| [9562] 光遊純星戯躍 turn8 |
- A・Y - 2007年12月18日 (火) 19時00分
魔理沙「ペースが速いぜ」 咲夜「まるで今までの分を取り返すが如く」 霊夢「すぐガス欠起こさなきゃいいけどねー」
response to 宙さん この三組は動かし易い。さすが主役達。 自分的に見たメイド長と吸血鬼お嬢様の関係でもあります。 山本くんはきっとカスリ点を稼ぎたかったんだと思います。多分。
輝夜をギャク二次創作らしく扱ったまでです。最後はやり過ぎたけど; オマケを併せて見れば「本当に不老不死なんだな」って感心されるくらいの目に合いました。 具体的に言えば頭の味噌がごっそり出てたり、お腹のチョウチョが綺麗に出てました。 ……本当スマン姫様orz 跪つきます。足嘗めます。 妹紅もなぁ。戦いをバッサリカットしたのは主旨外れちゃうから。 要するに欠片もギャグにならなかったからで。
え?天女さまのせいにするの?ボクが口滑らしたからに決まってんよ(byシェル) ていうかA・Yなのかぁ。やっぱりバカだなぁ……。(お前だよ?) シェルの話の続きも載せました。ありがとさんです。 かなりノロノロ亀さんだったと思います。主にやり取りのせいで。>緑星組 負傷していたこともありますね。
魔理沙「ちなみに今回で私の魔法が復活だぜ」 咲夜「あらおめでとう」 魔理沙「……分かってたぜ、軽く流されるってことは……」 霊夢「じゃ、ENTERね」
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一次通過試験を参加者全組が越えた時に、大会は一端の休憩を入れた。 再開したのは翌朝になってからだ。 出発に各組のサイコロが振られる。 第一通過地点のマスを超過した分は足されるそうな。 橙星組と金星組は同じマスに足を運ぶこととなった。
題目は『幽雅に探せ、美味なる飴玉』。
まず感じたのは、幽かな暖気。 風吹けば、薄紅色の花弁が舞い踊っていた。 其処には、満開の桜が並び立ち、咲き誇っていた。
「ようこそ、季節外れの花見会場へ」
迎えたのは、桜と同じ髪の色と、それより少しだけ濃い色の瞳をした貴婦人だった。 青い着物に桜の花弁が大きく描かれている。 帽子は歪んだ渦巻きが描かれた、少々変わっている三角巾が付けられていた。 ツナは一目で、婦人に違和感を察知した。 穏やかな、というより、とても儚い雰囲気。 色はあるのに、形も見えるのに、生き物の匂いが全くしなかった。 次第に皆、彼女が生きている人間でないと悟った。 そして彼女のことを知っている霊夢が言った。
「あんたも来たのね、冥界のお嬢様」
彼女の名は西行寺 幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)。 幻想郷と繋がっている幽霊の住む世界、冥界を統括する亡霊の姫だ。 幽々子は柔らかい笑顔を浮かべて答えた。
「こんな面白いこと、私達だけ抜かすわけ、ないじゃない」 「それもそうね」 「もう見たかもしれないけど妖夢も来ているのよ」 「言うまでもないじゃない。まだ見てないけどね」
彼女らのやり取りだけで進むと尺も取りそうなので、雷月丸が割って聞いた。 「で、俺達は何をすればいいんだ?」 「そうねぇ、花咲じいさんをして頂こうかしら」
一瞬だけ、止まる世界。 正直、意味が分からなかった。
「は、花咲じいさん……て」 「もう咲いてるじゃない」 「え?だってあるでしょう。ここ掘れワンワンって」 「のら〜」
何時からか白い妙な生き物が現れた。幽々子の足元にてさっきから居たらしい。 大きな黒い目と、先端が丸い頭をしている。
