| [9646] Pathetic courtship 32 |
- A・Y - 2008年03月30日 (日) 11時04分
コンフェ「うーん。一応ストックは作れた」 夢幻「また寝れない?」 コンフェ「かもね;;」
response to 宙さん そ、スーパーマリオなどのアレ。>ピコピコサウンド ロウスのおかげでしょうねー。攻撃とか濃くなったのも。 喋りました。らしいです。>複数と対峙 暗黙の、了解だよねー。酒がありそうな場所に向かいます。大き目のテーマパークだしバーテンくらいあるでしょ。 うん。死ぬ気で上ればへっちゃらさ♪
response to 雨傘 大耀 光闇さんお久しぶりです〜!>∀< あ、リアルでも寒いのは苦手ですか?私も結構苦手ですね。暑いのも駄目だけど。 そもそも状況自体が半分幻想的だったりします。過去再生してるから。 話が重くなり過ぎないように茶目っ気を混ぜたくなるのは癖です。でもシリアスに傾いちゃうよな〜と自分は思ってます^^; 描写もついつい細かくて。読み辛いかなぁ、とかもっと上手くなりたいと思ってます。 いえいえ;;ちょっとサボった分を猛スピードで返しまくってるだけですよ。 コメントして頂けるだけで大感激ですよ!本当に!励みになりますから! はい、これからも頑張ります!拙い小説ですが、なんとか完成して見せますよ。
コンフェ「まあ、作者のテンションが上がったことだし、このままイケるでしょう」 夢幻「それじゃENTER〜」
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ブレイクが隊を分けて突き進んでから一分は経ってないだろう。 木々は少々鬱陶しすぎるくらい生え込んでて、集団で進むにはやや不便だった。 だから、一人から三人までに別れて、獲物を探すことにした。その方がずっと効率が良い。 獲物が見つかったら見つけた奴の判断に任せる。他を呼び集めてもいいし、独占しても構わない。 本来探してるのと別の獲物を見つけたしても、同じだ。 そうして、ブレイクは単独で森を駆け回った。
巨木の影を二回りほど越えた時のことだ。 ブレイクは、獲物でも同属でもない、意外な人物にぶつかった。
「おやぁ?」
素っ頓狂な声で迎え合った。 相手は、ちょっと気まずそうな顔をしてから、片手を軽く上げて答えた。
「あー……や。遊びに来ちゃった」 「お前も風に報せに釣られてか?それとも『光』の御使い?」 「残念ながら後者」
と、『光』の使い魔に当たる、贅沢な赤い猫という異名を持つ少年は、残念というか後悔してそうに首を振った。
「そっか。てことはやるか?」 「出来ればキミ達と相手したくないけどね。デストロイも居るでしょ」 「コンフュジョンも居るぜ。……それじゃあ誰と戦うんだ?」 「………………そういえば、今回の敵って誰だろ」
ブレイクがこっちを訝しげに見るのが、ちょっと痛かった。 本当に誰と戦えばいいか分かってない。これが意味ないようで大きくあったりした。 戦いはあると聞いた。それぐらいしか知らない。 誰が敵で誰が味方かも判断付かない。……まあ、レム達に付けってことは分かるけど。本当にそれだけだったりする。 情報が足りなさ過ぎた。……ていうか、本を正せばラークリを送り出した張本人がいい加減過ぎだ。
「目的はレム達の手助けなんだから。それをこなせば、後は適当にやんなさい。 ……但し、余計なことはしない。したら往復しっぺ10セットだから」
と、しっぺの素振りらしい手首のスナイプを見せながら。 手助けってどんな行動を取ったらいいんだとか、何処までが余計なことに値するんだとか、 それにしちゃ仕置きが軽めなのも気になるが、とにかく具体的な説明が一切なってなかった。 しかも、直後にワープ魔法を発動させられた。 魔力が回復し切ってない癖に。おかげで目的地に走る(飛ぶ)ことになったし。 ただラークリを厄介払いしたかっただけなのか。
「おぉ〜い。ボクは此処でなにすりゃいいのさ〜?」 近くの木々に向ってファンナを呼んだ。
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沈黙。小鳥や虫の囁きしかない。それを除けばしぃ〜んと暢気で静かなものだ。
返事を与えたのはブレイクだった。 「なんか付いてきてるのか?」 「オペレーターみたいなもん。どうやら、出て来れないらしい」
