| [9228] 君に捧ぐ鎮魂歌 最終楽章 君に捧ぐ鎮魂歌 |
- 蒼翠紫 - 2007年03月21日 (水) 21時45分
此処は深い深い 森ーーーーーーー？
その中に、一つ小屋があった。
小屋に入ってみると、地下へ続く大穴が口を開けている。
うっかりしていると首の骨が折れるので、ハシゴが設けてあった。
「ちょ‥‥何の話！？」
「兄っちゃを殺したのは貴方なの。
Drシンス？」
「や、やめ‥‥」
「最期まで無様なのね。」
しゅんっと何処からか少年少女達が現れた。
テレポートと言うものか？
「さて、もう遊びは終わりだけど？」
宙が笑う。
その隣では山本が厳しい顔をしていた。
「‥‥‥‥‥！！」
シンスの目が見開かれた。
その驚きは、紫に宙、ましてや山本に向けられた訳でもない。
「お母さん‥‥梨音はこんな事もう嫌です。」
本体が口を開いた。
「りっ‥‥りおっ‥‥」
シンスは涙を流していた。
「梨音はもう一人居ますよ。どっちが大事なのですか？私はただの実験台だったのですか？」
本体が口を開いた。
「ちがっ‥‥」
彼女は首を横に振った。
「さぁ、始めましょう？」
紫が泣き崩れる信主に鉈を突きつける。
その瞬間。
「げふっ‥‥ごほっ‥‥」
びちゃぁっと、赤黒い液体が梨音の口から迸った。
「‥‥梨音！！？」
シンスはコピーの方を向いた。
「同じ人間は作ってはなりません。その科学反応が今起こったのでしょう。」
まるで知っていたような口をきいた”本体”。
実験は、成功なんかではなかったのだ。
「私が、居なくっても‥‥梨音は生きて行けるよ。
天国で、待ってるね？」
そう言い残すと、彼女は幸せそうに‥‥
本当に幸せそうに
微笑んだ。
「い‥‥いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！
ごめんねごめんねごめんねごめんねごめんね赦して！お母さんを赦して！！」
彼女は、二人を胸に抱えた。
頬には涙が伝っていた。
数年後ーーーーーーーー
「おっはよー紫！」
「相変わらず騒々しいわよ。宙、ついでに山本。」
「ついでにってなんだよー。というか今どっちも山本だし。」
「わーらぶらぶー！！」
「テディ、そう言うときはそっとしておいてあげるんですよ。」
「へ？なんでー？アリアなんでー？」
「とりあえず、獄寺君落ち着いて‥‥」
「こいつだけはー！！！」
「朝っぱら五月蝿いですねィ。」
「とか良いつつマイク構えてんじゃないわよ沖田。」
「仕様がない、今日はまた集まるか。いいだろ蒼翠？」
「私に訊かないでよ。」
「じゃぁ、良いよね？武。」
「勿論！」
それは、幸せなHAPPY END。
望んだ世界はやって来た。
あの涙の後、最終症候群は国民の記憶から消えた。
それ程、ささやかだったのだろう。
「お母さんー？梨音と同じの欲しい！」
「はいはい。榴音にも買ってあげるから。
「私にも買ってねー？」
「はいはい。あー腕引っ張らないで！！抜けちゃう！お母さんの腕抜けちゃう！」
「紅赤ー？境内の掃除どうしたの？」
「紅蓮が手伝ってくれないかのぅと。」
「嫌。」
さぁ。また新しい物語を紡ごうじゃないか。
最終楽章 君に捧ぐ鎮魂歌
fin...............................
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さて、終わりました。
終わり方が微妙ですが、最期の日常は気に入っています。
梨音は新しい名前を与えられ、もうコピーじゃない。
母親の応急処置で、本体になれたのです。
さて、また会える事を祈っています。
蒼翠紫。
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