「このワンちゃんが当てた桜の根元を掘り当てるのよ」 「のら〜」 「犬なんですか?」 「死体が出てきそうね」 「出ないわよ。出てくるのは美味しそうなお菓子。飴玉よ」 「のら〜」 「のらのらしか言ってないんですけど」 「他にも言えるのら!」 「うわ、喋った」
霊夢は指を口に当てるような仕種をしてから、呟く。 「……あの犬って言い張る生き物は当り引かないと思う」 「うん……なんとなく霊夢ちゃんの意見に賛成するよ」 ツナは俯くように頷いた。
「あらあら、じゃあ他の、子牛ちゃんや小豆ちゃんに頼んでみる?」 「ランボさんも居るもんね!」 「ニーハオ!ツナ!」
牛柄のパジャマを着たモコモコとしたアフロ頭に、牛の角を付けた子供と、 中華服に髪をキッカリと編み上げて、おかげでおでこの広い子供がまた幽々子の足影から顔を出した。 ランボとイーピンだ。 子供達の紹介を軽く霊夢にしながら、子牛はともかく小マメって……とツナはツッコミを心内だけ呟いた。
「……この子なら当りを引くわね」 「……そうだね、イーピンなら大丈夫だよ」 「ちょ!?ランボさんは!!?ねぇ!!?」
イーピンが指示した桜の根元をシャベルなどで掘り出した。 そしたら、小さい小箱が見つかり、中から桜と同じ色をした飴玉や金平糖が出てきたのだ。 かなり甘くて美味しかった。 イーピンやランボに多めに与えながら、幽々子にもあげた。 彼女は実に美味しそうにお菓子を頬張っていた。
「合格よ〜wwうーん、美味しい〜ww」 「幽霊の姉ちゃん!ランボにももっと頂戴!」 「はいはい。生八橋や桜餅もあるからねー。……あら」
幽々子が目を配った先に、金星組がやってきた。 どうやら彼らもお菓子の入った小箱を見つけた模様。……だけど。
「田ちゃんは、どうしたの?」 「あの自称犬、全然使えなかったぞ。外れの不味い飴玉ばかり当てまくってて」 「だから自力で探した。金属探知機でも見つかるもんなんだなぁ」 「…………」
ほいほいとお菓子を食べる雷月丸と洋。 遥か後方にうつ伏せの田楽マン。よく見ると泣きじゃくっているようでもある。
「頑張ったんだから、せめてお菓子を分け与えるくらい、いいじゃない」 「あ?役に立たない奴に褒美をくれるのか?大体奴には腹が立ちまくったのだが」 「それより、我々も合格だろう。早く判定を……」
ふんわりした笑みを浮かべながら、幽々子は言った。
「小さい子を泣かすなんて、お仕置きね」
幽々子が地から足を離れ、中空へと浮かび上がる。 背中から巨大な扇が展開した。色は桃紫。御所車や桜の花などが鮮やかにかつ古めかしく描かれている。
「……え……?」
幽々子はニッコリと笑った。 「精進して下さいねv」 扇から巨大で無数の弾が放たれた。
遠目から見ると、花吹雪と花火が混ざり交わるようで、幻想的で、美しかった。
金星組、桜と共に散る。 実際は一回休みみたいな。しばらく行動不能になりました。
一方、先の光景を目の当たりにして。 いつも通りの対応とはいえ、ぐずりかけたランボをちゃんとあやしておいて良かったと安堵した、ツナだった。
次の試練は『内職です。ぬぬぬ』。
「何この意味不明なタイトル……」
試練会場は六畳半はある一室。 先客に赤星組が居た。 試験管らしい薄赤髪の青年が、【ぬ】という字をゴシック体という風に実物化させてから、渡して運ばせている。
「やあ、僕は詩人。この【ぬ】を其処の隙間に入れて貰うのが試練だよ」 「あの、無駄かもしれないけど質問していいですか?」 「この試練の意味かい?」
さも当然という風に返された。 どうやら、赤星組も既に聞いたらしい。彼らはどうでもよいような、見なかったことにしようとか思っている風だった。
「その隙間を覗くといいよ。別の試練会場への物資なんだ」
緑竜とクライブが担いでるのは【ぬ】。 その頭上にもたくさんの【ぬ】。 ぬ、ぬ、ぬが天から降っていた。