ブレイクが居るからか。だけど彼を敵として認識してるなら、戦闘を促すだろう。 じゃあ他に手を取られてるのか。電波妨害でもされてるのか。……近くに彼女の分身も見えなかった。 そもそも、ファンナに頼るのも間違いな気がした。アイツは気に食わないし。 ラークリは胡坐になって緑と茶色の地面に着いた。
「で、どうするよ?」 「とりあえずさ、此処でおっはじめようとしてること、教えてくれる?知ってるとこ話せるとこだけでも」 「ふーん……ま、俺も似たようなもんだしさ」
太刀を横に立てて、ブレイクも胡坐になった。 そして、自分達が此処に来た切欠、デストロイがコンフュジョンの所在情報を掴んだ事についてから語り始めた。
――……お、お嬢ちゃん……カワイイね……。 ――遊ばない?アソバナイ? ――い〜い女だなぁ……。
身の毛が弥立つような声が聞こえる。 狂った目が見ている。 ゆっくりとだが、確かにこっちに近寄ってくる。 レムはティネートを抱えようとして、ティネートはレムを守ろうと前に出て、斧を構える。
「――――大丈夫」
タイラストが言った。 彼女は柔らかく微笑んだ。 にじり寄る醜い感情の影に対し、凛と立ちながら、涼やかな目で見据えていた。
「ズィーズィー」 また、不思議な連続した音を彼女の柔らかな声で奏でた。 背後から現れたのは、金色の獣だった。 獅子に似てるようで、大きくかけ離れた。 咆哮はせずに四足で駆け飛んで、目の前の敵をその巨大な爪で、牙で引き裂いた。
「ヴィーヴィー」 暗い黄色の服の青年が、レム達の前に降り立った。 黄色の交じった茶髪を揺らして、茶色の双眸を鋭くし、影を見下す。 親指と中指を突き出す風にして、強く摺り合わせて、弾かせた。 途端に闇色の塊が押し潰された。 彼の特技なのだろうか。大気を凝縮したものをぶつけたのか。仕組みは良く分からない。 バチン、バチンと指を弾かすだけで、紙切れを飛ばすように、千切って消えた。
――……あ、ひゃはは……おじょうちゃあぁん……。
別の、けれど正面と変わらない悪意の影が、タイラストの背後に忍び寄っていた。
「っ!?危ない!!」 レムが叫ぶ。
だが、同時に背後に迫る影は消え失せた。 その一呼吸前に、タイラストが振り返ったと同時に。 何をしたのかは、レム達には分からなかった。 視えたのは、タイラストがその影にそっと触れた掌と、赤だったり黄だったりした色の螺旋だけ。 まばたきをした後に映ったのは、何事もなく佇む黄色い少女だった。
「……さっきの話の、返事は聞いてなかったわね」 菊之丞の件のことだ。 「貴女は、それでも行きたいの?」 傘から覗く顔からして、既に聞かなくても分かっているような気がした。 けれど、はっきりとした言葉という形を持って、レムは伝えた。
「私は夢使いです。菊が昔の夢に捕まってるなら、それから救い出します。私が、覚まさせます」 「……分かったわ」
タイラストは軽く目を瞑って微笑んだ。 そして、菊之丞が居る位置らしき場所に歩み始める。 ズィーズィーと呼んだ獣と、ヴィーヴィーという青年は見えない。 影に潜み戻ったのだ。必要がある時にまた姿を現すだろう。危険な周囲からタイラスト達を護衛しながら。
「もう一つだけ、聞きたいことがあるの」 タイラストに付いて進行する際に、レムが尋ねたことだ。 「どうして、私達の味方に……?」 「そうねぇ……」
タイラストは、レムとティネートに向って、輝かしいばかりに清らかな微笑みで、言った。
「あなたと、あの子に、あるとても尊いものを教えて頂きましたから」
一方、これらの光景を眺めていた影があった。 インセスセント・メテオの分隊の一つだった。 彼らは、驚愕と、それから訪れる恐怖に我が身を震わせた。
「……タ、タイラスト!?タイラストだー!!!」 「タイラストが闖入したー!!!?」
タイラストの存在は、インセスセント・メテオにとっても脅威だった。 瞬く間にユニット全体の撤退号令に繋がった。
その内の一つがブレイクの下に舞い込んで来た頃。 ラークリは大凡を、主にインセスセント・メテオが此処に来た理由を把握した。 どうやら主犯はバーバロウスらしい。ラークリはコイツも気に食わない奴と評している。 奴が関わっている事柄には絶対何か噛んでいる。A・Yは何処まで知ってるのかが気になった。
「ブレイク!大変だ!渇望するタイラストが参戦した!!」 「渇望するタイラスト……ってマジかよ……」
ブレイクが呆然と口を広げる横で、ラークリも顔をしかめた。 カタアリの中でも要注意とされる存在だ。……A・Yは、コイツも関わってくることも承知だったのか?
