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[9604] Pathetic courtship 18
A・Y - 2008年03月18日 (火) 16時23分


コンフェ「うー……;;」
夢幻「どしたの、また無理してる?(続きを書く意味で)」
コンフェ「いえ、ヘッドホンを付け続けると体に悪いなぁと」
夢幻「……耳痛くならない?;;」

response to 宙さん
本当のことです。徹夜して振り絞ればなんとかなるかもしれません。
まあ冗談として置いといて。フラグは最初からあったんだと思えば納得行くかと>例のお嬢さん
はい。カタアリ編つうか風が荒れるのはこの暴走が原因ですね。
ですよねー^^>他の編見ても分からん。
こういうのを結果先取りというのでしょうなぁ。今はもう時間軸<フラグ成立な思考ですから。
矛盾を出さないことだけ気をつけますよっと。

コンフェ「激しい曲だと頭がガンガンしてくるし、落ち着いた曲でも心臓に悪くなってくる」
夢幻「耳は大丈夫なんだね。まあゲーセンで慣れてるからか」
コンフェ「それでも時間がある限りストックを作り続けないとね」
夢幻「程ほどにしてるけどね……じゃ、ENTER」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



一人の青年が夜の荒野を駆けていた。
黒い外套に包まれている。
その中には一振りの日本刀を携えていた。
彼は赤い唇をやや引き攣らせた。ちなみに息は全く乱れていないし、汗は一つも掻いてない。

「……少し遅かったですね。けど、まだ間に合います」
「いいえ。間に合いませんよ。極卒の御方」

極卒という青年が目を見開いた。姿こそ現してない相手を睨むように。そして走ることは止めない。

「――――これはまた奇遇で」
「はい。そのまま走り続けることは正解ですね」
「暇潰しに来たのなら、斬りますよ。急いでるので」
「おや、あなたにしてはらしくない。下拵え無しで戦場に赴く姿勢といい、何が気を短くさせるのです?」
「知らない振りは御自身の破滅を呼ぶだけですよ」
「……うん。本気で急いでいらっしゃる。あなたが傍観に着かない心は本物ですね」
「キミも戦力に連れて行きたいのが本音ですが、無理でしょうね」
「無理でしょう。ところで、闇の更に宵闇への道は私の方が得意ですが」

今度は眉を潜めた。こんな彼は珍しいものだ。
それを踏まえて戯言から本題への匙具合を調節するのだから、本当に小憎らしい男だ。

「……望む引き換えはありますか?」
「いえいえ、極卒さまに頂けるようなものなんて、こころある形で充分です」
「………………分かりました。一つあなたの気に入りそうな人形を見繕ってきましょう」

ニヤリ、と顔が半分だけハッキリした男が笑んだ。

夜の闇より昏い暗闇が、一瞬の内に一塊となって極卒の前に現れる。
闇の形は変わり、塊は道となって別の闇の空間、そして光の道標を作った。
「感謝します」
礼を残し、脚に拍車をかけて極卒は光の先へ行った。

見送ってから、姿を星明りに晒す。
黒いタキシードに白のワイシャツ。黒のシルクハットにマント。
最も印象に残るのはキッカリ割った半分だけ顔を晒す仮面。
その下も緑色の肌の端整な形と相まって、奇妙で妖しい。
ジズという名の、半仮面の怪人は、戦場に向い行く友人へ向けて片腕を胸に付いての礼儀を行った。

「行ってらっしゃいませ」

見方によっては不気味にも妖艶でもある笑みを浮かべたまま。








カジノはいつも通り五月蝿いくらい賑やかで、目に毒な程度に煌びやかだというのに。
今晩は全くといって本来の用途は使われなかった。
賭けているものがあるとすれば、彼らの命とソレらの存在意思だろう。

スロットマシーンは狂うように目を回して、コインを吐き出す。
ディーラーのないカードは勝手に踊り散らばる。
ミニチュア競馬場の馬達は爆走を何時までも続けていた。
ミラーボールすらいつもより早く激しく回転している気がする。
光の乱反射がこの室内の領域全てを虹色に照らしていた。

「ウジャウジャウジャウジャ沸いてきやがって!」
破天荒が怒鳴りながら、群がるカタアリを蹴散らす。

「彷徨(さまよい)級か?よくこんな場所に寄せ集められたものだ」
緑竜が淡々と分析しながら、近寄るカタアリを薙ぎ払った。

「戦局は変わらないだろう。量はともかく質に変化もなければ」
ソフトンが冷静を欠かさず、素早く各個を無に返した。

「てゆーか!ただの、足止めじゃないかこれは!?」
平原が無闇に喚き暴れて、大雑把に一掃する。

「……そうだろうな」
ボーボボはただ一言呟くように返して、カタアリを葬った。

敵はカタアリで違いないだろう。
それも魔力のない人間にも分かるくらい視えて。触れると壊れ、吹けば消える程度の幽かさ。
思考は無くただ生きている者を襲う。だから統率も無いし動向も単調だ。
しかし、本当に考えなしで我先に飛び掛るもの故に性質が悪い。自分が消える恐怖も無いのだから。
そして輪郭が殆ど人の子供の形をして、顔はないが、目の部分に何かを求愛している光の気配があるのが、
慣れないものには辛い。慣れているものにも歯痒いだろう。