台座には、余りにふてぶてしいところてんが座っていた。 彼は威厳を放っているつもりのような、殺意か軽蔑しか沸かない顔で命令する。
「『【ぬ】を献上したまえ』」
「過酷過ぎるー!!!!;;」 「絶対やりたくないわ……!!」
それに、あの範囲だけ降っているのも安堵するところ。 此処ら一帯に降ってきたらそれなんて言えばいいの?【ぬ】地獄?な惨状になったに違いない。 そもそも、【ぬ】を生産している場所が橙星組・赤星組が居る此処なのだが。
「もうあのところてんが埋もれるくらいまで作っちまおうぜ」 「はい!ガンガン作って生き埋めです!」 「そうね、そうしましょう」 「緑星組のこと忘れちゃ駄目ですよ……」
青星組は『魔女の図書館へ寄贈する書物』。という試練のマスに止まった。 昼なのに、その試練会場は薄暗闇に包まれていた。 奥で仄かな灯りが、本屋に潜んでいた人影を晒している。 机に本を広げながら、安楽椅子に腰掛けている少女が居た。
紫の髪と目。白と紫系の色に纏められた、パジャマに近い洋服を着ている。 読書に集中しているようで、自分以外の気配を敏感に察知した半眼がそちらに向く。 何事にも無関心で、或いは詰まらなそうと感じているような目だった。
「咲夜ね」 「やはりパチュリー様でしたか」
パチュリー・ノーレッジ。 紅魔館内部にある施設、ヴアル魔法図書館の主である魔女。 レミリアとは100年以上の付き合いをする友人でもある。
「ずっと此処にいらっしゃったんですか?」 「最初は違ったけど、ここが一番落ち着けるから。……ええ、外は幻想郷より煩わしいわ」
パチュリーは一息付けてか、読んでいる分厚い書物に栞を付けて、傍らにあるコーヒーを口に付けた。 音を立てず飲んでから、次を言う。
「……試練は簡単よ。そこの本を私の図書館に運んで欲しいの。まず幻想郷入りすることのない本だからね」 「承りました」
ヴワル図書館への道は紫が作った隙間空間がすぐ傍にある。 しかし運搬作業に魔法が使えないという話が、問題だった。 持ち運べばいい。という当たり前のことがパチュリーには出来ない。 この魔女の魔力は屈指の容量を持っているが、体力は常人より遥かに劣っているのだ。
「あと、図書館からメモに書かれている本を一冊だけでいいから持ってきて頂戴。 外の本と照らし合わせて気付いたことの確認。または訂正しなきゃいけないものがその中に含まれているのよ」 「オーケー。……?幾つか掻き消し線が入ってるけど」 「……黒鼠に借りられてるものよ。一々消すのも面倒だから確認する度に書いてるの。 書庫状況を調べたら改めて重要なものばかりだったわ……」 「……そうですか……」
パチュリーがナイトキャップを直す様にして、頭を抱える仕種をした。 それを見て咲夜が同情めいた顔をしていた。
して、黒鼠と呼ばれる女こと、魔理沙はというと。 獄寺と共にある試練にて苦戦していた。 題目は『人形租界を渡る風』。
小さな草花が生い茂る青い野原に、無数の人形が踊っていた。 糸はない。機械仕掛けもない。在りのままの愛くるしい姿で、舞踏する。小さな妖精のように。 彼女達の動きに翻弄され、苛立ちを募らせてしまいな檸檬星組だった。 「……クソッ!」 獄寺は舌打ちし、魔理沙は皮肉を吐かずに押し黙っている。
「あらあら、白黒魔法使いの限界はやっぱりここまでなのかしら?」 金髪青眼の少女が優越者の微笑みを浮かべて、挑発した。 彼女の名はアリス・マーガロイド。人形を自在に操り、七色の弾幕を扱う魔法使いだ。 青い洋服の上に白いケープを羽織り、 波打つ髪と首周り、腰周りをピンクのリボンで整えた姿は彼女も人形のように愛くるしい。
