【広告】楽天市場から大感謝祭を開催中26日1時59分まで

小説掲示板だわぁ〜♪♪

何か記念に書いてください!

ホームページへ戻る

名前
メールアドレス
タイトル
本文
URL
削除キー 項目の保存


こちらの関連記事へ返信する場合は上のフォームに書いてください。

[9333] Ultimate Recycling Chapter4 No.36
シベリア - 2007年04月28日 (土) 11時41分

薄暗い部屋で、男が一人、椅子に座っていた。
 外はすっかり夜で、陽光もないのに、部屋の電灯はテーブルの上の小さな電気スタンドのみ。
一人でいるには足りすぎている大きなこの部屋を明るく照らすには、完全に力不足だ。
だが、男の方はそんな事を気にしている暇はないようだ。
険しい表情で、一人、何かを思案している。
「(連絡がない・・・ギルもやられたか・・・・)」
 大きなため息をつくと同時に、部屋のドアが開いた。
背の高い女性が入ってきた。手にはコーヒーと茶菓子の乗った銀製のトレイ。
薄暗い部屋を見回し、彼女もため息をついた。
「こんなに部屋を暗くして・・・・何をしてるの?ジョエル」
「・・・・フィウスか」
ジョエルは振り向かなかった。
 フィウスが部屋の電気をつけた。
闇に慣れすぎていたため、ジョエルは思わず目を細めた。
 フィウスはジョエルの前に座り、コーヒーを淹れた。
「はい、コーヒー」
「・・・」
コーヒーをジョエルの前に差し出す。
疲労には甘いものがいいと言う話をよく聞くから、砂糖をいつもより多めに入れてある。

フィウスも自分のコーヒーを淹れながらジョエルに話しかける。
「そんな表情、らしくないわね。自信、なくなっちゃった?」
「・・・・これからどうすればいいのか、よく分からなくなっただけ」
「ますますらしくないわ」
「らしくないって言うか、今までこんな状況に立たされた事がなかったから・・・」
ジョエルがコーヒーを一口啜り、続けた。
「少し、困ってるだけだよ」
フィウスはうんうんと頷いた。
 今まで、こんな表情の――こんな自信の無さそうなジョエルは見たことがなかった。
下手に励まして失敗するより、今は彼の心中を聞いてあげるほうがいいかもしれない。
それとも、誰かの励ましのことばを求めているのだろうか――
ニンゲンとは難しい。
「大丈夫よ。まだ四人、あなたの仲間はいるもの。きっと計画は成功するわ」
「成功、失敗の問題じゃないんだよ」
「え?」
予想だにしていなかった言葉。
ジョエルは報復計画の成功が危うい事を心配しているのではないらしい。
「じゃあ、何が心配なのよ」
「皆だよ」
「・・・皆って?もしかして私たちのこと・・・?」
ジョエルは黙って頷いた。
フィウスは言葉が出ず、俯いてしまった。
 しばらくしてフィウスが席を立った。
「どこ行くんだい?」
「皆を呼んでくるわ。どうせ、これからの方針を伝える時に招集するでしょう?」
「・・・そうだね。頼むよ」
静かにドアを開き、フィウスは部屋を後にした。
彼女が帰ってくる間も、ジョエルは様々な案を浮かばせては、消していた。


