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[9657] Pathetic courtship 37
A・Y - 2008年04月02日 (水) 12時13分

コンフェ「4月になっての準備ですよー」
夢幻「もう書く暇すらなくなってきたか」
コンフェ「まあまだ余裕とか」

response to 宙さん
え?記念日。うん、そうだね。
今の私が念頭に置いてるのはフラグ成立のみなんだよね。

分断してるようで続々と合流してます。
浜木綿空気にならないといいなぁとかランバダ今回orzとか色々です。
はい、ヴィル君はビビってます。ちょっとヘタレ設定なので。
もろに関係ありますね。今回の話に。>タイラストの不具合

コンフェ「続きへの加速力もとある発表次第とかなんとか」
夢幻「では、ENTER」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


幸せだった。彼らを愛しているから。
平和だった。自分達がどんな立場に着いているのかも忘れてて。
明日のことは考えないようにしていた。今流れるこの瞬間だけを、じっくりとしっかりと噛み締めていた。

だから――――





――――100年経っても、この景色は変わらないでしょうか。
「ひゃく、ねん、まえ……?」
――――変わった方がいいと思います。……こんな些細なところまで世界が変わっていたら、勿論、平和な方として。

そう言って、ジェダに向けて笑う少女。
この微笑を知っているような、知らないような。
分からない。分かりたくない。
思い出せない。思い出したくない。
自分の中で何らかの反発心が一切に蜂起していた。

――――ジェダ様は、どう思いですか?
「分からないな。死んだかもしれないし……」

変な答え方をしてしまった。
死んだって誰のことだよ。多分、自分?……それとも、彼女?
ああいけない。なんだか一瞬、凄く嫌なことを考えてしまった。
もう、思い出さないようにしよう。

とりあえず、目の前の彼女は、なんだか見てて心が安らいだ。
ジェダの一番好きな赤い花のような子だな、と思った。
だからかな、彼女が必要以上にジェダに近寄っても、特に危機感も何もなくて。
自分の癖だらけの長髪に触れられても、特に嫌悪感も何もなかった。
手が髪から頬に触れて、首に伝っても…………。








「ほら、ご覧になってランバダ様。皆様、とてもいい笑顔ですよ」

小さな緑の姫が手招きする。
示されて覗いた梢と梢の間から、少し先に、知っている顔が三つ。
確かにいい笑顔だ。暢気な奴らである。
自分も、人のこと言えないが。

「姉様があんな顔をするなんて……本当に、一緒に居て幸せになれるんですね」
「そうか。なら、婿に取ればいいんじゃないか」
驚いて、こっちに振り返った彼女。
ランバダはすぐに取り繕った。
「いや、歌王よりは可能性があるぞ。男女だし、そっちの王家さえ許可出せば籍に入れる。
 一介の将軍だけど、なんか、あいつ、どっかの滅んだ名家の生き残りって噂だから、箔もあるとか。
 ……そうでなくても、充分貴族っぽい奴だし、大丈夫だろ。
 ――――正直なところ、ヒホウ国ならこのまま同盟を結んでもいいってのが俺の意見で。
 言い方がちょっと悪くなると、菊之丞を人質にするってことになるが……」
「ランバダ様……」

次々と出てくる。休戦を希望する言葉。
昔の自分なら何を馬鹿なことをと激怒し、軽蔑することだろう。
けれど止められない。止めたくない。
この後起こるだろう悲劇を回避したいから。

「つ、つまり俺はお前の国との戦争を…」
「止めてください」

ピシャリ、と突き飛ばすように言い放った。
急に温度が下がったような気がした。
ランバダは、震えた声で、小さな緑の姫の名を呼ぼうとした。








ランバダ達をすぐ近くに置いて。
菊之丞は白い王子と緑の姫と戯れていた。
本当に、些細な交流だ。差し出された花のことを教えたり、語ったり。
白い王子は即興歌を歌い。緑の姫は武勇伝を語った。
花の名前を匂いだけで当てたり、草の種類を感触で当てたりと、こんなところでも競い合ったりしていた。
どっちも菊之丞の判定に従い、負けを認めたが。

休憩の時。あちこちを動き回ったり喋り捲ったりと疲れたのか、二人はぐったりと腰を降ろしている。
それぞれ菊之丞の腕に寄りかかっていた。

「……ねぇ、マイ・ブライド」
「なーんだ」
「このような日々が永く続けばいいと、思っているんですか」
「思ってる」

「薔薇百合菊之丞」
「なんだい」
「いつまでも仲良くしてればいいと、思ってるんだな」
「決まってるんだろ」

すくっと、ほぼ同時に立ち上がって。
ほぼ同時に菊之丞に振り返って。
ほぼ同時に、二人はハッキリと彼に向って言った。

『それは、無理な相談』

まるで双子のような動作で。
それまであった穏やかさを打ち消す、冷たき憎しみの顔で。
彼と彼女は宣言したのだ。

菊之丞は戦慄を感じ始めた。

「な、なんだよお前ら……?」

菊之丞の戸惑い声を上げた時には、白き王子も緑の姫も、それまでいがみ合う相手を対峙していた。
だが、最早ただのいがみ合う視線ではなかった。
交し合うその目は、敵対者同士の眼光が瞬き走っていた。

「僕の本来の目標を忘れたか、薔薇百合菊之丞。我が祖国、ヒホウの繁栄の為、世界統一を掲げていると。
 刃向かうものは全て撃ち払う。……お前が仕える帝国と大差ない武力国家だということを」

