| [9198] 零色 ――2―― |
- 檸檬 - 2007年03月18日 (日) 14時57分
皆が寝静まった後、涙と翼は窓から外を眺めていた。
「この頃、稟魁の数が増えてきています・・・あの組織が動きだしたと
しか考えられませんね」…涙 涙は心底悲しそうな顔で翼に話かける。翼は少し考えてから思いついた
ように言う。
「そうですわね。ですが明日には二手に別れていた仲間とも合流します
し、心配することはありませんわ」…翼
それを聞いた涙は、少し安心したような顔で言う。
「そうですね、今日はもう寝ましょう。明日は朝早いですから」…涙
そう言って、涙と翼は寝床についた。
**同時刻***
風羅が戦った場所が良く見える崖の上で何人かの人間が集まっている。
黒い布地に白い羽が書いてあるコートを着込んだ男女数名。何かを聞き
たそうにしている茶色髪の少年が黒い瞳を少女に向けて言った。
「やられちゃったんだって?瑞希のお気に入りだった稟魁」…?
瑞希と呼ばれた水色の髪の少女は、黒い瞳でその少年を見ている。
「うん、朔夜の言う通り☆今日の夕方に風羅っていう零色の女に
ね。瞬殺だったよ」と笑いながら朔夜と呼ばれる質問した少年に言う。
「やめとけ朔夜。めんどくさそうなことに首を突っ込むなって」…?
ざんばら髪で、蒼と緑のオッドアイの少年がめんどくさそうに言う。
「え〜、だって神猫!こんなにおもしろそうなことなのに!!」…朔夜
反論の声をあげる朔夜だが、腰まである黒髪をなびかせた、赤と紫
のオッドアイの少女が神猫に同意の声をあげる。
「そうよ朔夜。お兄様がそう言っているんだからやめときなさい」…?
お兄様と言っていることから神猫と兄妹ということが分かる。
「黒猫、お兄様と呼ぶのはやめてくれ。恥ずかしいだろ」…神猫
恥ずかしそうに言う神猫に黒猫と呼ばれた少女は反論する。
「なぜ、お兄様と呼んではダメなの?」…黒猫
悲しそうに見上げてくる黒猫にダメと言えるはずもなく…
「そのままでいい」と折れてしまう神猫であった。
「「(シスコンとブラコンなのは変わってないなぁ…(汗))」」…朔・瑞
………10分後………
「「お待たせ」」…?・?
急に二人の少年が四人のいる崖の上にやってきた。
「久しぶり〜、月夜・陽一」…朔夜
月夜と呼ばれた男は紅い瞳で茶色の髪をしている。それは
陽一も同じであり、顔も似ているから双子だと言うことが伺える。
「久しぶりだな、朔夜、神猫、黒猫、瑞希。かわってないな」…月夜
懐かしそうに月夜は言う。
「それ、俺も言おうとしてたのに!月夜は毎回良いとこばっか持って
く!!」…陽一
先に言われたことが悔しいのか、陽一は月夜に反論する。
「陽一が言わないのが悪い」…月夜
「何を〜〜!!」…陽一
このままでは喧嘩になると思ったのか、黒猫は二人に言った。
「と、ところで、楼や薫、レンとルンはどうしましたの?」…黒猫
喧嘩をやめ月夜は言う。
「あの四人なら今日は来れるか分からないって」…月夜
「そうそう。言ってなかったっけ??」…陽一
それを聞いた神猫はため息をついた。
「陽一…お前は本当に抜けているな」…神猫
それを聞いた陽一は、負けずと反論する。
「アンタだって、いつもめんどくさそうにして………」…陽一
反論になっているのかわからないが、陽一の言葉は最後まで言い切られ ることはない。
「陽一?お兄様を悪く言おうとなんてしてませんよね?」…黒猫
少ぉし黒いオーラをだしている黒猫を前にして、神猫の悪口が言えるわ
けない・・・・・
「そろそろ本題に入ってもいい?」…瑞希
忘れかけられていた瑞希が口を開いた。
「これから皆言う通りにしてね。まず、神猫と黒猫は西に行って稟魁を
増やすように。月夜と陽一は北に行って,ここに書いてある人たちを殺
してきてね。私と朔夜は南に行くから。それと楼と薫とレンとルンには
東に行くように言っておいてくれる?」…瑞希
そう言った瞬間崖の上に四人の男女が現れた。
「ギリギリですわよ」…黒猫
「こんなめんどくせぇ会議でなくて良いのによぉ」…神猫
めんどくさそうにいう神猫と少し怒っている黒猫。
それに対し、オレンジ髪で黄色の目をした男女が言う。
「「遅れちゃってごめんねぇ(ごめんなさい)」」…?・?
申し訳なさそうにいう二人。後の二人はというと、
「大丈夫だって、楼・薫!!来れただけでもよかったし〜〜↑↑」…?
異様なまでの明るさを振りまく金色の髪をした、青い瞳の少年
「レン兄ちゃん!!きちんと謝ってよ!!」…?
レンと呼ばれた少年は、妹と思われうる少女に言う。
「ルン、安心しろ!!俺に任しとけ☆」…レン
何を任せろと言っているのか分からないルンだが、ここに来た目的を思
出だして瑞希に聞いた。
「それで私達は何をしに此処へ来たの?」…ルン
「瑞希〜指示頂戴!!!」…楼
「そうだった!!今回の指令は何なの?」…薫
一人だけ無視されたレンは端っこでいじけていた・・・。
「あんた達は東に行って稟魁を増やして来て。近くに零色がいるから気
をつけてね」…瑞希
「「「「了解(で〜す)」」」」…楼・薫・レン・ルン
指示を受けた四人は東へ向かって行った。
「んじゃ、俺らも行くから」…月夜
「俺もその言葉言いたかったのになぁ…」…陽一
そう言って月夜と陽一は北の方角に消えた。
「私達も行きましょう、お兄様」…黒猫
「めんどくせぇなぁ」…神猫
そんな神猫の意見に賛成なのか、黒猫は、
「お兄様、早目に済ませましょう」…黒猫
と言って、闇に消えて行った。
「俺達も行くか?」…朔夜
「そうね、行きますか」…瑞希
十人もいた崖の上にはもう誰もいなかった。
零色が動き出したように、彼らの組織『虚空(コクウ)』も
動き出そうとしていた。
**続きます** 今回は敵キャラを主役として出させてもらいました!!
見方キャラは今度出させてもらいますのでお許しください!!!
書いていて自分でも分からなくなってきたので意味の分からない点も
沢山ありますが、これからもがんばります☆
キャラを提供してくれた方!!本当にありがとうござきます!!
敵キャラについては黒に白い羽というコートで服装をまとめさせてもら
いました。服装を統一したかったので…………。
ちなみに瑞希は みずき と読みます。

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