| [9660] Ｉｔ‘ｓ Spring |
- Ａ・Ｙ - 2008年04月09日 (水) 18時08分
魔理沙「ま た 番 外 編 か」
霊夢「まあ今回は東方関係だから、いいんじゃない？」
咲夜「ちょっと、出遅れしちゃった感じだけどね」
response to 宙さん
いやまあそのつもりで書きましたし。特定されるつもりで書きましたし。
甘党なんです。渋いのも結構イケる。けど辛いのは勘弁な。
誕生日向きだけど案の定受け取るものですよ。たかがチョコ返しに。
ツンデレ……嫌い？（何故質問になる）洋服だと思う。
ちなみに王子も甘党。渋いのも駄目。酸っぱいのは好きでレモンもよく混ぜる、皮ごと。
そういうことでしたー。同じパターンだと書くのも簡単だよね。ネタ的にはつまらんけど。
いや、ふと思いついて書いてみたらあれよあれよという間に。
ちょっとだけ考えればあとは指が勝手に動いてくれるものな。（遠い目）
霊夢「書き手の気休めというつもりで書いたらしいわよ」
魔理沙「そういやちょっと欝ってたんだな。自己治癒か」
咲夜「そんなところね、次こそ光遊の続きを出してほしいものよ」
魔理沙「次こそな」
霊夢「じゃ、ＥＮＴＥＲね」
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―――― さくら さくら ――――
―――― 夜明けの時に ――――
ひらひらと舞い落ちて、積もっていた。
冷たく儚い冬の欠片。
雪の結晶が、大地を白銀に染めていた。
その寒さに、多くの命が眠ったのでしょう。
多くの命が耐え忍んだでしょう。
けれど、悲しんではいけない。
憂うばかりもいけない。
ましてや嘆いてはいけない。
此処が季節巡る土地ならば、終わらない冬ではないのだから。
日の光も白い闇に覆われて、
風と共に荒む雪が降り付けて、
そんな寒冷な世界の空に、彼女は居た。
彼女は飛び続ける。
前を向いて。背中の翼で羽ばたき続ける。
まだまだ吹雪は強くて、ナイフみたいに冷たいけれど。
負けないぞ、と心に何度も叫んで、前進する。
だって彼女は知っている。
もうすぐこの土地に、春が来るんだから。
冬は終わりの季節。
夏の盛りから秋の彩りに移ろい、そして厳しくも清らかな冬が訪れる。そうして一年が経つ。
一つの終わりを告げれば、一つが始まりを告げる。
最後の試練は終えたと報せるように、吹雪は止んで、雲は散った。
それまで覆われていた太陽が、顔を出し、燦々と日の光を土地に注いだ。
最初は雲間から点々と照らす光の柱が、寒気を退けるごとに、一つへと広がっていく。
待っていたよ、と声をかけるように。
土筆が顔を出すのが、始まりの合図。
―――― さくら さくら ――――
―――― 雪融けに 咲いた ――――
雪解け。暖気に水や気体と化した冬の欠片は、土に天に還っていく。
充分な水分を取って潤った大地には、新緑の芽が萌え始める。
花咲き。腕一杯に積もっていた雪が流れ落ちて、またほんの少し裸を晒す木々。
枝先からは蕾が膨らみ、白や赤や緑の色を誇らしげに飾っていく。
ひらひらと舞い落ちるのは、もう雪ではない。
暖かく儚い春の欠片。
桜の花弁が、大地を薄紅に染めていた。
始まって行く土地を見下ろして、彼女は笑った。
背中の翼を伸ばして、大きく、緩やかに、風に乗せて、羽ばたく。
純白の羽根が、舞った。
下で咲いた花弁と交わすように。
冬がまた来るのが不安？
それは、良い事。愚かでない、当たり前にして気付かない人が多いのだから。
だって。冬の寒さがあるからこそ、春の暖かさがあるのだから。
ほら、眺めてご覧。花と暖気に染まる世界を。
これから歩く自分の新しい始まりの道を。
そして、耳を澄ましてご覧。
春を告げる彼女の声が、聞こえてくるよ――――。
「春ですよ〜」
あとがき
本当は四月五日に投下したかった＾＾；けれど北や山側の桜はまだまだ咲き誇ってますよ〜。
リリー・ホワイト：出展作品『東方妖々夢』『東方花映塚』など。幻想郷で冬の終わりに現れ、春を告げる妖精。
彼女の通ったところは一気に花が満開することで、花屋の人気者。
春を告げたら妖怪の山に帰る。その後のことは誰もよく分からない。
ちなみに『東方花映塚』では余りの超ハイテンション振りを発揮して、プレイヤーに撃墜される数∞。
余談。
ある無駄なことに苦戦中^^; ＊＊が出てくれなくてまいったなぁ。
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