「私は穏健派なんですけどね。こう激化を辿っていく世界を見ると、そうもいってられなくもなる。
 それに、これでもマルガリータから貴方を強奪する意識もあるんですよ。割と本気で」

「お前ら……!?」





――――だから、突然の終幕に、彼らは愕然とするのだ。









「悲しみが始まる……望んでないものが形に成って、与えられる……」

タイラストは、そう告げた。
彼女が漠然とだが感じて、語っているのだ。

解釈をなんとなくだが読み取る者が、周囲に居た。
もしもでなく、確実に、タイラストが言っているのがあいつのことだと思った。
途端に堪らなくなった。
コンバットは、もう隊列を乱すことも意識せず、一人疾走を再開した。

「…っ!?コンバット!」

皆が驚く直後に、ハンペンも駆け出した。

「マスターハンペン!?」
「オヌシは残るんじゃチクワン!」
「オスッ……てええっ!?!」

制止され、慌てて足を止めて、そしてあっという間に背中が見えなくなる師匠。
ヴィルヘルムはレムに視線を送った。レムは頷いた。
彼らが向かう場所と方角は、間違っていないことを。

タイラストは、この場から離れる人にも気に掛けず、一人呟き続ける。
憔悴した瞳が、上を向けながら。

「幸せが……愛が…………消失して…………視えなくなって…………」










いつからか、景色は赤く染まってた。
緑の木々は消えて、炎だけが辺り一面に広がっている。

――――決着を付けるぞ!
――――ああ、彼は君にやらん!

各々の獲物を構えながら。
連射式の十字架銃を白い王子が、腕を覆う巨大な砲台銃を緑の姫が携えて。
白い翅を広げて、機械の翅を広げて。
紫と緑の鱗粉を散らしながら、舞う。

――――――――彼は私(僕)の花嫁だ!!!

止めようとしても、届かない。
血の色に染まっていく空に行けないから、下の地にへばりつくことしか出来ないから。

「嘘だ……嘘だ……嘘だぁ!!!」

菊之丞は幾度も土を叩いた。大地に当たっても、どうしようもないのに。
ただただ嘆いていた。彼と彼女の名前を叫びながら。
「っ!……っ!!……もう殺し合わないでくれ!!!俺の目の前で止めてくれぇ!!!!」








「あ、ああ……ああああ……!!」
目の前の、劇的に移り変わった光景に愕然とした。
そして、ランバダは、隣に今も佇む小さな緑の姫を、恐慌する目で、見る。

――――いずれああなってしまうのですよ、ランバダ様……。

冷め切っていた緑の双眸は、じっとランバダを見つめ返した。
細く小さな腕に、木の剣を構えていた。

――――避けられないのなら、私も、あなたを……。
「止めてくれ………お、オレはもう、お前と戦いたくない!!!!」

ランバダの声に傾ける耳はもう無いらしく。
彼女は木の剣を揮った。緑色の翅から、無数の刃を蝶を花を巻き起こしながら。
ランバダは絶叫した。








――――ジェダ様……。

髪から、首へと絡みつく、小さな掌。
そのまま、押し潰すように、締めてきた。
少し、息が苦しい。
何故だろう、たかが小娘相手なのに、抵抗が全く出来ない。

――――ここで、あなたを死なせても……わたしなら構わないと?

多分、これが彼女の返事なんだろうなと、やけに冷静な頭が思った。
関係ないような気がするけど。
分からない。
そもそも理由が思い出せないけど。
思い出したくない。

その一方で、少しずつ、確実に、息が出来なくなっていった。










何時から居たのだろう。梢の影に、茶と黄色の青年が立っていた。

「……ヴィーヴィー……」

タイラストが縋るような声で呼んだ。
レムは、それまで支えていた少女の体を、彼に預けた。

「辛いですか?我が君」

繊細な荷物を抱えているように、
優しくタイラストを腕に抱擁したヴィーヴィーは、無表情で、けれど真摯な目で聞いた。
頭をいくらか撫でられながら、彼女は答えた。

「ねぇ……ヴィーヴィー……タイラストは……悲しいです……」

地面に開いたまま置かれた傘が、揺れた。




あとがき
幸せは、死合わせに終わった。
忘れたくない嘆きを、繰り返したくなかった悲劇を目の当たりし、
癒えることのない傷口は大きく、死と絶望を至らしめるくらいに広がっていった。

……実はランバダやジェダはとばっちりに過ぎない。

[9659]
宙 - 2008年04月02日 (水) 17時35分

ついに悲劇へ。持ち上げて叩き落すのはある種お約束ですよね。
希望を抱いてからの絶望って大きいですし・・・。

ジェダは克服はしてない・・・ただ拒絶して忘れてるだけだったんですね。
逃げることで自分を守って、ただそれだけで。停滞したまま。
ランバダは悲劇を回避したいと望んで、それは無理な話で、だってもう起こったことだから。
というかやっぱ、姉様ってあの子のことだったんですね。
華爪家・・・滅んでた事になってたと言ってましたね・・・。
ところでその子、樹属性のエレメンツですか?

菊の方も。訣別と宣戦布告、死闘開始、悲劇開幕。
十字架銃ってどっかで見たなー(オイ)
まぁ、天国から地獄へ場面転変ですか。
・・・敢えて空気読まずに言うなら、「私のために争わないで!」状態(爆)

残るは負の感情ばかりなり?
そりゃあロウスさんが狙ったのは菊ですし。他はおまけでしょう(おま)
傷口に塩塗りこんでたたきつけたものかしら?(どんな喩え)
かなしい、でもむなしさも感じるのは何故なんでしょう。
では。



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