「上手くいかないのかしら〜?結構簡単よー」 アリスの隣に居るのは、ゴシックロリータ調の赤と黒のドレスを着た金髪紫目の少女。 これまた人形のような、と言われる前に彼女は本物の人形なのだ。 メディスン・メランコリー。幻想郷に流れ着いた人形に、魂・心が宿った存在。原動力は鈴蘭の毒である。 彼女はふわりふわりと風船のように、風に浮かされ飛ばされ、人形達の中を掻い潜った。
疾風が駆けてゆく。それを合図に獄寺が走り出し、魔理沙の箒が加速する。 メディスンの後を追うように、彼らは突き進む。 魔理沙と獄寺には、本人を模した人形が、彼らの頭上に浮いて佇んでいた。 この人形を、アリスに突き出す為に。
しかし、そこで微動だにしなかった人形達が、動く。 俊敏に、華麗に、精密に、そして無慈悲に。
人形の一体が持っていた槍に魔理沙が当たった。正式には魔理沙人形だ。 ブチりと切れてしまう。 「……クッ……」 間もなく獄寺人形も落とされた。 試練失敗だ。また再挑戦しなくてはならない。
人形を風のようにアリスに送り届けること。但し、人形の軍隊の攻撃を掻い潜って。 風の流れを読むこと。其処に人形達の位置、構える武器の形、放つ弾、全てに共通する隙間がある。 それを見つけ出すことが、この試練の合格への鍵だ。 所謂パターン作りだ。弾幕はブレインと自負するアリスが考えそうな試練である。
「魔理沙がんばれー!」 外野範囲からフランドールが応援している。 隣にはクローム髑髏が居て、太陽に弱い吸血鬼の為に日傘を差していた。 夜行性ながら昼間も元気に駆け回る彼女の為にも、ここは気合と根性で超えて欲しいもの。
「……あーもう!我慢なら無い!!」 ……だったのだが。 「やっぱ弾幕はパワーだぜ!」 と、魔理沙はミニ八卦炉をポケットから取り出した。
もう何をするか言うまでも無い。 「……魔理沙?……まさか、ちょっと待ちなさい!!」 アリスも慌てて止めようとしたが、遅い。
真っ直ぐな線を描いた閃光が、疾風と替わって野原を駆けた。 幾ばくかの爆発音と共に。 ……その粉塵たるや、言うまでもない。
「きゃうぅ〜!?!」
中にはメディスンも居た。 彼女を始め、何十体もの人形が丸焦げになったり粉々になったりと。
「フッ……やっちゃったZE☆」 「いややっちゃったZEじゃないでしょ!?何カッコつけて言ってんだよ!!!」 どう見ても立派な破壊者です。全然うっかりじゃありませんしね。
「…………まぁあああありぃいいいいさあああぁぁぁぁぁぁ――――!!!!!」 アリスの悲鳴に近い怒号が響き渡った。当然である。
「……たくっ!こうなったら力押ししかないな!」 「おおっ!いっちょギャフンと言わせてやるぜ!!」 まんざらでもない顔の獄寺。彼も結局は魔理沙と同じパワー型だったのだ。 魔理沙は既に調子に乗り始めていた。
人形軍団に、ダイナマイトやら、直線レーザーが弾け合った青空の下。 フランドールはそれを童心溢れる眼差しで見ていた。 眺めてるだけじゃなく、自分も混ざりたいと思ったが、日傘の下を抜け出せないのでちょっと悔しがっていた。
全長3メートル超の台に、車輪を付けただけのような車。 正面部分には落書きのような、大きな丸い黒目とかわざとらしく凶悪そうな歯をむき出しにした口が描かれている。 そして飾りにしか過ぎない一本角。 それが、ガラガラとした雑音を鳴らしながら前進していた。 「ガジェット君をゴールさせたって〜!」 乗り物らしい車の上には、手足を生やしたカキ氷が厳めしい顔で激励を飛ばしていた。
試練『カジェット君のパズルコースター』。 ルールは簡単。挑戦者達の舞台の床は取り外し、移動が可能のパネルである。 パネルにはガジェット君の線路が掘られている。これに沿ってガジェット君は走っている。 ゴールまで導くようにパネルを動かし、線路を動かせれば、試練終了だ。
また、ガジェット君が走れないパネルで脱線した場合。
ドカーン!!
