《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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NHKの「心の時代 宗教・人生 いのちをいただく」を観て (11188)
日時:2019年08月27日 (火) 00時10分
名前:コスモス

  禅の知恵に学ぶ5「いのちをいただくー典座・托鉢」

 という番組を途中から拝見した。そこで心に残ったことを幾つか書かせて頂きます。

 その1 岐阜県にある禅寺には道場があり、そこでは朝3時半から読経や掃除など色々な事が行われるが、典座という台所方は、朝の食事の準備をする。

 この寺の特徴は、一人一人が20キロ内の家々を訪れて托鉢する。

 ある日は米を托鉢し、ある日は大根、またある日は芋という風に托鉢して回る。

 私が見始めた時には、泥だらけの大根が干されていた。何故洗わないのか不思議だったが、後にトップの方の説明を聴いてよく理解出来た。

 肉魚を一切食しない寺では、どうしてもカルシュームなどが不足する。そこで泥のまま干す事によって、泥の成分を吸収した大根となり、漬物にする時によく洗う。そして漬けると滋味深く、茶色の沢庵となる。

 その2 寺では一日2食で、朝は粥と決まっている。途中で空腹抑えに簡単なものが供されるが、夕食の時に一汁一菜の食事が供される。

 だがいずれの時も、音を立てず、会話せずに食する事が求められるので極めて静かな食事である。

 それは何の為かというと、他を不快にさせない為という。この場合の他というのは、自分の周りの人ではなく、餓鬼・畜生の境涯に堕ちた者たちに羨望や悲しみを起こさせないためという。

 餓鬼・畜生に居る者にも飲み物や料理が供されているが、食べようとすると、それは炎に変わってしまい、どうしても食べられない。何と悲しい境涯であろうかと思った。そのような者たちを悲しませぬよう、静かに食するのだということが判った。

 さらに食する前にほんの少しで良いから、ご飯を残し、食後にそれらを鳥や魚に与える。分かち合う精神というもの。

 その3 托鉢した米は全て同じではない。中には数年前の古古米もあれば、外国米もある。それらを普通の方法で一緒に炊くと、必ず失敗する。何故なら水分の吸収や火の強さなど全て違うからである。

 そこでどうするかというと、炊く米を洗った後、グラグラと煮え滾る湯の中に一斉に投入する。そしてどんどん火を焚いて観察すると、始め白かった湯気が少しずつ色が変わり、黄色近くなる。

 ここが大切なのだが、ある一点来ると、いわく言い難いのだが、匂いが変わる瞬間がある。それを逃さず、一斉に大至急に薪を引き抜き、余熱だけにする。

 これを見逃すと不味い事になるから、神経を集中してその一瞬を逃さない事がポイント。そうやって炊いた米は本当に美味しいのだそうである。

 その方が言われるには、「私の考えですが、これは数種類の米はいきなり煮え滾る中に落とされて、自己主張する暇などなくなる。
つまり全託で焚かれた米だから美味しいのではないか」」と、述べておられた。私もそう思う。人間も同じではないかと思う。

 その4 日頃忘れている食材その物、それを育てた方々の努力など、しみじみ味わうということ、感謝することの大切さも、五臓六腑に沁み渡る食事の戴き方をすると、身に沁みて解ると言われていたが、本当にそうであろうと思いました。

 徹頭徹尾の行をされた方のお顔も清々しく立派であると思いました。このお寺に限らず、韋駄天の仏様が祭られていて、毎朝感謝の祈りをしているが、それは人にご馳走するために、あちこち走り回って食材を集めて下さる事への感謝だという。 それに対して、ご馳走様と言うのだと。

 エピソードとして、ある時伊勢海老を振る舞われた方があった。全員戴いたが、真面目なこの方は、残さず食べなければならぬと思い、棘や髯がある海老の尻尾から真剣にガリガリと噛み砕いて噛み砕いていたが、余りの大変さにそっと皆を観ると、ちゃんと殻を外して中身だけを食していた。

 当り前ですねと言われていたが、それほど真面目な方だったのであろうと思った。普通は1年で道場を出るのだが、この方はずっと残られたそうである。

 道場では真冬の厳しい寒さの中を托鉢する時も素足にわらじで回る。なまじ足袋など履くと、足袋が凍ってしまう。裸足で踏みしめて歩いていると、いつしか足が温まって来るのだそうである。

 また喜捨して下さる皆様に、年に一度、この寺では皆さんを招いて精一杯のご馳走をしているそうです。

 たまにこのようなお方のお話をしっかり聴くと、自分の日頃の反省と共に、今の日本の在り様が偲ばれて深く考えさせられます。良い番組を見せて頂いたと思いました。有難うございます。




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