| [9629] Pathetic courtship 26 |
- A・Y - 2008年03月24日 (月) 16時24分
コンフェ「本当の26話投下しまーす」 夢幻「さすがに二日で10話は無理だったね……」 コンフェ「昨日寝込みましたもんね。今も頭痛がするとかなんとか」
response to 宙さん ええ、星牙と同じ能力です。>ガイ ごめんなさい。元ネタが分からないの;; みかん箱は偉大です(意味不明)。此処に来ました。 確かに二人だけじゃ少なすぎるよなぁ。と書いてる本人も思った。(オイ) いやぁ。原作だと首領パッチ<天の助<田楽マンに扱いがぞんざいだけど。 私の中だと田楽マン<首領パッチ≦天の助っぽいんです。どうもw ワードパットにも涙を忘れられたのはいい思い出(ネタ的な意味で)
夢幻「ところで遊園地バトルだけで何話使うの?」 コンフェ「えーと……40話行かなきゃいいなぁて作者が言ってた」 夢幻「うわぁ……長蛇列文章にした方がいいんじゃない?」 コンフェ「そうかもねぇ;;……じゃ、ENTER」
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シーカーは、大人しく投降しなかった。 面倒臭い。と言ってから短剣の切っ先を振り投げたのだ。 予想していた反撃に平原が前に出て、受け流す。 短剣が斧の刃先を滑った。すぐ先に平原の顔があるが、紙一重で避ける。 倒そうとは思ってない。切り抜ければいいのだ。 平原を蹴り飛ばして、そのままボーボボに駆け出す。 二人でなく五人で止めるんだったな、とシーカーは嘲笑を浮かべた。
「鼻毛真拳奥義!シャンプーぶっかけ!」 「っ!?」
パシャ!
鼻毛の鞭じゃなかった。 ふざけた、それも別に持ってなくても良い道具を使ったのだ。
体中にかけられる、液体。 甘酸っぱい洗剤の匂いが、少し苦手だ。 ぬるみを与えられたが、鈍くなる訳じゃない。 動揺してしまったが、人間の身体能力とは違う自分の機動力だ。 切り付けて、押し退けて、それで終わりだ。
ボーボボは動じない。 ただ、ボソリと付け加えた。 「…石鹸もあるよ」
直後踏んだのは、地面じゃなくて。 足に、有り得ない物質。 置かれたものは、シーカーの足に重力が加わると、とても滑り易かった。
……ゴロン。というより、バタンっ!と、人間に倒されてしまった。
それから、追撃の斧がうつ伏せの背中に振り下ろされる。 シーカーは足から飛び起きて、逆立ちしてこれを回避した。 斧が地面に突き刺さる。 シーカーは続いて手を突いて持ち直そうとしたが、其処で捕まった。 「っ!」 足首に、鼻毛の鞭が括られ縛られた。 そのまま宙吊りになる。短剣は平原が手を蹴って飛ばした。
「さっきの仕返しじゃ」 「さあ、菊之丞の居場所を教えて貰おうか……」
嘘やだんまりが答えなら容赦なく処分するだろう目で言う。 けれど、シーカーは呆れるように呟いた。
「……遅いね。相変わらず」
「ほらほらどうした!?」
鬼と破壊の化身の戦いでは、相変わらずガイの方に分が偏っていた。 デストロイは剣を振り回し続ける。そうしてる傍らで自分に打撃が入っている。 霧がガイだからか、脇や脚、背中に一撃を叩き込まれた。 普通の人間なら一発で悶絶する程度の重さだ。デストロイには少しだが利いていた。
「ぜぇ……はぁ…………………ふっ」
デストロイは、荒げた息が落ち着いてくるのを感じた。 久しぶりに与えられた痛み。 一方的な攻撃。 おかげで、視界がハッキリとしてきた。霧でぼやけているけれど。 デストロイは口元を寄せた。そして剣を下げて、片腕を上げて火を点す。
「火を増やしたってムダムダァ!…ん!?」
ガイが霧のままで拡散しようとした瞬間だ。 ただの火ではなかった。否、ただの火付けではなかった。 火は、拡散しなかった。そのまま増え続けた。 デストロイの腕だけに点らず、足元から頭先、目の前まで点々と火は生まれていった。 火はやがて炎となって、霧を飲んでいく。
「テメェが拡散し続けるなら、俺は集め続ければいい。簡単なことだった。……ありがとよ。少し、頭が冷やせたぜ」 (簡単なことって!!;;)
デストロイは言うが、勿論簡単なことではない。とガイは思う。 解体作業と建築作業。種類によって違えど、まず前者の方が早い。 例え熟練の炎使いでも、自分の傍では火は猛らない。そう断言できる自信はあった。 なのに…………間に合わない! 石を取って捨てるより早く新しい石を拾っている。水を井戸に零すより早く同じ井戸水を汲んでいる。 それくらい理不尽な集束力が、デストロイにはあったようだ。
「配下にもダサイところ見られたくないしな」
ソフトンは新たな敵の反応に逸早く気付いた。 続いて緑竜、破天荒も。 デストロイに似た、炎の如く荒々しい気配だった。
「気をつけろ。複数だが、彷徨級ではない」 「雑魚じゃなかったらなんだよ」 「シーカー程度……少し梃子摺る硬い雑魚だな」
ワッと火の海から飛び込んで来た影。 太刀を真っ直ぐに降ろしてきた。 対抗したのは破天荒。鍵と交差させる。
ガキィン!