数分後、フィウスが帰ってきた。
「呼んできたわよ」
「ありがとう」
フィウスの後に続いて、三人の人間が入ってきた。
二人は男で、一人は女。
 女が部屋を見回した。
「広い部屋!ジョエル、こんな広い部屋に一人で住んでんだ!羨ましい!」
「はは・・・別にここで生活してる訳じゃないからさ」
ジョエルは軽く女を宥めた。
見たこともないほど広い部屋に興奮しているのか、女はなかなか静かにならない。
すると、一人の男が呟いた。
「静かにしろ、カリ。うるさいぞ」
「だぁって、こんな部屋初めてなんだもん」
「招集されたからには、それなりの事が起こってしまったんだろう。ジョエルはそれどころじゃない」
「・・・・むぅ。ごめんね、ジョエル」
カリと呼ばれる女性は勢いよく頭を下げた。
長い黒髪が乱れる。
ジョエルは会釈し、事を済ませた。
 フィウスがジョエルの横に立ち、部屋がシーンとした。
沈黙を破ったのは、カリに注意を促した男とは違う男。
「どしたのさ、ジョエル。急に招集なんてさ」
「ああ、ちょっとね・・・・今の戦況を報告しようと思って」
ジョエルは少し発言を躊躇ったが、意を決して小さな声で言った。
「ギルがやられた」
フィウスはこの事を予想していたのか、俯いて何も言わない。
「まさかとは思ったが・・・本当にやられたか・・・」
「うっそ〜・・・あのギルが?嗚呼、天国のギル様、どうか安からにお眠り下さいませ・・・・」
「・・・カリがそういう事言っても、ふざけている様にしか感じれないね」
「何よ、リゼット!」
「うそうそ。・・・・ロイはどうしたんです」
「ロイは考えを変えた。もうこっち側に帰ってくることはない」
この報告に、カリは手足をバタつかせて喚いた。
「何よロイったら!ちょっとかっこいいから怪しむってレベルに留めておいてあげてたのに、
 本当に私たちを裏切るなんてっ!許せない!でもちょっとかっこいいから殺すのはちょっと嫌だけど・・・」
「・・・・ねえ、ヤッセン。君からも何か言ってくれない?」
「ああ。うるさいぞ、カリ」
「ヤッセンもリゼットもフィウスもジョエルも!もっと怒るべきよ!」
「まあ、まあ・・・落ち着いて、カリ。思想はそれぞれなんだし」
ジョエルに宥められて、カリはため息をついた。
「んで・・・・そんだけって事はないでしょ?」
「ああ。君らがこれからどう動くべきかをずっと考えていた」
「どうすればいいんだ?」
リゼットが尋ねる。
ジョエルは一呼吸置き、こう告げる。
「きっと近い内に、ジェーン・バレッツ達はロイの情報を元にここへ来る。
 その時は皆、この部屋で待機していて欲しい」
「はぁ?」
ヤッセンが拍子抜けした声を出した。
カリが手を振りながら慌てて問いただす。
「それってそれって、私ら戦わずにここに残れってこと?」
「そういうことになる」
「じゃあ、誰が戦うんだい?」とリゼット。
ジョエルは自分の胸をトンと叩いた。
「僕が戦う。敵は全員、僕が相手する。そして、僕がもし負けたら・・・」
「私たちの出番・・・・と言う訳ね」
さっきまで黙っていたフィウスが口を開いた。

長い間、沈黙が続いた。
自分の指示を、四人はどう感じているのか――ジョエルは気になったが、止むを得ない。
しかし、リゼットが首を横に振った。
「残念だけど、反対だ」
「・・リゼット・・・?」
「俺も賛成はできん」
「ヤッセン・・・」
「あ、私も私もっ!」
カリは素早く手を挙げた。
「僕たちがここにいる理由は、君の報復計画の支援をすること。
 ここぞと言う時に『待機』なんて命令を出されても、はっきり言って聞こうとは思わない」
「全部リゼットが言ってくれた。俺もリゼットに同意だ」
「んと、私はねぇ・・・ほとんどリゼットと一緒かな。ここで逃げてちゃ、それこそ私の意味がなくなるわ」
「しかし・・・」
ジョエルはなんとしてでも、この残り少ない仲間を救いたかった。
これ以上の犠牲は御免だった。
「大体、お前が死んだら俺らはどうすりゃいいんだ?」
「そうだよ。君が創始者だ。君がいなかったから、僕らは迷うしかなくなる」
「僕がいなくても、きっと皆はどうにかなる。だから・・・」
 『ここで待っていてくれ』と言いかけて、フィウスが肩に手を置いた。
「ずっと彼方に付いてきたけど、今回だけは彼方に賛成できないわ。
 彼方は最後の砦で、計画の創始者。そして、この計画の賛同者側の頂点―――
 何事にも、グループにはリーダーが必要で、リーダーがいないと、皆思うように動けなくなるの」
「・・・・・フィウス・・・・」
「ここまで生き延びたんだから、こんな時くらい、出番を回してくれてもいいのではなくて?」
フィウスの一言に、カリが拍手を贈る。
「偉い!感動した!まさにフィウスの言う通り!やっぱりラスボスはジョエルがぴったりよ!」
ジョエルは俯いてしまった。
指示に背かれたからではない。仲間がいなくなってしまうと考えると、哀しまずにはいられなかったのだ。
―――違う。ここで考えるのはそんなことじゃない。彼はそう思った。
信じるのだ。仲間を信じるのだ。
「・・・・・・分かった。敵がここへ来たら、カリ、リゼット、ヤッセンは全力で迎撃に向かって欲しい。
 フィウスはここに残っておいてくれ」
「ok。ありがとう、ジョエル」
「了解」
「オッケー!了解しました!」
「分かったわ」
四人が同時に声をあげた。
ジョエルは一度、姿勢を直した。
「じゃあ、最期に皆にお願いがある」
四人もその場で姿勢をよくした。
「リゼット・ウレイドル・・・」
「ん・・・」
「ヤッセン・デリオス・・・」
「ああ」
「カリ・デルフブロウ・・・」
「はいはい!」
「フィウス・メル・デルフィア・・・」
「はい」
ジョエルは言葉を考えた。
が、伝えたいことは簡単だった。
単刀直入にこう言った。
「死なないで欲しい」







