【広告】楽天市場から大感謝祭を開催中エントリーお忘れ無く

小説掲示板だわぁ〜♪♪

何か記念に書いてください!

ホームページへ戻る

名前
メールアドレス
タイトル
本文
URL
削除キー 項目の保存


こちらの関連記事へ返信する場合は上のフォームに書いてください。

[9323] 鎖されたセカイの中で
宙 - 2007年04月15日 (日) 22時04分




意図的に張り巡らされた自然の迷路
それは歩みだけでなく、内面も迷わせる
決して只人が近づけないようにされた空間
“完結された世界”―――結界
その役割を意図的に、自動的にこの場所は果たしていた


長い長い石段を登りながら未だ変わらない景色を宙は見ていた
疲れは感じないが、違和感はある
差し込まれる木漏れ日
何かの規則に沿うかのように生える木々
耳を澄ますと聞こえる川のせせらぎ
滾々と湧き出る泉も見た気がした
好きな場所だ。しかし、ほんの少し感じるこの違和感は拭えない
一言で表すなら――――出来すぎている


けれど生憎と、この現状を打破する策は思いつかない
ただ当初の目的を念頭に置いたままだ
周りに紛らわされる事はなく、かつ背景と同化する
それが一番の近道だとなんとなく思っていた








しばらくすると鳥居が見えた
(これから先が長いだろうな・・・・・・まぁ、いい)
案の定、見えるよりは長かった
予想通りなので別に何も感じなかった
見えたと思ってもまだ遠い――――そんな事は多々あるのだから








いつの間にか鳥居の傍に来ていた
背筋はそのままで、鳥居をくぐる
「・・・・・・?」
今度は少し強い違和感
といっても、差はかなり小さいだろうが
もしやと思ってくぐったばかりの鳥居を振り返――ろうとした
けれど止めた
嫌な予感がしたから
それも本当に、なんとなくだけど












ふと人影が見えた
壮年ほどの男性
心当たりは・・・・・・わからない。あっても思い出せない。ない気がする
悪意も敵意も戦意も無い。柔らかな表情
「ようこそ、戸隠へ」
歓迎するかのように男は言った







「此処が戸隠本家、か・・・・・・?」
「その通りだ。戸隠以外は滅多に来られない。来るまでがああだからな」
「・・・・・・お前がやったのか?それとも」
「自然だ。どういうわけか天然の結界が張られている。それも幾重にな」
「曲がりなりに僕が戸隠とはいえ、あそこまでは突破できない筈だ」
――――だって自分は、戸隠の落ち零れ
空間操作はほぼ出来ない。それを強化させる道具があれば別だが
唯一繋がるのが言霊の[結]だろうか?それと合わせ技の[滅]
そう思っていると男は言った
「いや、戸隠の血縁には無条件で“空間突破”出来るようになっている。時空がズレていようがお構いなしの、な」
「・・・・・・?」
「それをお前の場合は、直感的に無意識に分かるタイプなんだろう」
「はぁ・・・・・・」
つまり、無意識下での空間突破か
全く分からなかった。気付かなかった
ズレはほんの僅かにしか感じていなかった
元々ズレているのだろうか?その可能性は充分にあり得るだろう
「お前は――――此処へ来たのは」
「戸隠について知るため。自分のルーツなのに全く知らないんでな」
「それに此処は外界とはほぼ遮断されているからな・・・・・・直接出向いたのか」
「そうだ」
「俺が知る限りの事を話そう」

















「まずは・・・・・・時間と空間。この2つについてお前はどう思っている?」
「読んで字の如くと。時の間と空の間。
 『時』は随時流転するものであり、その切り取った一部を『時間』という。
 『時』は流れであり、変化し、止まるトキこそ終わりである。
 『空』は場所。もっというなら・・・何もない真空の事。合間にあるのが『空間』
 真空と真空の間にそうでない部分があり、その間で物は存在する。
 合わせて時空間。どちらも欠けてはいけないもの・・・・・・かな」

男は黙って宙の概念を聞いていた
そしてフッ・・・と笑った
別に感情は無さそうだった
「?」
「いやな・・・・・・戸隠とは、言伝がなくとも繋がっているのだと」
「・・・・・・??」
「いや、俺が思うのも似た様なものだ」
「そのうちの片方を操るのが戸隠・・・・・・だよな?」
「ああ、その通りだ。空間操作ならどんなバリエーションもある。
 異なる空間を生み出す者、空間を捻る者、密閉する者。結界師なんかも・・・そうだな」
「時間操作はいないのか?」
「微弱ながら出来る奴はいるな。というかそういうのがほとんどだ。操作というほどのものではないが」
「体感時間とか、ズラすとか、別の『時』の流れを生み出すとか・・・・・・そういうの?」
「その通り。異界のようなものだ、戸隠が生み出しているのはな」
「神佑地とは関係あるのか?この家系は・・・・・・」
「あるな。大有りだ」
「え?」






