《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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「陛下はどう御考えであるか、拝聴できるものならば傾聴させて頂きたいという下々の気持ち」それが如何に重大問題を引き起こすか、想像力を働かせるべきです… (13246)
日時:2021年02月25日 (木) 14時01分
名前:破邪顕正


所謂「トキ」掲示板に、表題のご意見がありました。

こういうことを言う人は、もし、陛下が御自らのお考えを表明されたら、それがどんな影響を及ぼすか、想像だにしていないのではないでしょうか。

何故、想像し得ないのか。

それは、過去の苦い歴史を知らない、学んでいないが故だと私は断じます。

その前提として、所謂「女性天皇・女系天皇」問題は、既に政治問題化しているということを充分に認識しておく必要があります。

で、現行憲法の規定では、天皇は国事行為のみを行い『国政に関する権能を有しない』とされています。

ですから、天皇陛下が政治に口出しすることは原則上は、出来ないことになっているのです。

ただ、内閣総理大臣(首相)、閣僚、衆、参両議院議長などが国政報告を行うことがあって(これを『内奏』といいます)、その際、天皇陛下が意見を述べられるということはあります。

しかし、これとても、天皇陛下の政治利用を避けるため、その内容は明かさないことが慣行となっており、口外することは重大なタブーとされているわけです。

実際、過去には、この内奏の内容を漏らした為に、天皇陛下の政治利用との批判を受けて辞任に追い込まれた大臣もいました。

世に言う、増原内奏問題というのがそれです。

概要を記しておきます。

昭和48年5月26日、田中角栄内閣における防衛庁長官の増原惠吉は昭和天皇に「当面の防衛問題」について内奏したとき、昭和天皇は、「近隣諸国に比べ自衛力がそんなに大きいとは思えない。国会でなぜ問題になっているのか」と述べられました。

増原防衛庁長官は「おおせの通りです。わが国は専守防衛で野党に批判されるようなものではありません」と述べると、昭和天皇は「防衛問題は難しいだろうが、国の守りは大事なので、旧軍の悪いことは真似せず、よいところは取り入れてしっかりやってほしい」と仰いました…。

増原防衛庁長官はこの内奏の後に記者会見でこの会話を公表し、「防衛二法(防衛庁設置法、自衛隊法)の審議を前に勇気づけられた」と話したのです。

これが大きな問題となりました。

現役閣僚が天皇陛下のお言葉を政治利用≠オたと受け止められたからです。

で、問題が皇室に及ぶことを回避するため、5月29日、増原防衛庁長官は辞任いたしました。

よろしいですか、これが好むと好まざるとに関わらず、現行憲法の実態なのです。

今上陛下が、もし、万が一「女性天皇・女系天皇には賛成いたしかねます」と仰ったらどうなると思いますか。

待ってましたとばかりに、それこそここぞとばかりに、サヨクマスコミ、並びに野党は、挙って天皇の憲法違反発言だ≠ニ騒ぎ立てるに決まっています。

増原内奏問題が何故、大きな問題となったのか。

それは、サヨクマスコミ・野党にとっては、昭和天皇のお言葉が気に入らなかったからです。

自分達と意見が違う、都合が悪いと、常にこういう形で攻撃の手を緩めない…。

それがサヨクの常套手段なのです。

だからこそ、陛下は、このような政治に関わることについてのご発言は、一貫して控えられるのです…。

そういう陛下でありますから、どなたさんかのように、今上陛下が「女性天皇・女系天皇に賛成である」などと仰るわけがないのです。

もし、そこまで言い切るのであれば、きっちりと挙証責任を負わなければなりません。

挙げられるわけがないと私は断言します。

だって、それでなければ国民統合の象徴≠スり得ませんから…。

政治問題化していることについて、もし、陛下がどちらかに賛成と仰ったら、それこそ、それは国民分断≠フ引き金になりかねませんから。

陛下のお立場というのは、それほどまでに大きいのです。

どうしてそういう配慮ができないのでしょうか。

「下々の素朴な気持ち」と言われますが、まずは陛下がどういうお立場なのか、それをこそ推し量る心をもたなければなりません。

ましてや、「問4」のようなことは、私からすればあり得ないことなのです。

よろしいですか、陛下は何と仰っていますか。

「昨年も申し上げたとおり」

であれば、慎む…。

それが心ある国民のあるべき姿ではないでしょうか。




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