| [9635] Pathetic courtship 28 |
- A・Y - 2008年03月27日 (木) 19時12分
コンフェ「また、素直に眠気が迫る日々が訪れました」 夢幻「春眠暁を覚えずだね」 コンフェ「本当に」
response to 宙さん うん。その件は書いてる本人としてスルー出来ないので。 緑竜さんが居てくれて良かったぁとほんと心から感謝してたり。 ボーボボに任せて爆破されたりしたら元もなくなりますしねー。 そーなのかー?>味覚 最敬愛してます。例え成り切れなくっても。 彼女にはとても残酷な設定を授けました。それを覆す機会はまだありますが、 例え作者たるあなたに勘付かれて頼まれても、しないでしょう。 一方の彼も、華爪家に向かう予定は決まってました。 驚いてたのは、彼は傲慢でなくどっちかというと心配性だから、なんです。 超御乱心です。場所も分かってません。あちこち飛び回ってます。 『協会』の内側はまだ固まってないところが多いからなぁ;;だから台詞だけ; A・Y達も知ってるよ〜って教えたかっただけ。 斜め上だけど辻褄は合う。これを目指して頑張ります。
コンフェ「今日も朝には行くはずだったのにね」 夢幻「そう」 コンフェ「あ、でも今夜の九時辺りにまたこっそり見にくるかも」 夢幻「変に細かいからねぇ」 コンフェ「じゃ、ENTERね」
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仄かな緑に染められても燃え続ける炎。 いや、こんな環境は含まなくていい。やはり自分らの不利さを示しているが。
まず、規定外な強さを持つデストロイ。 後からやってきた、能力を破損される能力を持つブレイク始め、デストロイの配下達。 そして素早く油断ならないシーカー。
奴らは強い。最初の雑魚とはランクが違う。 その証拠として、一人たりとも弱った様子はない。
一方こちらの援軍は、一旦はデストロイを追い詰めてくれたが、何故か急に参っていた。 状況は、限りなく絶望的だ。
「ど、どーするよボーボボ。かなり不味いぜコレは……」 破天荒が分かり切ったことを言う。 ボーボボ以外も焦燥を秘めながら、目と武装を敵に逸らさないこと必至だ。
じり、じり……と滲み寄るデストロイ達。
ボーボボはサングラスを整え直した。 「俺の家には、代々伝わる家訓がある」
ボーボボの後ろに居る五人が、一斉に彼の背中に目をくれた。
「どうしても勝てない相手には…………」 「勝てない相手には……?」
平原が聞き返す。 ボーボボは振り返った。
次の瞬間、あもえも言わせず緑竜と、ガイの腰を腕で丸ごと包み上げた。 そして、デストロイ達から正反対の方向へ、走って。
「――――逃げるんだよおおおぉぉぉぉぉ――――!!!!」
と、腹の中を全て吐き出す限りを越えて、叫んだ。 右腕にガイ。左腕に緑竜を丸太担ぎしての全力疾走だった。
「さ、賛成賛成……!!!」 ガイもボーボボの腕の中から必死な面持ちで肯定の挙手を示す。 とっさに残された三人、ソフトンと破天荒と平原も、ボーボボに続いて敵に背中を向けた。
悔しいが、ボーボボそしてガイの判断は正しい。下手なプライドは捨てるべきだ。
一方、人間達のある程度は予想していたが、正直ちょっと拍子抜けの行動を取られ。 けれどすぐに獲物を追い詰める野獣に気持ちに戻る、インセスセント・メテオは。
「逃がすかよ!」 「ちょっと待て」
頭であるデストロイの命令に一旦足を止めた。
「ブレイク。お前が中心になって追え。クライシス。ちょっと俺に付いて来い」 「へ?俺だけですか?」 「そうだ。コンフュジョンを探す。……もう目と鼻の先だ」 「あ、それは良かったですね」 「はい。それだけですね。じゃあ俺は行って来まーす」
ブレイクは揚々と一群隊を引き連れて、逃げる人間らを追いかけた。 残ったのはクライシス、デストロイの他にもう一人。
「……知ってるな?コンフュジョンの正確な位置……」 「はい。ご案内しましょう」 「ついでに、さっきの男達より可能性の高い『旦那さま』は?そいつも傍に居るのか?」 「あ。あー……なるほどねー……」 「おそらく。他にも目ぼしい『旦那さま』候補が居ますけど。そっちから片付けましょうか?」 「捨て置く。とかくコンフュジョンだ」 「了解しました……」