激しい拒絶によって彷徨は消える。文字通り影も形も無くなる。
勢い余ってスロットマシーン等に衝突して消滅するのもあるが、硬質な金銭遊戯の道具は傷一つ付かない。
金も入れないでこの客達は何しに来たのやら、と呆れているかもしれない。



ただ、カジノの隅っこにて。
見物者が一つ、在った。
この影は、視えない輪郭が、大きな双眸をはっきりと開いて。見定める。



――――先にあの方の生餌を用意しましょう。そう、あの男にしましょう――――









今は黒い緑が散っては風が舞っていた。
吹き付けるのは鎌鼬。形有るものに触れて、切り裂いて、そして治さない。
鎌鼬の他には火の粉や雪が見えている。混じって水と化し幽かに草木を潤していた。
自然の形でないものもあった。その代表が矢だった。

今宵の天気は強風時々火柱たまに粉雪、矢雨。
雲が多く固まっている模様。いつ赤い雨が降り出すか――――。



黒い森の中で駆け回る複数の影。
一方が一方を追う様に見える。あちら側を錯乱させる為に動き回っているようにも受け取れる。

影の一方の形は分かり易い。
丸い塊だった。鉄球が先端の鎖と間違えても大差ない。
重すぎず軽すぎない唸りを上げながら、自分と違う影を追いかける。
しかし、今度も逃してしまう。当たった手応えはまだない。

「クソッ、すばしっこい奴らだ」

光闇が苛立ちを零す。舌打ちを抑えながら、攻撃の手を緩めない。
鉄球らしき影の正体は、彼女が使うバレーボールを能力の影使いで包んだ物だ。
影の源、灯りになったのは黒猫の火だ。

「んー……丸裸にしても、あんまり意味がないねぇ」
「いっそ思いっきり焼いて明るくしたら見えるんじゃない?」
「そこまでしなくてもいいような」
鎌や風や火を揮いあいながら意見を交わすジェダと黒猫に、なのこが混ざる。
控え目なことを言いつつも、こんなところで足止めを食らっている暇も無いのも確か。
だが、足止めというのは少し間違い。彼らは確実に前進しながら戦っていた。
草木を刈り取る形で。





あちら側はやはり不利だった。
迂闊に飛び込めない。隙も見せてない。その上に先手を取られてしまった。
牽制と反撃を入れながら後退するのが精一杯である。

(やっぱり先駆け兵を借りとくべきだったね)
(ロウスだからって渋るんじゃなかったか。まああの手練相手に、即席ヒトカタじゃ足止めにもならないけど)

心のみで伝え合う。彼らの間でしか出来ない芸当を駆使しながら、彼らは弦を引く手に間を空けない。
余裕があると言えば嘘になる。けれど窮地でもない。

(……プティが造ったものなら)
(まだ早い。筈だ。少なくとも機会が……)

慎重で臆病腰の欠片は切り札らしきものをと勧めるが、勇敢で猪突な部分はまだ強気風を見せるつもり。
こんな時こそ、彼らの中間であり最も冷静かつ客観的な欠片が必要だった。彼らも良く分かっている。
分かっているからこそ、二人だけでこの役割を果たそうと固く誓った。
此処に来れない彼の分を、二人で補い合って鮮やかに狩りを行い、彼の存在を示す。
でなければ。





「またおまえらか」

狙ったように良く知る声が、耳に届いた。
彼らのやり取りを中断させるのに充分な、冷たく、強い響きだった。

コンフェは静かに佇んでいた。
様々なものが吹き荒れる嵐の中で、全くものともしない。
弁一つ落とさず花のようで。

「もう一度、我が行く道を妨げるなら。……使わざるを得ないですね」

黒い布は肩に掛けたままだった。
その代わり、爪先が赤く染まり始めていた。




あとがき
ジズ:ポップン8・10・15に登場した。『ダークネス』シリーズ担当キャラ。人形遊びが好きな正体不明の怪人。
   半分仮面の下も本当に素顔かどうか分かりません。

各地の交戦模様ですね。膠着していれば前進しているのもあると。
乱入参戦側はまだまだあります。

[9606]
宙 - 2008年03月18日 (火) 22時55分

フラグがいっぱい・・・なことで?
うん、矛盾だけはね、それだけは気を付けてくださいね。

ジズさんやっぱり出た・・・!
よかったぁ。極卒くん再登場して(そっち!?)
本来の目的の方を、急いだ方が、よいのでは。
まぁなのこちゃんはまだ大丈夫そうなのですが。
・・・・・・今のところ。
ところでターゲットにされてるの誰?v

ボーボボ達は完全膠着状態。
黒猫たちの方は前進中。
後者は進むべきですから・・・まぁ、よいかと。
狩人達(-1)だったんですね。
んん?コンフェ君?赤い爪を使う気なのかな?
ではー。



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