| [9312] ESP element 5 |
- A・Y - 2007年04月11日 (水) 20時01分
モルフォン「いよいよ明日になりました」 凪「逆転裁判4の発売ですね」 モルフォン「はいvちょいちょいと今までのシリーズをやり直してみたりしてます」 凪「一度クリアしたミステリーものって再度しないんですけど、これは面白いのでw」 モルフォン「時々やるのが丁度いいんですよねーw」
response to 宙さん 最近は陰陽師といえばでレッツゴー!陰陽師が真っ先に連想されます。 まったく関係ないところにもネタバレ屋さんが突風の如く現れては貼り付けてくるんですよねー。 トスは付いてきませんので。 また響き重視で選んだから微妙なネーミング来ましたw 蟲守さまの身体もこの紫蝕まみれなんですよね。だから直撃以外の紫蝕には平気なのです。
モルフォン「ああ、早く明日にならないでしょうかww」 凪「その前に早起き出来るんでしょうか?学校もありますよね」 モルフォン「そうですね^^;勉強も万全の体制で行きたいものです。……そろそろ本編に入りましょうか」 凪「では、ENTERします」
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そこは、荒野だった。 木どこか一片の草もない。 ほんの目と鼻の先には、先程通った緑豊かな森があるのに。
いや、辺りの風景は今は置いておこう。 問題はA・Yの居場所だ。 此処に居る筈の。
「視えないって……?」 「空間をずらされてるってことだね。それも異空だけじゃなく時空の方も」
時間の流れを司るものが時空間。 ここより違う場所、違う世界へと繋げる穴、又は道と呼ばれるのが異空間。 真拳使い等の能力者の多くは異空間を利用する。 現実の空間を一瞬だけ変異させたり、あるいわ固有結界として自らの為の世界を創作したり。 時空間を利用する能力者は稀だ。時間を操る能力は強すぎるから。
「星纏いの魔女の固有結界は特殊……少々厄介だから」 「異空と時空の両方に微妙なズレを作っているんだ」 「単純な異空間ならボクらの専売。けれど時間も使われるとね……」
話は分かった。……概ねは感覚的に。
「それで……私に何が出来るんですか?」 「凪さん、あなたは時間のズレを見つけて欲しいんだ」 「え……ど、どうやって……?」 「風の声を聞くんですよ」 「……無理です」
凪の反論に、モルフォンは穏やかに首を振った。
「……じゃあ、風のことは考えなくて良い。ただ、耳を澄ましてみればいいから」
そんなことを言われても。 風を武器や技として扱うのが凪。風を感じて周りの気配や先のことを読むのは兄の風真。 風真にある力は凪にはないのに。 それに風真はもう……何処にも居ないのに。 何度も言った筈なのに。分かり切ってることなのに。無理なものは無理なんだと。
「……ごめんなさい」 「え……?」 謝罪したモルフォン。 凪はなんのことか唖然としたが。 「あなたにとっては、きっと忘れたくても忘れられない辛いことなんでしょう」 「どうして分かるんですか」 「分かりますよ。あなたの心が荒れているのが」 「……!」 心と言われて、凪は自分の胸に手を当てた。
「それでも、あなたなら出来るって信じてるんです」 「頼む」 モルフォンからクリムゾンも、真摯な顔で頼んだ。 特にクリムゾンは、藁をも掴む思いで言っているのだ。
凪は目を一呼吸分は伏せて、答えた。 「……分かりました」
やれることはやってみよう。 出来なければ出来ない。 自分や彼らが納得するまでは……試してみよう。 凪は、心を落ち着けることにした。 心を軽く……そう、風に浚われ踊る木の葉や羽のように。 瞳を塞いで、耳だけに神経を集中させる。 神経と言われる辺りも硬くならないように、穏やかに、委ねて。
モルフォンとクリムゾンもそれから一切言葉を発しなかった。 余計な物音も出さないようにした。息すら殺して。 ラークリもまた、自分の存在を消すように、大人しく佇むことにしている。
聞こえるのは。 風が鳴らす音。 大気が擦れたり、木々を揺らしたり、砂や埃を運んだり。 辺りは、風に関する音しか聞こえなかった。
突然、全てが止まった。
(……あれ……?)
何も聞こえなくなった。 無音の世界。 宇宙に放り出されたかのような、錯覚。
そこに、誰かが運んできたような。伝えてくれたような。 何かが。
(この感情は……)
寂しい。サビシイ? 悲しい……ニクイ……どうすればいいのか、分からない。
負の感情ばかりがしみじみと溢れて、漂っている。
ハッキリとした言葉が……文章が、頭の中に響いた。 それは――――
――――わたしは どこに いるの ?――――
同時に刹那的に、目蓋の裏から、脳の内側から映ったのは。 白い修道服に頭には黄色い石を埋め込まれた、黒髪の女性の姿。
凪の人差し指が、ある物へと突きつけられる。 指から全身を震わせながら。
「あ、あそこ……?あなたは、そこに、居るの……?」
指差した先には何もない。 しかしクリムゾンはすぐさま行動を始めた。続くようにラークリも。 彼らが凪が指した地点の双方から何らかの力……おそらく精霊に関する力を放出する。 それに呼応し、歪曲して出来上がったのは、空間の裂け目。
「ビンゴォ!!!」 「感謝する!」
クリムゾン、ラークリが裂け目に飛び込む。
凪は息を飲んだ。 そこにモルフォンに肩を抱かれて。 「わ、私……」 凪は何かを言おうとしたけど、それ以上の言葉は出なかった。 笑っているにしては微妙な顔をする少女へ、モルフォンはただ「よくやった」と云う意味の微笑みで頷いた。
意を決した凪を確かめて、モルフォンは彼女と一緒に飛び込む。
数分後。 其処に来たのは、黒い学生服の少女、二人。
「これは……」 「次元の切り口……私達より前に来た誰かが、何処かの異空間への道をこじ開けたようですね」 「そうか、それを見つけた俺達はギリギリ間に合ったようだね」 「「!?」」 後ろから来た男の声に、少女達は驚いて振り返る。
「おっと、怪しい者じゃない。刑事だ」 男は、警察手帳を素早く見せる。 多分、本物。……だが。 「刑事がこんなところに居る方が怪しいんですが……」 「そうかい?でも目的は同じだと思うよ。呼ばれたんでしょ、その中に居る人に」 「……否定は出来ませんね」 ニッと気さくな笑顔で頷く男。少女達の方は戸惑いと警戒が拭えないが。
「そうだ、こんな所で立ち話している時間も無さそうだ。さっさと入ろうぜ」 「あ、ちょっと……」 男はさっさと裂け目に飛び込んだ。 少女達は済し崩しで納得し難い顔を浮かべたが、刑事と言った男……神猫に続いた。 次に飛び込んだのは茶髪のポニーテイルの少女、紫。最後に入ったのは蒼髪の少女、千凪。
裂け目は間もなく閉じられた。現実の風景と違和感なく同化する。
あとがき 筋が通るかな……?という理屈が一部出た今回^^; 簡単にまとめれば、クリムゾン達はピンポイントじゃないと目的地への異空間は開けられないよってことなんですね。

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