互いの向う位置が交換したところで、斬れたのは破天荒の鍵だった。 「……ゲ!?」 黒髪金目に赤が濃い目の橙色の軽装の少年が、ニヤリと笑う。
ソフトンの側には矛が襲い掛かった。 炎をかき上げて牛の如く突撃してくる。 「バビロン真拳奥義。<ジャマイカの情熱>!!」 ソフトンは冷静にコレを迎え撃った。 だが、矛使いは止まって、後ろに飛んだ。あの疾走から。 「む……」 できる相手だと、ソフトンは白髪金目に黄色い軽装の少年を見た。
緑竜にも、シーカーを捕らえた直後のボーボボ、平原にも奴らは襲いかかる。 突然現れた敵方の援軍に、ボーボボは鼻毛を緩めてシーカーを逃してしまう。 彼らはデストロイが創ったユニット。インセスセント・メテオが一個部隊級の数で押し攻めて来たのだ。
「……ガイの方も様子がおかしいぞ!?」
その頃に、デストロイが燃やされ薄くなり始めた霧の中から炎を纏って現れたところだ。
「ブレイク」
彼に名前を呼ばれた、黒髪金目の太刀使いがデストロイに答える。
「はい。デストロイ」 「きっとお前と相性がいいぞ。この気体になってる奴」
ニィ。と笑みを浮かべあう。
「把握しました。有難く、頂きます」
ブレイクは太刀をまた真っ直ぐに構えて。跳んだ。
刃が触れる寸前、ガイは直感する。 彼は自らの拡散を解いた。
三つ子だけれど今は二人の狩人。パチャオとチャアポは、土に転ばされていた。 圧倒的な強さ。プラスティカートの造ったゴーレムも彼の前ではただの木偶だった。 彼の赤い爪に引き裂かれ、土に還らされ、狩人達はついでの衝撃に吹っ飛ばされた。 時間にしたら僅か三秒くらいの出来事だった。
「……まだ、妨げるか?」
見下ろす彼を見て、悲鳴を飲み込んだ。 其処には、狩人達のかつての主がいた。 以前と違う、手加減をしない威勢。 おそらく、さっきのは最後の慈悲。 ここで刃向かったら、二度とないだろう。
パチャオは迷った。チャアポは既に恐慌し始めている。 撤退は卑劣だが、此処で消えたくない。カホプも傍に居ないこんな所で、ぬ訳にはいかない。 答えは出そうとした。
その前に、音もなく現れた灰色のローブの少女。 別の空間を通って来たらしい。
「リメンス…!」 「下がって……」
彼女は杖を原罪四部・混乱に向けて振り翳す。
コンフェは警告を発した。 「惑わされないで下さい!」 自分の目の前に立ちはだかった意外な伏兵。 彼女の能力に攻撃性はないが、注意すべきものであると、コンフェは理解していた。
次の瞬間、靄がかかった。 闇に着せられる薄いヴェール。少し冷たく、澄んだ匂い。 足に違和感。視線を下に向けると、それは流れていた。
「……水使い?」
ジェダが呟いた。 何処から溢れ出してきた水と、仄かな霧を見て。
「いいえ、これは幻術の筈です。今回はかなり現実の境目を無くそうとしてますが…………」 あくまで、リメンスの能力だ。コンフェは確信していた。 それとは別に、驚愕してもあった。
この水は、そして懐かしい気配は……。 いや、まさかそんな……。 彼が、此処に居るはずがない。まだ顕現もしてない彼が。
(実体じゃないな。リメンス……いや、バーバロウスがこの土地を選んだ意味はこれか)
コンフェは夢幻の傍に跳んだ。 例えまやかしでも、この一帯は早く脱出した方がいい。 彼を担いで皆に走駆を扇動し、一気に逃げる算段だ。
ところが、呆気に取られることが起こる。 夢幻が彼の名前を呟いたのだ。
「……ヴァニティ?」
名前は知りつつも、見た筈がないだろう、最後の原罪四部を。 霞が少し晴れた先に、水色に煌めく髪を靡かせる少年が立っていた。
あとがき インセスセント・メテオ到着。奴ら書くだけで行費やしたよ;; また微妙なところで切っちゃいました。

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