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[9234] 風の想い出
宙 - 2007年03月22日 (木) 22時50分





それはもう、何年も前の話











だだっ広い丘があった
草木や花が植えられている庭があった
大きな家があった
小さな建物がぽつぽつとあった





小さい丘の上に小さくて幼い薄翠色の髪の少女がいた
彼女の名前は凩凪
此処は彼女の家だ








さわさわと風が吹いている
凪はきょろきょろと誰かを捜していた
しばらく歩くと、その顔がぱぁっと明るくなった
「兄さん!」
そう叫ぶとタタタと走っていった






「兄さん!」
「やっぱり凪だったか」
にっこりと笑顔で迎えた少年
妹よりも色素の薄い髪に深緑色の瞳
彼の名は凩風真


「いつもいつも思うけど凪はわかりやすいなぁ」
「ねぇ、どういう事?」
「いつも風が教えてくれるんだけどね。凪はその中でも特にわかりやすい」
「なんで?私普通にしてるだけだよ?」
「なんだろう・・・・・・どう言えばいいのかわからないけど。そうか、凪は構って欲しいんだ」
「え?」
「『私の存在を知って欲しい』とか、『構って欲しい』というか・・・・・・」
「・・・よく、わからないよ。確かに私は兄さんに構って欲しいけど」
そう言って凪は俯いた
ポンポン
風真は凪をあやすかのように頭を撫でる
「うん。わかんなくてもいいよ。・・・・・・凪、何処に行きたい?」
「どこへでも。兄さんが行きたい所なら」
風真はくすりと微笑んだ












「・・・・・・兄さん」
「ん?」
「兄さんは急に遠い所に、行ったりしないよね?」
その問いにしばらく考え込んだ

「わからないなぁ」











〜 〜 〜











まず先に凪が遠い所に行ってしまった
菫が丘学園という女子校
表向きはハードルが色んな意味で高い有名女学校
実際は裏世界に直結してるとも言われる曰くつきの学校
そこで妹は様々な事を学ぶらしい
自分は正直言って丁度いい、と思った
自分と離れた方が彼女にとって何かと有益だろう
支えの何もない所で、彼女は風を完全に自分の物にするのだ
今までは自分が指導していた
初歩的な事は一応身についている
簡単な技ならもう出来ている



自分が出来るのはそれ位だ
他に親からも教わったらしいが
風を扱うのには結局、自己流でなんとかするしかないのだ








自分は風を扱う事は決して出来なかった
せいぜい、読む事くらいだ。感じる事くらいだ
それについては他の風使いよりも格段に優れていたらしいが
その代り風は扱えない。どちらが代償なのか


しかし、いくら風が扱えないとはいえ、自分は凩の端くれ
狙われる可能性がある
なので自分もある学園に入った。裏世界と直結する学校
自分から希望した事もあるが
数奇な運命だ。今自分は瀕死の状態
それも助からない事はわかっている
その前々から予感がしていた
けれど逃れるつもりは毛頭なかった
ここで逃げられたとしても、自分の命は尽きるとも予感していたから









嗚呼、そろそろ自分は死ぬ
思えばクラス内は最初から結構殺伐としていたっけ
元々がそういう目的からだろうか
殺し合いのゲームがこうやって巡っても大して驚きもしなかった
その中でも一際奇妙な奴がいた
雨宮空、といったか
一目見て分かった。この少年こそ誰よりもゲームを待ち望み、勝利する者だと
何故か自分はその少年と一番仲良くなっていた
仲良くというか、なんというか
その傍にはいつもある少女がいた。名前がもう思い出せない。どうでもいいと思っていたからか
こうしてみると随分と自分も冷たいものだ



空は今、上にいる奴等を全員始末してから降りてくるだろう
・・・・・・いや、もう降りて来た
矢張り早い
彼――――彼女の仕事の速さはちらほらと見かけた













やってきた。まだ自分が生きている間に
自分を抱き締めている。そんな事で自分が治る筈もないと互いに分かっているのに
けれどありがたい
あたたかくはなるから。少しでも


少しの間、空は自分の死を悼んでくれるだろう
けれどそれは僅かの事
だって空は元々既に『狩る側』なのだ
悼まれるのでも充分。自分の死をずっと引き摺るなんて事はないだろう

問題は凪だ
あの子は確実に自分の死が重荷になる
きっと先へ進まないだろう
・・・・・・もう喪った者の為に祈らないで
君には今目の前に存る者がいるだろう?
自分はそれに縛られてしまう
想い出として心の中に留められるだけでいいから
過去の記憶として埋葬しろ、だなんて彼女は拒否するだろう
















ねぇ、凪

自分の事を忘れろなんては言わないから

“凩風真”の存在に囚われないでくれ

せめてその牢屋から抜け出して

自分でわざわざ作った檻の中に閉じこもる事はない

それはなくてもいい檻だから

既に喪った存在に縛られる必要なんて、ないんだから



まだ止まってはいけない

可能性は十二分にあるのだから

無駄にしないで


・・・・・・・・・・・・離れて










Fin









***************************************
風真の話ー。
なんだろう。ここの所ぽんぽんとキャラのネタが出てくる。
でも名前が決まりません。オゥノー。
軽く紹介もしたいんですけどねぇ(泣笑)

*A・Yさん
「小ネタやろう」と決めた時に同時に決まりました>暗号
その後痴漢たちは当時の記憶を無くしてたらしいです(お待ち)
周りは笑顔で黙らせば完璧です(ホントに待て)
きゅうりは、ならない!;>結界
怒らせてみましたー。ちょい楽しかったですが。
話聞くと原罪四部も不死身じゃないみたいなんでw
早く明かさないと次にチャンスが来るのがいつになるかわからなかった>影彦
・・・・・・ホントの理由は矢張り蛇足にグパァ!(奇襲)
PCよりも上かも。目が悪くなりそう>伊達眼鏡
ちなみにあのディスクの中、ミラにとっては『旧時代』らしいです。もうどうでもいいと思ったらしい(ぇー)
自分でもそう思います>いの部分多い
どうぞ。とりあえず自己増殖機能がないことだけを説明したかったので>晴海
いえいえ、長くてもいっこうに構いませんv


[9239]
A・Y - 2007年03月24日 (土) 18時11分

タイトル見た時点で「マッテマシターw」(虫姫ボイス)

成る程、風真さんはこういうキャラだったんですね。
自分が想定してたイメージとほぼ違ってなくてとりあえず安心。

あ、ここで宙さんとの繋がりがあったと。
凪さんと知り合えた理由も分かりました。

やっぱり妹想いのお兄さんだったんだなぁ。
ちょっとしんみりきました。

……離れて。か。
一番近いけれど、一番遠い所に来る事になったら、彼としてはどう想うか。

ではでは。



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