……と、爆発し、最初からやり直しである。 此処では黒星組とピンク星組が協力しながら進めていた。
「あっふふふふふふ〜♪ガジェット君かぁいいよ〜wwお持ち帰りしたいよぅ♪」 どこかの寒村に住む少女のようなにやけ切った顔と、ファイティングにだらけを足したようなポージングをするA・Y。
「……たくっ!能天気な主催者だこと!」 「今の彼女が出たらあの乗り物を本気で捥ぎ取ってしまいそうですけどね」 「……やりかねん;;」 「ほらほら〜♪ガジェット君をちゃんと案内するんだぞ〜♪」
とにかく、頭動かし手を動かしパネルを動かすのだった。
『取り扱い注意物』。 また妙な題目の試練を。と橙星組はちょっと呆れ返っていた。
「ごきげんよう。また会ったわね」 その場に待機していた係員は輝夜でした。
「また出るまで早かったわねー。まあいいけど、取り扱い注意物って……」 「私の新難題のことよ。コレ」
輝夜が指差したもの。 ……どう表現すれば宜しいのだろうか。 いや、絵にしても、きっと、七色どころじゃない本当にありとあらゆる色が、 グロテクス気味に混ざりつつ煌めいている塊にするしか描けない。 そんなものだった。
「……何コレ?」 「『ミステリウム』。名前通り不思議なものよ」 「これも弾幕の材料とかにしてるわけね」 「まあね。あなた達がやることは簡単。このミステリウムを千切って其処の隙間に入れるだけ。 見た目より幾らでもあるから、分量は考えなくてもいいからね。指定では両掌に包めるくらいよ」
とはいえ題目通り、注意を払わなければならない。 永琳が用意した特殊な手袋で、丁寧に千切り、泥団子を作るように丸めて、隙間に入れた。 ちなみに輝夜は手本に素手で大雑把に千切っては捏ねたりして隙間に放り投げた。 その際大火傷したり大凍傷したり腕そのものがスプラッタしたりと大変だった。 しかしすぐ治る。さすが蓬莱人。 その後大人しく見守ってくれた。……ある意味助かる。
「ちなみに、この試練って何個まで作ればいいの?」 「えーと。いきなり注文された系統だからねぇ。あっちの用件が終わればじゃない?」 「あっちって……何処よ?」 「生きてるところてんが【ぬ】を運ばせるところだったかしら」
………………………………。 そういえば、この部屋はさっきのマスの試練に使われたのと寸分違わないような。
「ぬって…………そういえば緑星組は……?」
彼らは、あの屈辱的な試練をクリア出来ただろうか。 先程の場所へ目を配らしてみた。 やっぱりというか、ミステリウムを送る隙間から窺えた場所だった。
「ほら、献上しろよ」
変わらないところは、緑竜が運んでいたこと。 ただし一人で。担いでるのは輝夜が紹介していた『ミステリウム』。 玉座には、クライブが座っていた。
「こ、これで、最後か……?」 献上すると、蹴られた。 「誰に物言える態度だ?」 どうやら、口の利き方が間違ってたらしい。 緑竜は息を整えながらも、訂正する。 「は…………最後でしょうか……」 「んー。……得点的にまだですねぇ。後ピラミッド一面分持ってこい」 「はいぃ……」 半分諦めたような顔で、緑竜はまた天から降るものを受け取りに腰を上げる。 フラフラとしている様子は今にも階段から転げてしまいそうで……あ、足踏み外して、落ちた。
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ……ガンッ!
それを見下ろしたクライブはケラケラ笑った。
「「………何があった――――!!!?!」」(ガビィーン!)
後々の説明によると。 ところてんは『謎のアクシデント』で突如退場したんだそうです。 (きっとクライブさんがやったんでしょうね。byA・Y)(残念ながら証拠がありません。撮れませんでした;by文) 試練自体はまだクリアしてないので急遽変更したようです。クライブ氏の好みによって。 緑竜さんだけ状況は変わってません寧ろキツクなっていますが、 さっきより嬉しそうに見えるのは、きっと気のせいです。(苦笑)
「はぅ……フラフラでヨロヨロでヒィヒィな緑竜さん萌え……お持ち帰りしたいよぉw」 「はいはい主催が選手を妨害しちゃ駄目だかんねー、アッチので我慢しな」 「……!!……かはっ!はう〜〜〜〜〜〜〜〜!!!おっもち帰りぃいいいい〜www」
さて、A・Yは何に釣られたのでしょう。 1.マーモンが自前幻術で出してみたモコモコ羊さん 2.フワフワでヒラヒラなメイド服を着た永遠亭の妖怪兎さん達。 3.御揃いで猫耳尻尾体操着ブルマ首輪付きの銀星組。 4.忘れられた子が茸を囃しながらトボトボ掃除している幸薄いオーラ。
答えは次回。(!?)