「タイラストまで来てんのか。……アイツ苦手なんだよなぁ。なんとか出来ない?」 「俺だって苦手だよ!目も合わせたくねーし!」
振ってやったブレイクは大袈裟なくらい叫んで首を横に振りまくった。そりゃそうだ。
「……で、今、どの辺に?こっちに来ないよな?」
聞き伝えによると、安心することにこことはほぼ反対の方向へタイラストは移動してるようだ。 ラークリは遊園地の全体を思い浮かべた。確か、仄かな光が広がる前も緑色が多かったような。
「……待てよ、あの方向ってデストロイとクライシスも向ってなかったか……」 「てことは、タイラストとデストロイがぶつかる可能性大有りって訳であって……」 「……!!!……あわわわわわ……マジどうしよう……」
本気でカタアリの肌の白さに青白さが加わっていた。 逆に問題ないんじゃ?と考えてたラークリはそんなブレイクの反応を見て首を傾げた。
「いや、デストロイが向った先にコンフュジョンも居るって話でしょ。流石のタイラストも原罪四部が二名も居りゃ」 「お前。分かってねーだろ。……タイラストはな、あの『光』とガチで殺り合ってピンピンしてるような奴なんだぜ?」
ラークリはやや眉を潜めた。 つまり全開のA・Yと全力でぶつかったとして双方散らないってことか。……それだけでおっかなさは分かる。 けれど、おっかなさ以外に、具体的に把握した訳でもないので。
「え……と?」 「対してデストロイはまだ全開になれない。コンフュジョンだっておそらく……『黒薔薇』ならもしかしたら、かもしれないけど」 「ちょっとストップ。簡単でいいから纏めて」
ラークリは、少し話を切り替えることにした。 詰まる所、ブレイク主観の強さ評価を教えて欲しいと頼んだ。
「……タイラストが、多分、この領内で一番強い。二番目にデストロイ及びコンフュジョン。その次にバーバロウスってところだ。 問題は一番と二番の間に凄い差があるってこと。俺らは勿論、デストロイとコンフュジョンが束でかかっても、 タイラストには勝てないかもしれないってことだ。……実際見たことあるから、言えるんだよな」 「んだよそれ……」 「覆す可能性があるのは……やっぱり、コンフュジョンが『黒薔薇』になった時のみだな……」 「さっきも言ってたけど、『黒薔薇』って何?」 ブレイクが仰天してラークリを見た。 「ラークリ。お前そんなことも知らないのかよ」 どうやら、彼らでは常識らしい。ラークリは文句を返したかったが、情報を得ることを優先した。 「しょうがないだろ。この世界ではまだまだ入り立てなんだぜ?」 ブレイクは、頭を掻く仕種で面倒臭さを表しつつも、ラークリに答えることにした。 「『黒薔薇』ってのは、まあ簡単に言えば水を得た魚宜しく養分手に入れた花みたいなもんで、 気に入った人間の男を『旦那さま』に仕立て上げて「ちょっとブレイク!」…っ!今度は何だ!!?」
話にまた横槍が入った。 だが、タイラストのことを報告したのとは別のカタアリだ。
「さっきの、鬼と人間達、逃げたの見つかったけど……ええと」 「早い者勝ちだぜ、そーゆうのは」 「それどころじゃなくって!鬼が、鬼の奴が……!!」
タイラストとは別の意味で慌てふためいてる様子だ。 鬼?心当たりがあるような無いような。ラークリは記憶を巡らせる。 その時、更に別の闖入が割り込んだ。
「ラークリ!」 「ファンナ!?」
呼んでも出なかったファンナが、また唐突に出現したのだ。 突然現れた少女にブレイク達は驚いたが、ラークリが攻撃しても無意味だと教えて制した。 ファンナはラークリ以外に気付いてないように話しかけた。
「あなたのすぐ傍で暴走しちゃった子が居るわ」 「敵?」 「敵じゃない。けれどこのままだと余計なことをしそうだから、止めて」
敵じゃない。でも味方でもないってか。 きっと、ラークリと同じ立場なんだろう。……やっぱりA・Yも知ってそうな奴だな、と思った。
「……で、力加減はどの程度?」 「殺す勢いでやらないとキツい相手よ。だって、酔っ払った鬼ですもの」
真顔で伝えることなのか。 ラークリは益々、嫌な感じになった。
あとがき タイラストが本格的に動こうとします。 一つだけ明らかに出来る件は、ラークリに足りてない移動魔法を使った理由。 もたもたしてると猫兄妹陣と一緒に出発することになったからです。 ガイに何があったのかは次々になります。 ちなみにブレイクはちょっと勘違いしてます。彼の発言全てが正しい情報と思わないように。

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