| [9550] Pathetic courtship 13 |
- A・Y - 2007年12月08日 (土) 15時34分
コンフェ「うち……この風神録動画見終わったら缶詰するんだ。…て作者が言ってた」 夢幻「引き篭もるだけなら誰だって出来るよね」 コンフェ「やる気が出た証拠ですよ。それに家PCネット繋がらなくなっちゃったもの」 夢幻「そのやる気をもっと現実に向けられないの?」
response to 宙さん 祐刃くん→暇だから。紫さん千凪さん→帰ってもどうせ怒られ謹慎させられるからこの際しばらくばっくれよう。なつもりで。 クリスタルの洞窟に似ているかも、岩肌にエメラルドとかサファイアが生えているイメージ。 千凪さんの位置は三箇所くらい候補アリ。どれもちょとアレだから、連絡付けたいなぁ。 精霊石に関してこれ以上はノーコメント。まだ伏せてる部分なので。
最初ラピス・ラズリを名前にする予定だったけど、ラピスは緑じゃないんで翡翠にしました。 祐刃くんはこの人に敵わないって設定です。クライブさん辺りとは対等ですが。
コンフェ「ああ、でも今日はデススマイルやっておきたいなぁ……て作者が呟いてた」 夢幻「本当に斜めで後ろに行くやる気はあるんだよね」 コンフェ「人生に迷走は付き物ですから……ではENTER」
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静かに迫るのは、 混沌を隠す闇。 人を永久の眠りに付かすのは、 向こう側に在るモノ。
黄昏が既に去っていて。 夕日はとうに消えて、天の星を淀ます地上の星が瞬いている。 空が茜から藍に変わった頃に。
一人の黄土色の影が、何も無い尖塔から見下ろすのは、 赤い小さな鳥が虚空から眺めているのは、 多くの影を引き連れた金色の馬が見据えるのは、 人々に娯楽を与える土地。庭園。施設。
……ケタケタケタ。
「もう閉園してるよね……」
レムが何気なく呟いた。 一行が着いた時、0時に経つまで差ほど無かった。 人気のない、暗闇に包まれたリゾートランド。その出入り口。
「開いているみたいだけど、ね」
反論するように返したのはジェダだった。 確かによく見やると、門は閉ざされていないし、閉園の知らせ札もない。 つまりガラ空き状態だった。こっそり行けば入園料も免除出来そうだ。 こんな時間に遊びに来る人はそうそう居なさそうだが。今、ここに来ている彼らを除いて。
「……じゃあ、最初の予定を守って貰うから」 ジェダの一言に頷くレムとティネート。 「何か起こったら必ず行くから」 「ああ、分かった」 ビュティのボーボボ
四人は入り口で待つことにした。 正確にはゲートの係員が使う作業室だったが。そうでないとビュティも田楽マンも折れてくれなかったろう。 これでギリギリ妥協してくれたのだから。 一番逃げられる可能性があり、安全な処と考えられる。 だから、此処に彼らを置いて行く。
「ビュティちゃん。電車の中で話したけど、もう一度説明しておくね。私が最近覚えた新しい能力のこと」
レムは眠っている時に所謂幽体離脱の状態になることを、彼らに話した。 『飛翔』と云う。魔法使いしか使えない筈の術。 帝国を離れてしばらくしてから突然目覚めたイレギュラー的力だと、 驚いた久耶子や興味深そうに尋ねた緑竜には適当に説明して置いた。
相手もまた幽霊に等しい存在だが、『飛翔』の術を持っている者はかなり役立つ。 何かあった時に一番早く連絡を回すことが出来る方法だからだ。 但し、『飛翔』を使っている間のレムは完全に無防備だ。 だから見張りもとい番人が必要なのである。
「それで、ティネートちゃんだけじゃなくて、私達も要るってこと?」 「一人じゃ心許無いの。ティネートは周りを見ているから、ビュティ達はママを見ていて」 「了解したのら〜」
そうしてから彼らは中に進行する。 まだ来ていない援軍は待たなかった。 慎重さを主張するものも居たが、各々の事情ゆえに時間が無い。
精神体のレムが様子見として先行する。 とりあえず、入り口付近は安全だと分かった。 しかし、それ以上は進めなかった。 進めない?いや、直感的に、進むな。と頭が静止信号を激しく点滅させたのだ。 宵闇よりも深く濃い闇から、幾つもの特殊で、異常な存在を感じ取っていた。
(カタアリの気配……?だよね)
分別に関しては、確証はない。 でも、確実に、何かが、在る。 それがこの遊園地の何処もかしこにも、潜んでいるのだ。 生物に例えたら息を潜めているとでも云うのか。 幽霊が確実に居るところは、こんなに空気が冷たくて、湿っぽいのだろう。 それでも勇気のある人だったら、突っ込むんだろうか。 少なくとも、レムは傍に寄りたくなかった。普通にオバケは怖いから。 肉体があれば、肌が粟立っていただろう。 とてもとても、寒い。 これ以上進む気が起きない。前進したら魂が、洒落でもなく凍りついてしまいそうだ。
(……駄目だ。これが『飛翔』対策……?)
レムは彼らに気をつけるよう促しておいた。 今の彼女が見える人は限られているが、警告は受け取れる。
次にレムは眼を凝らしてみた。 空色の目に、水が足したように揺らめき、ほんの少し濃くなる。 主に人の想った過去や真意を覗く為の眼。 その他でも危険なもの、必要なものを見せてくれる。 なんらかの罠を見破るぐらいは出来る筈だ。
まず見えたものは、管だった。
(管…?………いや、道……?…………穴!?)