「ふっふっふっ……」 ある場所にて。可愛らしい含み笑い声が漏れていた。 声の主たる少女は随分幼い方だ。 水色の髪と目。青いワンピースに裸足。背中から水晶のような羽根を生やしている。
「これよ、これなら勝てる!」 「勝てるね!強そうだもんね!」 同じ年頃くらいの少女が、共に意気込み、両手に拳を作って振り上げる。 赤い中華服とスカート。茶色い髪に黒い猫耳と黒い尻尾などを揺らして、高揚していた。
少女達の目の前には、一台の車があった。 現代風でも一昔のものでもない。ボディラインはカーレースに使うものが近いだろう。 しかし、その車には肝心の乗車口がなかった。 あったのは厳めしい砲台や、複数の銃口などである。巨大な棘も付いていた。 ……ぶっちゃけ戦車と呼んでも良い代物だった。
「チェンとあたいがこの車に乗って、突撃しながら合体攻撃すれば、みすちーを浚ったあの変な人間に勝てる! うん!あたいってば天才ね!!」 「にゃ!やるよ、チルノ!」
単純らしく、既に勝利を確信してやまない。 そんな彼女達の背後では、青い作業着に緑の野球帽らしいものを被った少女がほくそ笑んでいた。
「……上手く行くといいわね。こっちは研究データを取らせて貰いましょうかっと」
あとがき 幽々子さま。パァーチュゥーリィー!アリス。メランコ。ガジェット君。ぬを献上したまえ。 着々と進化するSMプレイ。そして次回活躍するバカっ子。 入れたいものを入れましたです。また長文だよこんっ畜生っ! 魔理沙は借りるといいましたが、期限は死ぬまでだそうです。
オマケ 風紀委員長と華胥の亡霊
其処には、季節外れの楼閣が咲き誇っていた。 薄紅い花が揺れて、幾重の風にもその花弁の枚数を減らす様子もない。
「……うっ;;」
一方、桜クラ病という奇妙な病にかかっている少年が居た。 偶々通過した場所だったのだが。この大会の設置物が全く適当に決められていることに辛辣と感じただろう。
「今日和。気高い雀さん」
此処に相応しい姿をした着物の貴婦人が、何時の間にか居た。 生きた人間の気配ではなかった。とても儚げで、朧気な存在だ。
「何、アンタ」 「只の花咲きおねえさんよ。……お腹が空いたの?事前にちゃんと食べておかないから。桜餅でも食べる?」 「いらない。空腹じゃないし」 「……そう。どうやら、桜は貴方にとっては毒のようね」
見抜いたのか。しかし、それで怖気付く必要は彼には皆無だった。
「ちょっと悲しいわ。桜の木を墓標にしてくれなさそうで」 「何、人を勝手に殺そうとしてるの?それに苦手と嫌いは違うと思うよ」 「あら、そうなの」
かなり不謹慎なことを言っていた気がするが、適当に返した。 けれども、彼女は食いつくことを止めないようで。
「それでもちゃんと食べないと駄目よ。生きた人間に、食は大切なものなんだから」 「僕が何を食べてきたか、アンタにはどうでもいいことじゃないかい?」 「そうでもないわよ。人の食生活は随分参考になるもの。私はなんでもイケるけどね。 甘い金平糖も、辛い豆板醤も、塩分のある味噌汁も、こってりしたステーキも、カラっとした夜雀も」 「夜雀?」 「貴方は食べたことある?明るい歌声で生き物を盲目にする夜雀のお肉。小骨は多いけど美味しいわよ、きっと」 「……まだ、食べたことない」
彼女はほくそ笑んでいた。どういう意味なのかは、彼にも全く分からない。どうでもいいともいう。 というか、何故食べ物の話に持っていこうとするのだろうか。
「いつか、食べれるといいわね」 「……そうだね」
視線は、桜の木と青空に戻る。 季節外れの桜が、薄紅色の花弁を散らせて舞わせていた。

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