【広告】楽天市場から大感謝祭を開催中26日1時59分まで

小説掲示板だわぁ〜♪♪

何か記念に書いてください!

ホームページへ戻る

名前
メールアドレス
タイトル
本文
URL
削除キー 項目の保存


こちらの関連記事へ返信する場合は上のフォームに書いてください。

[9496] 植付け
宙 - 2007年09月22日 (土) 00時03分



平行や捩れでない限り、直線はいつかどこかで交わる。
けれでもこれは曲線かもしれない。
一度交差して離れて再び交差したのだから。







ある一定期間の過去をなくした言霊使いがいた。
記憶喪失といえる状態。生活に支障は皆無である。
『気付いたら存在していた』という感覚か、それとも思い出と呼ばれる類だけが消えたのか。
何れにせよ本人は気にしてはいなかった。
捕えどころのない内面はいつからだったのだろうか。




ある白い鏡使いがいた。
内面はともかくとして外見は白かった。色素が薄かった。
飄々としていた。食えない笑みをいつも浮かべていた。何に対して笑っているのか。
家系として本来の目的を背負った者達の盾となり矛となるためだけにいる存在でもあった。
『少数』を守るためだけの『多数』に過ぎなかったのだ。





ある2種類の相反する過去を持つ天才がいた。
本来なら起こり得る筈のない出来事。それを可能にしたのはある呪術。
同時刻の別の記憶を持ちながらも難なく適合したのは元は1つだったからか。
知識としてのものと経験としてのもの。
真逆が融合して文字通りの第二の人生を歩む。







ある黒い遅れて『生まれた』双子の片割れがいた。
元は普通に同時に発露したであろうそれはしかし人為的なものにより2年遅くなった。
かといってそれで支障が出たわけではなかった。何も問題はなかった。
解放されたと思えば再び鎖に繋がれた。
まるでそれが道を交差させる原因になったかのように。







ある青い工学者がいた。
誰とも群れ合わない同調しない科学者の道が何故か交差した。
それも決して利害関係からではない交差だった。
それは必然だったのか偶然だったのか或いは運命だったのか。
その問いかけは無意味であり、事実だけあればよいのだが。












これはそこに銀色の殺人鬼が合流する前の話










* * * * * * * * * *











5人が集まってまだ間もない頃。
建物自体は昴とミラの知識を総動員して出来上がっていた。
材料や建築などは・・・まぁ。
費用に関しては何の心配も要らなかった。少し技術を他に提供してやればよかったのだから。
なんにせよ住居を獲得した彼等は謳歌していた。
といっても大体は個人でいた時と変わらなかったりする。






そのユニバーサル迷彩で覆われている空中要塞内の廊下。
1人の黒い少年が歩いていた。自室に戻るつもりだろう。
黒い、とは外見。本当に真っ黒だった。
肌以外黒くない所なんてあるんだろうかというほど。
かなり徹底しているが別段特別な事情はない。
ただ黒が最上級に好きなだけである。群を抜いて。



ふと、前方から誰かの気配。
ミラと姉――昴はおそらく、いや十中八九『仕事』中だろう。前者は趣味っぽいが。
あれだけVDT作業やってて目は疲れないのかと彼は思う。
全然そんな素振りを見せないから大丈夫なんだろうが。いやでもおかしい。
夢幻はいつもの通り散歩である。何を求めているのか。何も求めてないのか。
読めない奴だから詮索する気も起きないが。



なら、あとは1人しかいない。
尤も最初から意識の外に飛ばしていたのだが。







「――――よぉ」
「・・・・・・宙かよ」
言霊使いの、自分を縛りつけた張本人。
名を言うのすら嫌悪がする、といわんばかりの表情。
それを見て宙は笑うだけだった。何も気にしてないように。

「相変わらず不機嫌そうな面してるな。いい加減諦めたら?」
「誰のせいだと思ってんだよ?」
「誰だろうね?」
分かりきってるくせにわざと言うのだ、この言霊使いは。
それかいとも簡単に自分だと答えるのだ。
どちらにせよ少年をおちょくってるのにかわりはないのだが。
気付きながらも矢張り感情は一気に高ぶる。弄ばれていると知ってはいるのに。



「てめぇなぁ・・・・・・!!」
「おっと、おイタは禁止〜♪」
「・・・・・・!?」
サッと宙は何かを奪った。かなりの早業。
スッたのは少年が持っていた小刀――禍神尊。
抜刀する前に奪った。気付いた時には隠されていた。
少年はギリ、と歯噛みする。
「返せよ!」
「時が来たら、ね。それまで預かっておく」
「何だって・・・・・・?」
「別の小刀用意してやっから。それで我慢しな」
どうやら全面的に戦力を奪う気はないようだ。
しかしそんなもので溜飲を下げる彼ではない。
キ、と殺気を剥き出しにする。戦闘態勢に入る。
常人ならば間違いなくこれだけで殺されるのではないか。
場慣れした者でも怯むだろう、その強さ。
ただ宙はどちらでもなかった。
目を細めて殺気を受け止め、低い声で耳元に囁いた。





