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[9159] 紡がれし調べ  page.69
宙 - 2007年03月14日 (水) 22時19分






ある小さな部屋で対峙するベルと金子
金子にとっては雪辱戦となる
ベルも一応面識はある

ベルフェゴールが扱っているのは今の所ナイフ
対する金子が使ってるのは普通のカッターだった





「・・・・・・カッター?」
ベルの呟きは「バカにしてるの?」というような含みがあった
それに対し金子はむーと頬を膨らませる
「カッターをバカにしないでください!端っこから切らなくても物が切れるんですよ!」
「いや、そういうわけじゃなくて」
「それともなんですか!貴方は鋏派なんですか!端っこからじょきじょき切るのが好きですか!」
「オレはナイフ派だけど」
律儀にさりげなく違う派閥を答えるベル
「何ぃ――っ!?そうか。ならば納得できますね」
「オレが気にしてんのはなんで文具でやんのかと」
「文具だってカッターは充分な凶器ですよ。これが最初に目に付いたんで買いました」
どうやら新品らしい
そろそろこのやり取りに飽きてきたベルは溜息を吐いた
「はぁ・・・・・・そろそろやめようぜ。いい加減」
「そうですかぁー?結構こういう漫才も面白いんですが」
矢張り漫才のつもりだった
ベルは改めて溜息を吐き、そしてナイフで襲い掛かった














「ととっ!」
「へぇ、やんじゃん」
金子はそれをカッターで受け止めた
ピュウ、とベルは口笛を吹く
けれどさらにナイフを追加し、投げる

ビュン
ヒュン


「うわぁ!!」
「・・・・・・ヤケに女の子らしくない悲鳴だなぁ」
「それを言うなら!いたいけな女の子に何するんですか!」
「自分でいたいけって言う?オレは王子だからいいの」
「え?玉子?」
「・・・・・・・・・どこをどうすりゃそう聞き間違えるんだよ。見間違いならまだしも」
「チッ。冷静に返された」
そっちではないだろう
ここで2人は距離をとった










「ん?いいのかなぁ?オレから離れて」
ベルはカッターを見ながらにやにやと言う
前髪で見えてるかどうか疑問だが、おそらく見えてるだろう
「?」
金子が怪訝に思っていると、途端に強い風が吹いた
「!?」
金子はスカートは押さえず、ただベルを注視する
ビラビラとめくれているが気にしていない
もっとも、気にしたらただの大馬鹿者だが
ス・・・とベルがナイフを乗せるような仕草をした
勿論、空中で
「・・・・・・?」
パ、と手を離すとナイフが妙な機動を描きながら金子の元へ来る
それも複数
「・・・・・・!!」
カッターで払ったり、なんとかして避ける
しかし完全には避けきれずにいくつか掠る
ツゥと血が流れる
金子は唇を噛む







「もしかして貴方・・・・・・風のエレメント持ってる、の?」
「そーだよ?だってオレ王子だもん」
「王子じゃなくても持ってる人はいっぱいいますよ」
「んん?」
「それよりこれは・・・・・・貴方が生み出した風の気流にそのナイフを乗せてるんですね」
自分が作り出したものなら容易いだろう
しかも完全にベルに有利だ
カッターを投げたとしても決して届かず、寧ろ金子に向かう
チ、と金子は舌打ちする
自分はそんなに上手くエレメントを使えない
それに、先程からチラチラと見える物にも気付いている


張り巡らされたワイヤー
鉄線だろうか。それにしても物凄い量だ
おそらく、彼が放ったナイフについていたのだろう
無数のナイフはあちこちに刺さっている
今更気付いた。遅かった
もっと早くに決めるべきだった
ただでさえ自分はこういうのに慣れていないのに
慣れてなど―――――







「その様子だと気付いたみたいだね?」
「・・・・・・まーね」
「でももう遅いよ。どっちみち死ぬから」
ジャラっとナイフを取り出し、投げた
それに対し金子は―――――真っ直ぐに向かってきた














「!?」
ベルは仰天した
「頭悪いにも程があるよ?あんぐりしちゃう」
「へへへ・・・・・・」
致命傷こそ避けてはいるが時間の問題
金子の足取りはふらふらしている
ポタポタと彼女の体から血が流れている
その後ろには列ができている
痛みはあるだろうが、それについては気にもとめない
詰められていく距離
胸を守るように腕を構える
その手にはカッター
「何?こうすれば怯むとでも思った?甘いんだよ!」





ガッ





あと少しで刃が届きそうな時、ベルは金子の腹を蹴った
「ぐっ・・・・・・!」
「ほら・・・・・・ね・・・・・・!?」


ザクリ






見るとベルの脇腹にナイフが刺さっている
――――ナイフ?
待て。彼女が持っていたのはナイフではなく、


「カッターなら此処ですよ」





シャッ









喉元に一閃
まさに一撃
ベルはそのまま倒れた

ドッ・・・・・・






「ハァ、ハァ・・・・・・へへへ」
金子は楽しそうに笑った
「結構気持ち悪いんですねー、人を刺したり殺したりするのって」
うふふと笑った
その表情はとても言葉とあっていない
恍惚とも取れるものだった
手には血のついたカッターを握り締めている





「わたしの武器はカッターだけじゃありませんよ・・・・・・ほら、此処にはいっぱいあるじゃないですか」
もう動かない彼に向かって言う
ただの独り言
既に風は止んでいる。起こした力が消えたから
辺りには沢山のナイフとワイヤー
「ちょっと拝借しました。ほら、言うじゃありませんか『モッタイナイ』って」
いい言葉ですよね、と言いながら彼女は外へと向かう










彼女の体力も限界だったらしく、部屋から出ると壁にもたれるようにして倒れた
倒れ込むすんでのところでそれを留める手があった
それは、女性の手
彼女は聖母のような笑みを浮かべながら金子を抱きかかえた
バスケットを腕にかけながら


「よく頑張ったわね、金子ちゃん」











Next









***********************
ベルファンの方ごめんなさいね。
最後の女性は、わかりますよね?
この戦いはやりたかったんです。金子が少しでも『進歩』するために。
金子の『霧碕』としての成長とかシリーズでできたらいいなぁ・・・。
と、本編とは関係のない呟き。
それとこの2人の掛け合い案外楽しかった。

*A・Yさん
そりゃあ優秀な暗殺集団のボスだもの。強くなくっちゃ>XANXUS(ザンザス)
七海の攻撃で倒すパターンもありましたが、銃弾で押し切りました。
普通の銃弾に憤怒の炎のエネルギーを凝縮した、というもの。
狐です。狐も好きなんです僕が>七海
前々から設定はあったので、ここで出せて満足。

[9168]
A・Y - 2007年03月15日 (木) 17時50分

雪辱戦来ましたね。
なんかあんまり殺伐としなかったのは半分が漫才で出来ているからでしょうか?
ちょっと和んだりしました。変ですね(お前がな

確かに成長としたという感じ。
金子ちゃんのテーマが見えてきたかな。
うーん、でもやっぱり戦い方がまだまだというか。
こんな子を、蟲守の(以下略)に放り出したら確実にお星さまになっちゃうお。
最後に出た女性は分かりましたよー。

ではでは。



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