| [9300] 僕と師匠 |
- 宙 - 2007年04月05日 (木) 20時11分
今まで
今まで銃とは無縁の生活だった
かといって人殺しと無縁だったかと言うと、答えはすぐに否と出る
正確に言えば銃を使う、ということと無縁だったのだ
銃はいくらでも見てきたし、便利そうだとは思った
同時に扱いは簡単に見えて案外難しそうだとも思った
その予想は見事に的中していた
記憶を失ってからの言霊に目覚めてから、もしかしたらと思って唱えてみた
しかし、反動が大きすぎた
指から迸ったエネルギー それは余りに大きくて
指先に集中している分、こちらの負担も計り知れなかった
反動だけではなく、まず狙いが定まらない
記憶を失う前にどうやってたかは知らないが、後からも余り使用しなかった
このままでは何かマズくないか?そう思ってたときに自分は今の『師匠』に拾われた
自分はそこで初めて“今の”名を名乗り、相手の名を探ろうとすると遮られた
自分でもまだ知らない『能力』を既に看破されていたらしい
彼女の名は、篁北斗といった
これは彼女との修行の話
後頭部を命に別状が無い程度に殴打され気絶した自分は、目が覚めると森の中にいた
「えーっと、師匠?此処、何処ですか?」 “天宮宙”を名乗り始めてから、敬語を使っているのは限られている 師匠と呼ばなければ怒る(どころではない)北斗はそのうちの1人だった 「森。正確には樹海だが」 「はぁ・・・・・・それで、一体何を・・・」 「修行だ。日没までにこの森の中に1つだけある吊橋に来い。出来なければ野垂れ死にだ」 そう言うと北斗は消えた 正確には周囲に気配を溶け込ませた 姿も勿論見えない 「いやあの・・・・・・?」 ちなみに太陽は今、真上にあった
結局無理矢理感溢れるサバイバルに辛くも生き残り、今にも崩れそうな吊橋の傍に辿り着いた かなりギリギリだった
またある日 自分は気付くと断崖絶壁の傍にいた
「・・・師匠、これは一体どういうつもりですか」 「宙、ライオンの親は我が子を崖から突き落とし、生き残った子だけを育てるそうだ」 「僕はライオンじゃありません」 ちなみに少年のような言葉使いを奨めたのも師匠だった 「とりあえず、落ちろ。ついでに言うが言霊は使わずにな」
ドン
思いっきり容赦なく突き飛ばされた 突き落とされた
「アンタライオンより酷いわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!!」
言霊を使えないというのは余りに鬼だった いや、使っても下手したら死ぬのだが さらに使えないとなると最悪だ。ちなみに使ったかどうかはなんとなくわかるらしい 一体何者だ。と詮索するのはもう諦めている 自分が何者なのか全く分からない人間がそんな事を探るのか
「・・・・・・クソッ!」
ガガガガガガッ
持っていた拳銃のグリップの部分を崖に擦りつける 擦る、というより固定させようとする 崖の深さは半端ではない。が、そろそろ木々の葉が近づいてきた 加速はそろそろ収まったようだ。限界まで加速したのか それを減速させる 摩擦によって、少しでも地表に落ちる時の身体へのダメージを減らす 今度は崖を足で蹴った 一瞬でも止まるように、止めるように しかしそれは一瞬だ。マトモにやれば足が壊れる 次に目をつけたのは木々の枝 そこに足をつけていく バキポキと折られていく枝枝 いや、本当の音はもっと凄まじかっただろう 何せ折られた枝はかなりの数があったのだから
結果としては、茂みの中に入れたために辛くも着地成功 その後この崖から突き落とす修行、というか荒行は幾度と無くあった その度に段々自分は人間業ではないものを身につけていった気がした
別の日
「師匠、あのその、手に持っている銃はなんですか」 「これから私の銃を全て交わしてもらおうか。タイムリミットはそうだな・・・・・・月が昇るまで」 3日前は満月だった ということは、夕方よりも遅い。というか昇るまでとは曖昧だ 「正確には私とお前とに見えるまでだ。ま、頂点の前だから安心しろ」 要は真夜中まではやらないということだった しかし今は午前10時半 これはかなり長くないか しかも彼女の銃は弾切れとは無縁だ 「途中の食糧補給は自力で行うように。そのための自然だ」 ちなみに前日の雨により足元の土はぬかるんでいる 足をとられやすい しかも此処らへん、切りかぶとかもあった 「さぁ、スタート」
一発の銃声が合図だった その一発は明らかに自分に向けられていた 隙さえあれば仕留められていた、とだけ言っておこう
その後もどこかの荒くれた町の賭場で有力者を全滅させたり 裏では有名な学校で殺し合いのゲームに参加させられたり ・・・・・・とか 師匠の差し金で色々とやらされた その間に拳銃を使えるようになり、言霊のそれも完全に会得した 上にあげたのは既に実践レベル それが終わってからポイと放り出された 修行期間は終わり、といったところだろうか
師匠に別れを告げられ、また自分は1人になった その数年後にまさかまた仲間が出来るとは思わなかったといえば嘘になる
Fin
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名前:篁北斗(タカムラ・ホクト) 外見:麗しい長い黒髪に濃い灰色の瞳。紅色の革のジャケットの似合う女性。中は白いブラウス 年齢はサッパリ分かりません 能力:周囲にある物質を相手に撃ち出す。彼女は銃を使用 普段使っているのと水中時では銃は違う。複数所持 普段のはまさにエアー・ガン。空気を弾にしている 弾切れは決して起こらない。また、命中精度も極めて高い 性格:冷静で無感情。というか無感動。姐御肌。皮肉げでもある。そして鬼
宙の師匠。上にあげたのはほんの一部。もっと酷い内容もあった模様。 二つ名は『無慈悲の塊《メルシレスブレッド》』 外見は昔と全く変わってないらしい。年齢不詳。
北斗の話とその設定です。 その他にあまりいう事はない・・・・・・気がする(オイ)
*A・Yさん え?タイトル?フールな作者によるバカ(色々と)な話なので間違ってはいないハズ。 似通ってるのはもうお約束といったものかと>日付 勿論夢幻からも行ってます。 文字通り?フフ、それを狙っていたのですよ!(お前!) 直接表現が好きですからね。これでも迷った方。いや、キスとかそっちで。 ブレーキぶっ壊れても!;当社はその責任を一切負いませんよ!(ぁ ご想像にお任せします。お好きなようにとって頂いてくださいな。 余裕があるコンフェ君はそちらの影響ですよー。 甘々でした!?よかったぁ・・・・・・。 しましたね、チャット!w思い立ったが吉日みたいな!w 4月1日は彼らの愛のバースデーですね。その前からあったか(オイ)

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