようでありながらも、20世紀の国際法と国際的規範の歩みを全否定すること」と指摘するのです。
戦争そのものをすべて悪としてしまえば、自衛のためのそれをも否定せられてしまいます。
つまり、「戦争=悪」と決めつければ、侵略者への抵抗の闘いも許されない…、ということになってしまうのです。
ということは、何のことはない、それはとりもなおさず、降伏主義を称揚することと同義ではないか…。
今日、我が国で、かくも降伏主義が罷り通るのは、その背景に「あらゆる戦争が悪」と決めつけられてきたことに起因すると私は考えます。
これが何故、オソロシイことになるのか。
よし、「あらゆる戦争は悪であってどちらが正しいというわけではない」となれば、北朝鮮が韓国を侵略しても、中国が台湾を武力統一しても、「双方が悪い」となって、侵略行動を是認、誘発しかねないからです。
そこのところをきちんと見極めておかないと、「戦争=悪」の考えは、〝侵略者〟にとっては格好の、そこにつけ込むスキを与えることになりかねない…。
そろそろ「あらゆる戦争が悪」というドグマから解放されようではありませんか。
そうでないと、第二、第三のウクライナが生まれてしまいます…。
〝侵略〟は、想像以上の抵抗にあって、却って自らを〝亡国〟へと誘ってしまう…。
〝侵略者〟の悪辣なる意図を挫くには、その教訓を与える以外にはない…。
だからこそ、ウクライナを挙って支援すべきであると私は思っているのです。
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