飢饉疫病に心を痛め国民のために祈られた歴代天皇の大御心 (11818) |
- 日時:2020年04月20日 (月) 14時54分
名前:謙信
平成29年2月21日当時、皇太子殿下でいらっしゃった天皇陛下は、飢饉や疫病の流行に心を痛め苦しむ人々のために祈りを捧げられた105代後奈良天皇をはじめ、歴代天皇の大御心を受け継いでいきたいと次のようにお述べになられました。
「昨年の8月、私は、愛知県西尾市の岩瀬文庫を訪れた折に、戦国時代の16世紀中頃のことですが、洪水など天候不順による飢饉や疫病の流行に心を痛められた後奈良天皇が、苦しむ人々のために、諸国の神社や寺に奉納するために自ら写経された宸翰(しんかん)般若心経のうちの一巻を拝見する機会に恵まれました。紺色の紙に金泥で書かれた後奈良天皇の般若心経は岩瀬文庫以外にも幾つか残っていますが、そのうちの一つの奥書には「私は民の父母として、徳を行き渡らせることができず、心を痛めている」旨の天皇の思いが記されておりました。 災害や疫病の流行に対して、般若心経を写経して奉納された例は、平安時代に疫病の大流行があった折の嵯峨天皇を始め、鎌倉時代の後嵯峨天皇、伏見天皇、南北朝時代の北朝の後光厳天皇、室町時代の後花園天皇、後土御門天皇、後柏原天皇、そして、今お話しした後奈良天皇などが挙げられます。 私自身、こうした先人のなさりようを心にとどめ、国民を思い、国民のために祈るとともに、両陛下がまさになさっておられるように、国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、共に悲しむ、ということを続けていきたいと思います。 私が、この後奈良天皇の宸翰(しんかん)を拝見したのは、8月8日に天皇陛下のおことばを伺う前日でした。時代は異なりますが、図らずも,2日続けて、天皇陛下のお気持ちに触れることができたことに深い感慨を覚えます」
このような陛下のお心を改めて拝しますと、今まさに日本のみならず世界にウィールスガ蔓延している状況の中で、陛下は歴代天皇陛下・上皇陛下と同じく、日々、一日も早い疫病終熄と国民の健康安全成就を深くお祈りくださっているに違いないと確信し、この度の尾身氏のご進講を受けられての御言葉の重さを感じ、有り難く感謝を捧げます。
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