| [9607] Sterminio X |
- 宙 - 2008年03月19日 (水) 00時10分
空気を切裂く稲光。 それは多くの蜘蛛型の機械を破壊した。 近くにいたものは電撃を纏った手で殴りつける。 中々荒々しい戦いをしているのは金髪の青年、透だった。
「・・・・・・それにしても多いなぁ。一体どんだけあるんだか」 キリがない。 だが余裕は崩さない。 実際にまだまだまだまだ充分だった。 なぜなら、疲労を全く感じていないから。 それにこのような場所であれば彼は疲れとは無縁だから。 「もうちょっと早く呼んでくれればよかったのに」 それか突入が遅ければなぁ、と誰へともとれぬ呟き。 まぁ、心からそう思っているわけではなさそうだが。
「えぇと・・・あれ?昴は何処だ?」 辺りを見回すと――――いた。 しゃがんで何か作業をしている。 使っているのは針。 相手は先程の蜘蛛型の機械。 それだけだった。手の速さが尋常でなかったが。 周囲のものは機能を完全に停止していた。 もう動く事はないと、透には分かる。回路を完全に遮断されている。 針一本で。全て。 的確に当てているのだ。 また、一体二体と動きが止められた。
「・・・・・・これで、よし」 ポツリと呟いた。 透はただ黙ってた。話し掛けても軽くあしらわれて答えてもらえないのは学習済み。 或いは、無視されるか。 まだ、訊けない。
昴は拘束していた機械を放した。 するとぎっちょんぎっちょんと音を立てて動いた。 少々運動能力が衰えたようだ。 ある所で足を止めて、そこから音を出した。 可聴域ギリギリの所にある、その音が響いた。
音が止んだ。 沈黙が訪れた。
「何を・・・・・・したの?」 おそるおそる、といった様子で透は昴に尋ねる。 昴はフッと笑って答えた。 「親玉になってもらった」 「・・・・・・え?」 「プログラムを少々弄った。女王蜂などのようなものだ。停止信号を音で伝えてもらった」 淡々と答えた。 「よく・・・できるね」 「私を誰だと思ってるんだ?それに・・・」 最初は偉そうに、その後は口を噤んだ。 苦虫を噛み潰した表情で。 あえてその先を訊こうとはしなかった。
「――――――!!」
唐突に気配を感じた。 不自然なほど。急に現れた。 昴が攻撃を仕掛けるよりも早く、襲い掛かってくるそれらを、電撃が薙ぎ払った。
「今のは・・・・・・」 「式、だね」 彼の周囲に静電気が起こり、纏う。 また現れたらすぐ消せるように。 「あの機械が襲ってくるのはほとんどないから・・・それに気付いたのかな」 「早いな。・・・・・・待てよ、式?」 「うん、どうやら・・・宙と似通ったタイプの奴かな。親玉さんは」 また閃光。
「へぇー、機械が止んだと思ったら今度は式ですか」 「てめっ・・・守られながら・・・余裕な・・・声だしやがって・・・」 「おや、『守る』と言ったのはどこの誰でしょう?」 「黙れッ!!」
青年、更夜のからかいに声を荒げながらも宙は薙ぎ払う。 氷で作った長く尖った棒状の武器で。 ある程度の形は整えられているものの、何せ即席のものなので、かなり適当。 しかし切れ味はよいらしく、未だに崩れていない。 荒々しく、力任せに使っていた。 外見からは予想つかない使い方。
ふと、勢いが止んだ。 ぼんやりと立ち尽くすようで、視点はどこか虚ろ。 にやりと口角を吊り上げた。 「・・・・・・来た」 目線だけで隠れろ、と更夜に合図する。 安全圏を確保した彼を見、現れた影を見た。
「よぉ――――大鴉」
Next
************************************************************ 透と昴。透は絡ませやすいです。比較的。 小難しいキャラじゃないからかなー。 宙は氷で即席武器作っては使ってます。適当に。ポイ捨てしてもそのうち溶けるし。 声を荒げてるのは疲れというより、怒り(笑) さぁて、次回はちゃんと・・・バトル・・・かけるかな・・・・・・(弱気)
*A・Yさん ミラは読めないタイプ。昴は意外と過保護な面があります。後者常識人っぽい所あるからな・・・常識量は少ないが(待) 透でした。こいつは組ませやすいです。性格面で。 他の奴等とは・・・会ってない、かと(何故不確か?) なんですかその妙に引っかかる間は。 あー、その時間帯でしたらその日挟んだ2日は無理ですね。こっちが。 やる気出ましたか。嬉しい反面なんか嫌な予感がするのは気のせいかしら?(微笑)
ちなみに更夜は戦いません。 戦闘型じゃありませんのでー。特異な能力もないです。

|
|