「今日は疲れたと言うか、何て言うか・・・・・神経が参っちゃうわ」
「ですから、宿を探しましょう」
「昨日の宿でいいじゃない。激安の」
「絶対に嫌です」
マルコとフローラが声を合わせた。
ジェーンは大きくため息をつく。
「だって、どこもかしこも予約でいっぱいだったりやたら高かったり・・・」
「きっとどこかに自分たちにぴったりの宿がありますよ。広いですし」
「だといいけど・・・」
だらだらと歩いてたジェーンは前をよく見ておらず、人とぶつかってしまった。
ぶつかった人の持っていた鞄が落ちてしまった。
慌ててジェーンが鞄を拾った。
「すいません、よそ見してて・・・」
「いや、いいっすよ。こっちこそすいませ・・・ん?」
鞄の持ち主が、急に言葉を失った。
ジェーンが持ち主の顔を見る。
二人の表情が一気に変わった。
「バレッツ!!?」
「ロイ!!」
人ごみも気にせず、同時に叫んだ。


 _next_
++++++++++
最終戦への伏線と言うか、煽りの様なものを・・・
 妙にカリがうるさいキャラクターになってしまいました。
こういうのがメインにいないのは何でだろう。
カリは決してロリではありませんが、少し幼い感じの人です。
ちなみに「カリ・デルフブロウ」と言う名前にはちょっとした秘密があります。
発見しても特に何も出ませんけどね。

>>宙さん
気体再生術って、すごく考えるのが難しいんです。
気体を再生して、何を作ればいいのかがさっぱり浮ばなくて。
固体で出てきたもの(剣とか槍とか)を気体で作ったら、どうなってしまうんでしょう。
目に見えないから驚異的!でもいいんですけど、トンデモ加減が凄まじいです。
カマイタチみたいなものを想像すればいいんですかねぇ。
 仲間のトンデモ加減からですかね。
今回初登場の三人さんは別にトンデモじゃないんですけど・・・
とにかくフィウスのトンデモ加減は期待していてokだとおもいます。
 最近は骨を考える時間がなくなってきてしまいました。orz
もしかしたらChapter5辺りは全部アドリブになってしまうかもしれない・・・ないか。
アドリブは書きやすいんですけど、後で見直してみると矛盾があったりしそうで怖いです。

[9339]
A・Y - 2007年05月06日 (日) 18時31分

かなり久しぶりのような、今日和。
前回のもちゃんと見ましたよー。

鉄も液体になれればフローラちゃんが使えるって点とじゃあ液体通り越して気体にしてやる辺りは巧い考えです。特に前者。
でも勝てたのはやっぱり3対1だったからでしょうね。
ジョエルさんは3人で戦えると……これは普通の意味で行ってるのかな、それとも私の予想が当たるのかな^^;
ちなみに普通の意味ってフィウスさんとかカリさんが抑えるって意味です。

なんだかんだで仲間想いだったジョエルさん。
そして彼に慕う再生術師達。仇サイドだけど団結強いね。
ラスボス……どうしよorz

最近の私はトンデモない後付けな設定とその矛盾を無くす為の調整に唸りまくりな日々でございます。
さんざん悩んだ上に、今書いているのにほとんど影響与えないだろうから、なんとか続きは書けてますが。
他にも書きたいけど書かない方がいいネタが沸いたりしてもうなんかねぇ。
つくづく自分の首を締めるのが好きなようです。きっとマゾなんでしょう。

[9343]
宙 - 2007年05月06日 (日) 21時16分

ジョエルさん側が一気に登場しましたね。
仲間想いだったんですね・・・!
カリさんは賑やか。ああ、確かにいなかったかも。

固い結束だなぁ。
そして強い信頼。というか、仲間意識・・・。
僕もリゼットさん達と同じ意見を取ると思う。
ジョエルさんあっての彼らだし、本当に代わりはいないんでしょうし。
少なくとも彼らにとってはジョエルさんがリーダーでしょう。
「死なないで欲しい」って単純だけどすごい難しいですね・・・。
で、ジェーンさん達はロイさんと再会ですか。

カリさんの名前・・・・・・ああ、なるほど。
気体再生?僕は結構単純に考えましたが。
武器とかそういうのに囚われずにー・・・ああ、先を越すべきか(お前?)
僕は最近骨すら考え付きません。
心が制作の方面にありませぬ・・・アハハ;
ではでは。



Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】楽天市場から大感謝祭を開催中26日1時59分まで
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板