闇の奥には、幾筋もの空洞があった。 そこにさっきから感じていた悪寒の源が、待ち構えていた。
(待って!それ以上進んだら……!!)
――――タン。
些細な音を直前に。 光が生まれた。 赤から橙、橙から黄の、暖かい色の光が、一斉に、無数に。
……ケタケタケタケタケタケタケタケタケタ。
笑っているのは、 音を囀る模型たち。 遊園地のパレードに使うらしい、機械仕掛けの人形・ぬいぐるみ。 幾重もの山車や馬車に乗って、光の向こうから現われた。 次々に我先にと降りては走る。 夜の遊園地に来た者を歓迎するために。
ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ!
手には包丁、鉈、金槌などなど持って。 変わらぬ笑顔が遊び相手を見つけて体ごと揺れている。 本当に笑っているように、嬉しそうに。
慣れないもの、主に子供達は一瞬恐怖に身をすくみ、ナマモノ達は正直に悲鳴を上げた。 「ぎゃあああ!思ってたよりこえぇえええぇ―――!!!」 特に首領パッチが目玉を飛び出さんばかりの悲鳴を上げた。 「バカモン!あんなの、ピーマン妖怪より怖くないわー!」 「そうだ。『ね』よりは……まだマシじゃー!」 ボーボボが渇を飛ばし、天の助が気合を入れ直した。
「じゃあ早速行け!」 ゲシッ!とボーボボが人形の大群に天の助を蹴っ飛ばす。 「ギャース!」 慌ててへっぽこ丸が追いかけた。
「ふふっ、こうでなくっちゃ!」 舌なめずりをしてから、黒猫は武器を取り出す。 大鎌と、銃。そして炎を。
「単身突っ込むの?悲しいねぇ」 淡白な口調でジェダは言った。大鎌と炎を揮う少女を眺める双眸に、特に色はない。 自分も似たようなことをした。巨大なカマイタチが、近寄る人形を薙ぎ払う。 「ま、余裕そうだからいいけど」
「百花繚乱真拳奥義・薔薇食蛇!」 種を撒き、急成長させた薔薇の花が数十体の人形を溶かし、棘付きの触手が切り裂き砕く。 と、その中から巨大な槍が人食い薔薇を貫いた。 等身大の騎士人形だ。馬にも乗っている。 「……っ!」
悪鬼のような騎士に、実戦に不慣れな藤宮人は怯んでしまった。 その隙を逃さず、騎士は突進してくる。槍が串刺しにしようと迫る。 しかし、次の瞬間無残な抜け殻になったのは騎士人形だった。 斜め後方から来た三節棍に甲冑を叩き砕かれ、馬ごと壊される。
「藤宮人様!」 「すみません、有難う、浜木綿」 「無理しないで下さい!」
光闇が投げつけたボールが、大型人形の一体の頭に見事に的中し、粉砕する。 今は夜だ。敵の方から光を作ってくれたおかげで、影は出来るが。 せっかくだからと自己流球技をお見舞いしてやってる。 バレーボールは光闇のもう一つの武器なのだ。
なのこはダンスでも踊るように、軽やかなステップを取りながら敵の攻撃を避け、 お返しに掌から何らかの光を放出し、人形を打ち滅ぼす。 冷気を感じたから、氷の力だと思われる。
「なのこ!」 「平気」 「そうか」
斜め向きの背中同士に近い隣り合わせで、声をかけあう。
「とりあえず、離れるなよ!」 「うん、個人的にコンフェ達からも眼を離さないで」 「同意だな!」
光を与えられて好都合だったのは、もう一人居た。 もっとも、こちらは影以外の武器らしい武器はないのだが。だから欠かせないとも云う。 緑竜の手を振るような仕種の後、彼の影が膨らむ。 大きさは本体より頭一つ分低く、太さは本体の三倍以上。 そのまま丸みを帯びて螺旋を形作る。 先端をささやかな程度に細くしながら、影は人形の群れに突撃した。
「今日の気分はドリルなんじゃな、兄者」 「ああ、象にするか迷った」
それより手を抜くなと弟の顔を見ずに注意する。 平原は勿論と答えて斧を揮い回した。
(ち、近寄れない……)
レムは上空に漂っている。敵は彼女に気付いている筈だが、どうやら無視しているらしい。 状況は完全に混戦としていた。 元より非戦闘な状態。うかつに近付いて彼らの足手纏いになるよりは、周りをよく視た方が大切だ。
(何か変だ……)
さっきから違和感だけがひしひしと伝わる。 だが、気付いた時には遅かった。 それは、レムだけが見えていたトンネル。 現実には無い。偽りの、造られた、ずらされた空間。囲われた道。
(みんなが離れ離れに、分断させられている!!)
相手は数だけで押す、前置用の雑魚……かと思っていた。 しかし、実は自分達が出てきたトンネルに誘導する為の役割を担っていたのだ。 そう、彼らは幾つかの集団に分けられて、各々の方向に追いやられていた。 当人達も気付いているだろうか。 レムは声を上げたが、此処に集まる他の力に阻まれて、誰の耳にも届くことはなかった。
あとがき 夜の遊園地って怖いよね。人の匂いがしないパレードはかなり怖いと思う。 自分らが決めた分担より、敵の思惑で分断の方が面白いかなぁ。 戦闘で目立たせた基準はこの時点でまだ戦ってない人。まだ見せてない戦法です。 ……てあるぇー?( ・3・)おでん組居ないよー?

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