天皇陛下御即位三十年奉祝公演 交声曲「海道東征」 (10855) |
- 日時:2019年04月13日 (土) 20時57分
名前:立葵
天皇陛下御即位三十年奉祝公演 信時 潔 作曲 、北原白秋 作詩 交声曲「海道東征」
の演奏会に再び行くことができました。 国生み神話から初代神武天皇様が東に向かはれて幾多の困難を乗り越え遂に大和の地で御即位になるまでの物語が、一流の指揮者、管弦楽団、独唱声楽家、合唱団、そして可愛らしくも素晴しい歌声の児童合唱団の熱演で繰り広げられた至福のひとときでした。
この曲は昭和十五年の皇紀二千六百年奉祝行事の一つとして作詩を依頼された北原白秋が八章から成る壮大な叙事詩を病を押して書き上げ、初めは作曲をためらってゐた信時潔がその詩を見て感歎し、荘重な交声曲(カンタータ)を作り上げられたとのことです。
更に詳しいことは検索していただいたり、書籍を参照していただいたりするに如くはありませんので申し上げませんが、谷口雅春先生の御教へをいただいた者として、二つのことを思ひました。
一つは、谷口雅春先生より日本人として生まれた素晴しさや誇り、そして大いなる使命を教へていただいたからこそ、この曲の上演に参座できたことがこれほどまでに嬉しいものとなったことです。
最早ほとんどの世代が戦後教育の洗礼を受けて育った同士となりました。学校では教へられなくなった大切なことを谷口雅春先生は強く激しく、渾身の祈りを込めて教へて下さいました。
わが国の神話に示された大和の理念が歴代の天皇陛下から今上陛下まで脈々と続いてゐること、国のいのちが私達のいのちとつながってゐること、この御教へがあったればこそ、建国が成って悠久の歴史を顧みるフィナーレに聴き入ることが出来たのだらうと只々感謝のみです。
二つ目は、封印されたものが心ある人々によって甦り、その間に断絶されさうになった歴史が再び伝へられてゆくことの力です。それを目の当たりにしたことです。
「海道東征」は当時大好評で、挙って皇紀二千六百年を奉祝する一連の営みに花を添へたさうですが、私は近年の再演の実現まで存じませんでした。
最初は占領下の悲劇として、独立後にもその呪縛が解けないまま、知られなくなった作品が戦後七十年以上を経てやうやく次の世代の者に向けて再演され、聴く者を魅了してゐます。
これは、谷口雅春先生の聖典を漏らさず隠さず拝読し伝へてゆく術を絶やさないでほしいと云ふ私達の悲願そのものではないでせうか。 それが必ず甦る日まで、真理をさらにさらに求め、出来ることを見出し行じてゆく道を模索しつつ進みたいと希ひます。
合掌
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