「そもそも戸隠―――空間操作が成立したのは神佑地との問題だ」
男は語り出した
「元々此処の傍にあった神佑地。外界からそこを守る為に戸隠は成立した。
 移ろい行く社会は遺物を拒絶し始めた。神佑地も拒絶されそうになった。
 恐怖か畏怖か?どちらでも同じ事。主はそこで自分の身を引く事に決めた。
 その気になれば全てを滅ぼしてもよかった。しかし、それは選択しなかった。
 主の想いはそのままこの場所に残り、天然の結界を張った。許されたのは戸隠くらいだ。
 元々空間操作はその主から貰った・・・・・・という説もある」
「・・・・・・わかったようなわからないような」
「成立話なんてのははそんなものだ。本当の始まりは誰にもわかったもんじゃない」
「戸隠は神佑地の護衛の家系ということ、か?」
「噛み砕いて簡単に言うならな」
しかしそれならば新たな疑問が生まれる
何故『戸隠』でなければならなかった?


「思っているな、“何故”戸隠なのかと―――」
「ああ」
「1つ目は能力の素質が元々あった、もう1つは戸隠には微量ながら妖力が流れているからだ」
絶句した
文字通り、言葉が継げなかった














「妖力!?そうなると祖先は妖関連・・・・・・!?」
「・・・ま、人に妖力が雑じった突然変異なのか、妖が人になった変異種なのかはもう分からんが」
「全く妖力の要素は感じられないが」
「薄まっているから不利益は全く被らんな。利益もそうだが・・・・・・稀にプラスの要素だけを表す奴がいてな」
「そんな都合のいい事があるのかよ」
「あるさ。聖域に入ってもびくともしない。まぁ、利益と言っても弱いものだからな」
「妖力、ねぇ・・・・・・」
「なんの妖かは分からない。色々と雑ざってるからな。
 そしてその妖力が出た戸隠は特別に“咎櫛”と呼ばれる」
そう言って男は字を書いて見せた
「読みは同じで字が違う・・・・・・ね。しかも端的にあらわしてるようだ」
フッと軽く宙は笑った
別段感情もこもっていなかった
「戸籍上は見ての通り不吉なんで“戸隠”のままだ
 こっちの漢字の“咎櫛”は元々の“戸隠”の能力が上手く出ねぇ奴
 ・・・・・・分かるよな?空間操作等が扱えない。媒介を必要とするタイプ
 “咎櫛”は呪術を司る。故にその道ではこの名で呼ばれるな」
男は地面に『呪い名』と書いた
「のろい・・・・・・?まじない・・・・・・?」
「読みはどっちでも構わない。寧ろその両方だろう。掛けられてるようだな」
その文字を宙はじっと見ていた
すると男が口を開いた
「お前はそっちの―――咎櫛だ」

「・・・・・・ッ!?」
再び驚愕して、黙った








「えぇ!?」
「心当たりはあるんじゃないか?」
「うぅ・・・・・・」
かなりあった
何せ自分が使う『言霊』がまんまそうなのだ
そして自らの使役魔にも言われた事のある科白、『同じ力を感じる』
このことだったのか、と妙に納得してしまう
「まぁ俺が説明できるのは此処までだ。正直、後は俺自身が分かってない」
他人に説明するにはまず自分が分かってないとな、と付け足す
男はそしてこの先の―――奥を指差した
「この向こうに書庫がある。そこに戸隠と咎櫛について詳しく記されている」
「あ、サンキュな」
そう言って宙は会釈して先へと向かった
結局一度も名を互いに名乗る事無く












それを見届けてから男は―――戸隠閉次は鳥居を潜って行った









Fin









*****************************************
要は戸隠の設定。それと咎櫛についてちょろっと。
やーっと出せましたよ・・・・・・。特に咎櫛の方。
『時間』については簡単に出てきましたが『空間』については考え込みました。
気付いたら妖力が付け加えられてました、あれ?
短編でこうしてちょいちょいと設定明かし。まだあります。ネタはね。

*A・Yさん
当主限定技は鏡の種類によっても違います。それぞれ特色に合わせて
夢幻と綺羅だけじゃありません、全員です>荊魔
どんくらいの人数送り込んでると思ってるのですか・・・流石に遠慮しますって;それ以外もありますが
ログは悲鳴を上げますからなぁ。見返さないし(お前!)

昨年度200冊以上本を借りてたらしい。それ以上読んでるだろうな・・・。
頭の中も今別の事でフィーバー中です。楽シイィィィィィィ(怖)

[9340]
A・Y - 2007年05月06日 (日) 18時48分

戸隠……其方の時間と空間についての概念の、説明みたいなものですね。
設定みると東方シリーズの博霊神社に似ていますね。
詳しくはウィキをオススメしますw

時間を止めるとか加速させるってのはやっぱり反則クラスだよなぁとしみじみ思った。
空間に関してはせいぜい固有結界、偽空間、平行世界くらいしか考えてないような。

ああでも、別空間に飛ばすってのは充分反則だよなぁ。
特に二度と戻って来れないようなところへ……のは死に等しい技だし。
時空間そのものを寸断してその隙間に敵を引きずり込む、ロマサガのデイブレークとか。

そして宙さんと閃次さんはここの出身でしたと。

ではでは。



Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】楽天市場から大感謝祭を開催中エントリーお忘れ無く
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板