昔、天之御中主神が降神したと宣言したり、また自己創作の聖経を朗読するような新たな教団を起ち上げた生長の家の信徒がいましたが、その末路はどうなったか、現教団の行く末を占う手がかりになるのでは… (11991) |
- 日時:2020年05月18日 (月) 12時58分
名前:破邪顕正
表題の話は、『幸福生活論』(新選 谷口雅春選集19)の「第二章 神示と預言について」の中に出てきます。
まずは、その梗概を書かせていただきます。
終戦間際の頃のことです、Bさんという生長の家の敬虔な誌友がいました。
その長男(当時9歳)が、ある日、突然、千里眼が開け、預言が的中するようになりました。
続いて、今度は13歳になる次女に、預言的中の能力が与えられました。
で、長男は猿田彦命、次女の方は弁財天女の顕現であるということになりました。
すると、この二人の神様が「Bは住吉大神の出現であるから、生長の家を離れて新宗教を樹立せよ」というご神託を下されることになったのです。
たちまち、預言が的中するというので、信者が雲集するようになりました。
昔から、そういうものに人はどうも弱いところがあるようです。
もともとが生長の家の熱心な誌友でしたから、その教義として教えるところは、生長の家の教えを殆ど焼き直したものでありました。
ところが、形式は、全然、異なっていました。
神想観のほかに大祓祝詞の大勢による斉唱、Bさん自己創作の聖経を朗読したりなどしていました。
この教団が、更に活況を呈するにいたったのは、日本の敗戦とソ連の裏切りを的中させたことからでした。
以来、三人の「生神様」のご神託に従えば間違いないという信仰が生まれたのでした。
そんな時、突然、Bさんの夫人が神憑りになって、自ら天之御中主神が降神したと宣言したのです。
こうして、この教団には、天之御中主神、住吉大神、猿田彦命、弁財天女の四柱の生神様が揃うことになりました。
ところが、このB夫人、天之御中主神が最上位であるというので、夫や子供に自由に命令を下し、圧制し、専横を極めるようになったのです。
で、Bさんは、預言的中を信じ切っていましたので、この奥さんの天之御中主神の降神をそのままに信じてしまったのです。
で、この教団はその後、どうなったか。
まず、長男、次女の霊眼が突然閉塞し、その能力が停止します。
Bさん自身も、重き病で床に伏すようになります。
B夫人の、自称天之御中主神の神憑りだけは残りましたが、常軌を逸したご託宣に、さしもの信徒も一人去り、二人去りとなって寂れる一方となっていきました。
そして、ついに、Bさんの死去をきっかけにして、この教団は家庭崩壊とともに壊滅していったのです。
何故、こういう末路となったのか。
B夫人に取り憑いていたのが、実は、低級な動物霊だったからなのです。
低級な動物霊であるにもかかわらず、Bさん家族は「天之御中主神」と信じ、その言うがままに従ってしまった…。
それが不幸、不運の始まりであったのですが、厄介なのは、時として、低級な霊というものは却って預言を的中させるからなのです。
尊師は、こう仰っておられます。
《何故、低級霊のこうした人心攪乱を神又は高級霊が許しておくのであるか…低級霊には低級霊の使命があり…幾多の真偽混淆せる中より、自分の思慮判断によって真理を甄別(みわ)けて、みずからの力によって正しき道に進む真にデモクラシー的方法によってのみ、真に人類の魂は進歩するからである。…諸君は諸君のうちに宿る内在神性の正しさによって判断し、正をとり邪を捨てなければならぬのである。》(『前掲書』178頁)
この尊師のお言葉は、非常に重要だと思うのです。
「尊師のお孫さまだから」ということで、自らの思慮分別を放棄してはならないと思うからです。
誰が言っているのか、誰がやっているのか。
その〝誰が〟ばかりに思いが行くと、天之御中主神のご託宣だからというので、夫人のいうがままに従ったBさんのようなことになるのだと思うのです。
〝誰が〟ではない。
〝何を〟言っているのか、〝何を〟やっているのか。
その言っていること、やっていることは、果たして、真なりや偽なりや。
それを〝甄別(みわ)けて〟いく力を養わないといけないのです。
そして、その力をもたらすものこそ、尊師のお説きになられた御教えに他ならないと、私は思うのです。
その教えに反していると判断すれば、たとえ尊師のお孫さまであろうと、総裁であろうとも、それは偽であると、はっきりと指摘していかなければならない…。
そうやってはじめて、魂は進歩していくからです。
もとより、総裁は、このB夫人のような神憑りになっているわけではありません。
むしろ、総裁は、既に述べましたように、神様など信じてはいないし、私はサヨク無神論者であると見ています。
しかし、総裁がやっていることはどうですか?
Bさんの起ち上げた教団とそっくりではありませんか?
まず、何より、総裁自身が生長の家の教えを殆ど焼き直しているでしょう。
自己創作の聖経に至っては、もう何をかいわんや。
そして、尊師の創始せられた「生長の家」と分かれて、“造化の三神”を神様とする新たな教団を起ち上げようとしているところなどは、まさしく瓜二つ、ソックリではありませんか。
その行く末はどうなるか。
それこそ、信徒の皆様の〝うちに宿る内在神性の正しさによって判断し、正をとり邪を捨て〟る心にお委ねしていきたいと思う次第です。
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