シーカーは原罪四部へ、胸に手を置いて頭を垂れた。
一先ずは逃げ切れたようだ。 火の海を越えて、緑ばかりが目に付く領域に入った。 今はどこもかしこも仄明るい光を宿した梢ばかりで、元の遊園地にすればどの辺りなのかも判断付かないのだが。
「一体どうしたんだ?」
緑竜が、自分と同じように担がれたガイを見て言った。 明らかに疲労困憊している様子。 ブレイクによって負傷したのが原因とは、違うと察せられた。
「……あ、あるものが必要で」 「薬か?」 「似たようなもん。携帯してきたものじゃ、足りなかったらしい……ちぇ」
ガイは悔しそうに舌打ちした。 どうやら、彼は持病ありらしい。 鬼が病を抱えているなんて見たことも聞いたこともないが。
「どんな症状だ?専門ではないが、内用によってはなんとか作れないこともないぞ」 「いや、確かに似たようなもんって言ったんだけど……」
やけに言葉を選んでいるようだった。 なんだか、迷っている。苦々しい顔で、言うか言わざるかを。 だがこの状況下を感じ。こちらが痺れを切らしそうになる前に、遠慮とかしてられなくなったのだろう、 ガイは首を大きく振り被ってから、緑竜に、彼らに尋ねた。
「な、なぁ。あんた達の中で」
鬼の青年は、大真面目に切羽詰った表情で聞いた。
「――――酒持ってきてるの、居ないか?」
『…………………………………………はあ!!?』
「――――ママ!」 「ティネート!!」
観覧車の手前の地上にて、抱擁する母娘。 レムが実体じゃないから、実際に触れ合うことは出来ないが、まあ互いの気持ちが通じ合ってればいい。 彼女らの後ろで、タイラストが心から和やかそうに微笑んでいた。
「良かったわねぇ。さて、次は、どうしましょうか?」
クルクルと傘を回しながら呟いている。または、レムに聞いているようだった。 レムはハッとするように叫んだ。 「あの!」 「なぁに?」
無垢な眼差しを返してくれた。 レムは、慌てて今自分が、タイラストに何を尋ねるべきか考えた。 幸いにも、タイラストの呑気さとティネートの心遣いがレムに落ち着きを与えてくれた。
「菊…ええと、大地の神霊の居場所とか、分かりますか?」 「……大地の……」 一瞬だけ、虚を突かれたような、呆然としたような顔をしたタイラスト。 「出来ますか?」 「やってみるわ……――――」
レムに念を押され、ティネートにも見守られながら、タイラストは目を深く瞑る。 僅かのようで長い合間を待った気がする。 レムが居ても立ってもいられない状態を過ごす内に、タイラストの目蓋は開かれた。
「――――…………見つけたわ」 「本当ですか!?」 「ノイズが多くて、当人の存在力も小さいから、正確な位置は分からない……もしかしたらこの辺りと」 「大体でもいいんです。案内して下さい」 「ええ……でも……」 「どうしたんですか?」
タイラストは、僅かに顔を俯かせていた。 どんな表情をしているのか、レム、ティネートも覗くことは出来なかった。傘が死角にしていたから。 ポツリ、とタイラストは言葉を零した。
「今、彼は幸せそうね」 「え?」 「でも、それは昔の幸せ。不幸の始まりだと知りつつも、無視して過ごしてきた想いの欠片」 「……?」
預言者めいたことを述べるタイラスト。 幸せという言葉を吐きつつも、出した音には哀しい感情があるような気がした。
菊之丞の目の前には、木々の緑を中心とした、色取り取りの草花が咲く、清らかな世界が広がっていた。 仄かな光が、夜の時間帯なのに月を日に変え、星を木漏れ日に変えた。 近くから、小鳥や虫の鳴き声が聞こえる。遠くから、河のせせらぎが聞こえる。 目の前には、美しい蝶々が二羽舞っていた。 白い翅に紫の筋を持つ蝶と、緑の翅に黒い筋を持つ蝶だった。 菊之丞は、彼と彼女に微笑みをくれた。
あとがき 燃料はお酒でした。勿論、ガイは二十歳過ぎてる設定だよ?(何故疑問系) シーカーは空気読める子。状況によってわざと読まない子。(これは確定) タイラストは天然です。(これも確定)

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