「――――止まれ、彼方」
「―――っ!!」






ビクリと彼方は体を縮込ませる。
先程までの殺気が嘘のように。まるで小動物が怯えるように。
対して宙は微笑を浮かべていた。
囁いた時からか、それとも怯えを見せた時だろうか。
宙はそのまま彼方に迫る。気付くと壁が彼の背に迫っていた。
トン、と当たった音がする。無意識のうちに体がズリ落ちる。
身長は彼方の方が明らかに上だが、それが今逆転している。
片手を顔の脇に置かれた。逃げ場を断つかのように。



「苛立つなよ。余りにおイタが過ぎるようだと我慢も限界になるぞ?」
「あ・・・・・・」
「少々躾が行き届いてないようだね・・・・・・別に構わないさ。やりがいがあるから」
「あ・・・あ・・・・・・」
目を見開いたまま凝視する羽目になる。
言葉が出てこない。
搾り出そうと思っても出ない。
剣幕に押されてるかのように。実際そうだが。
近づきながら笑みを濃くする宙に彼方は畏れを抱かずにいられなかった。
小刻みに震える。止める事は出来ない。
それを知ってか知らずか、もう一方の手が彼の肩に触れる。
ビクリと大きく動いた彼に気は止めず、スゥと撫でるように首元、顎、頬へと手は移動する。
ゆっくりと、反応を楽しむかのように。

「何を・・・・・・!?」
一瞬だけ宙の眼の奥が紫に光った気がした。
その時何かの模様が見えた。
刹那の事で判断はしかねたが。
色と模様を見た瞬間、更に恐怖は増した。




動かない。




心音が聞える。警鐘でも鳴らしているのか?
それとも何も考えられなくなっているだけか。
蛇に甚振られている獲物のようだ。そう、目が蛇に似ている。
近づいてくる蛇に抵抗する事も出来ずに受け入れるしかない。
逃げる事すら出来ない。それはさせないようにしてあるが。
更に近づく。何処まで近づく?
















妙に生温かい感触。
それと息苦しさ。
何が起こっているのか全然わからなかった。
「う・・・・・・」


かなり本気で息苦しい。窒息するかも。
そう思ってると唇にペロリと舐められたような感覚。
・・・・・・待てよ?

次第に判断力を取り戻してくる頃には宙は離れていた。
その目はいたずらが成功したかのような目で。
舌をチロっと出していた。やっぱり蛇に似てる。

「戻るんなら戻ったら?」
くっくっと笑う宙。それに押されるように彼方は自室に駆け込んだ。
おかしそうに笑いながら宙はしばらく其処にいた。
それは普段白い男に言ってるような『食えない笑み』にどこか似ていた。















「え・・・ま・・・待てよ・・・・・・?」
ドアを閉めて先程の事を反芻する。
宙の顔が近づいて、それからしばらくの間、自分は何をされていた?
あの感覚を思い出す。そして去り際に舐められた事。
はっきり言えば答えは出ている。出ているのだが、如何せん認めたくない。
それでも顔が段々火照って赤くなって行くのは事実であって。
「ふ・・・ふざけんなよ・・・・・・」
そう言って彼方は力なくしゃがみこんだ。



















************************************************************
楽しかったv(清々しい表情で)
「どこか似ていた」どころでなく「酷似していた」な気もしますけどー。
この2人は明らかに差があります。『名縛り』なくてもあるんじゃないかというくらいの何かが(何それ)

*A・Yさん
あの時も一旦別れてるんです。再会しなきゃと。
あれ、気付きませんでした?w>能力同じ 作中で一応は示唆してますが。
そう、自己満足です。ある意味タチ悪いですね。理由なんてない。
後付すら作りませんからねこの夫婦ー。


これから先どうしようかなぁ。というか何書こうかな。
朧気なネタはあるけどそれだけだったりするので。

[9498]
A・Y - 2007年09月24日 (月) 18時46分

あら、久しぶりに初期の方々が中心ですね。
自分もマイキャラだけのこと掘り下げたいけど……なんか苦手みたいw

……あらあらw
どうやら彼方さんと宙さんの話みたいですね。
宙さんが掛け算の左側に着くようなw?
とりあえずニヤニヤさせて貰いました。ごちそうさまです。(手を合わせる)

現在こちらは執筆加速中。レス貰えばすぐに送れるだろうという具合。
三ヶ月の遅れを取り戻せってかー!



Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】楽天市場から大感謝祭を開催中26日1時59分まで
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板